読みたい本と、読んでおいた方がいい本
時間がある時に、あれもこれもやりたいと思っていることの1つに読書も入っているのですが、いざ時間ができても家にいると家事や誘惑 (高校野球とか💦) にまけて時間が足りない・・・
仕事柄、私の机の上には4・5冊、多い時には10冊くらいの本が並行読書状態で積読(つんどく)されています。(ここでの私の平行読書は、同時に読み進めていることで、授業などで同じテーマを読む読書のことではありません。そして、積読とは読書用の本が積まれて置いてあること・・・積んだだけになっているものもあります)
司書をしているというと、なんとなく「すごい読書家で、子どもの頃から文学少女だった」「本のことならなんでもどうぞ」のようなイメージを持たれることがあります。が、実は、私が司書の資格を取ったきっかけは子育て中の絵本の読み聞かせがきっかけでした。
この事については、また別の日に下記の続きで書かせてもらいます。
積読している本は、たいていが「(仕事上)読まないといけない本」か「読みたいとは思うけど時間がない」か「じっくり読みたい本だけど、書架に置くと忘れてしまいそうな本」の3種類に分かれます。
この3種類の本をだらだらと消化しながら、ときどき、まったく違う本を間で手にして一気読みしてしまう本があります。
それが「今、読みたい本」です。
この本が今日の「今、読みたい本」でした。
著者は『神様のカルテ』の夏川草介さんです。医師で作家という方は他にもいらっしゃいますが、夏川さんは医療現場と人とを書かれる小説家だと思っています。
地域の高齢者医療に向き合う研修医と3年目の看護師が、悩みながらも患者や家族に真摯に向き合う4編の短編集なのですが、どうしてこの本が今の私の「今読みたい本」だったかは、この中の「カタクリ賛歌」を少し読んだからです。
高齢の治る見込みがない患者に胃瘻(いろう)をするかどうか、もう一人の患者は逆に治療すれば治る見込みがあるのに本人は延命治療を望んでいない・・・
母が最期に入院した病院と同じような、地方の高齢者医療中心の病院。胃瘻について、母は強い意志をもっていたので治療方針で何度も提案されましたが、父とも相談して母の意思を通させてもらいました。他の病室には色々な患者さんがいました。
読んでいて、先生とのやりとりや色々な感情が思い出されてきます。よかったのかどうかはわかりませんが、自分を重ね合わせて気持ちを消化していくのに、この本を読みたかったのかもしれません。
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「読みたい本」 は、心が求めている本。安心したい、納得したい、楽しみたい、ワクワク・スリルを味わいたい・・・ETC そんな本は自分から手にして読める本だと思います。
もう一つの「読んでおいた方がいい本」・・・それは視野を広げたり・考え方を教えてくれる、心を豊かにしてくれるものだけれど、どちらかというと他の人や影響を受けて手にする本。なので、「読みたい本」よりもハードルが少し高くなります。
読書は「心育(ここいく)」だと言われます。
食育では「色々なものをバランスよく食べましょう」と言われます。丈夫な体や免疫を作るのに、お菓子ばかりではよくありませんよね。
読書は自分で読みたい!気持ちを大切にしないといけないと思います。それがないと本は読めません。
けれども、好きなものばかりだと、他の知識や考え方に触れることも少なくなってしまいます。世の中にはいろんな事がどこかでつながっています。点と点をつないで、新しく先に進むためには、ある程度は好きなものではなくうても触れてみて、考え方や新しい知識で刺激されることで、行く先が見えてくるかもしれません。
読書感想文の本を選ぶのに困っているのを見かけると、クラブや家族構成、興味ある事を聞いて、本を勧めることがありますが、それは気持ち(心)を重ね合わせやすい、登場人物の感情が想像しやすいからです。
共感できる部分がある方が、自分の考えを引き出しやすいとは思いますが、逆に、苦手だなと思っていた本(の内容)は、新しい考え方に出合えるチャンスかもしれません。ちょっとだけ味見をして、いけそうなら頑張ってみることもお勧めします。
ネット検索では、その人のお好みのものが勝手に紹介される時代。それは本当に親切なことになるのかな・・・?
食べ物も、情報も偏食は避けたいです。
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