見出し画像

サピエンス電子 【電子版・分冊版販売のお知らせ】

 こんにちは、橘です。

 この度、BOOTHにて拙著の電子版、並びに作品ごとの分冊版の販売を始めることにしました。

 紙媒体の販売も在庫が若干ではありますが実施しておりますので、紙で読みたいという方はどうぞよろしくお願いします。

下記URLからBOOTHサイトに飛べます。



1、電子版発行に至った経緯

(以下電子版あとがきより抜粋)

 改めまして、こんにちは。橘華織です。この度は電子版『空色の季節』をご購入いただき、まことにありがとうございます。ここでは、初版発行からずいぶん時間の経った今、何故電子版を発行することになったのかの経緯について、少々長くなりますが綴りたいと思います。

 文学フリマに出店した作品をBOOTH上で販売し始めたのは、二〇二三年一月のことです。そのときは書籍版のみの販売で、電子版(DL版)のことなど全く想定していませんでした。
 昔から自分は紙の書籍に強いこだわりがありました。文フリに出店した作品には実際に手に取って初めて伝わるような工夫(スリップや検印、トレーシングペーパーのブックカバーなど)を施しました。自分の作品の良さを一〇〇%伝えるには紙媒体以外に考えられないと思っていたのです。

 一方で、電子版のメリットが全くないわけではありません。ここで電子書籍と紙の書籍の比較、といったありきたりな議論をするつもりはありませんが、私が今回電子版発行を決意した一番の理由は、販売・購入のしやすさです。
 そもそも私が自分の作品を文フリで販売しようと思ったきっかけの一つは、同人出版だからこそできる自由度の高い表現性への憧れと挑戦でした。ですが、それ以上に、自分の文章を一人でも多くの人に読んでもらい、様々な意見や感想、批評等を受けて作品をより良くする、という目的が大きくありました。
 私は、大学のサークル活動で初めて小説を書き始めました。サークルの先輩や同期、後輩から様々な評価をもらうことができましたが、一方で自分のことを知らない外部の人に読んでもらう経験はまるでありませんでした。
 筆者個人の情報を知っていると、そこに文脈が生じてしまい、読みにバイアスが生じてしまいます。全くの赤の他人の読者の読みを通じてこそ、初めてフラットな評価を得られるのではないかと思っています(勿論サークルの仲間からのアドバイスが無意味であったというわけでは断じてない)。
 そのためには、広く自分の作品がそうした自身と関係性のない方の手に渡ること、そして、その人達から忌憚のない感想を多くいただくことの二つが必要です。二回の文学フリマでの販売によって、その二つは達成できたかに思えました。

 しかし、残念ながら私のこの目的は未だに叶っていません。作品自体はあと数冊の在庫を残すのみなので、前者の条件はそれなりに達成できたと言えるでしょう。ただ、後者の読者からの感想をもらうという点はまるで達成できていません。
 感想を送りやすくする工夫として、感想フォームのQRコードを印刷した紙をはさんでいたのですが、初版から一年強経った今、未だに一件しか感想が届いていません(しかもその一件も友人からものだと後に判明しました)。すなわち、文フリでお買い上げ頂いた読者の方々からの感想が一件もないのです。正直なところ、感想がもらえないのであれば、最初から売っていないのと同じといっても過言ではないぐらいです。

 去年の文フリ参加以降、どうすれば感想をもっともらえようになるか、ずっと思案してきました。もちろん感想を送りたくなるような素晴らしい文章を書ければそれに越したことはないのですが、私が欲しいのは褒詞でも文学賞でもなく、あくまでより良い文章を書くための批評なのです。感想フォームを用意するといった読者に直接作用する工夫にも限界があり、単純に販売冊数を増やしていって、読者の裾野を広げていくしか方法がないのではないかと、最終的には判断しました。
 こうした背景をもとに、より多くの人に手にとってもらうにはどうしたらいいかと考えた時に、電子版の販売のしやすさに目をつけたのでした。感想を送ってもらう努力は今後も継続していくべきですが、それと同時に一人でも多くの人の手に作品が渡るようにする活動も大事なのだと思います。電子版の発行により、文フリの開催にかかわらず年中販売することが可能になり、また電子版のため場所も取らないので、販売側は在庫の心配がなく、購入側も本棚のスペースを考慮する必要がありません。

 また、さらなる購入のしやすさの向上のために、『空色の季節』所収の三つの短編小説の分冊版も同時販売することにしました。試し読みして、この作品にだけ興味があるといった方向けのサービスです。このあとがきを読まれている方は、通常の電子版をご購入の方なので関係のないことですが、少しでも手に取りやすくするために、引き続き努力は惜しまないつもりです。
もちろん、この電子版発行によって購入者が増える確証はありません。その購入者がやはり感想を送ってくれないという事態も十二分に考えられます。ただ、最早やれることはやりきっていくしかない、そんな気持ちで今後も歩んでまいります。

 今回の電子版発行にあたって、改訂は最低限の体裁の修正(句読点の漏れ、段落下げ、誤用、明らかに文意が通じない箇所など)にとどめました。しかしながら、執筆から一年以上経って客観的に自分の文章を読めるようになった今、もっと根本からの推敲をしたい欲に何度も駆られました。読めば読むほど、当時の自分の文章の粗さに腹が立ってきて、こんな文章を販売してもいいのかという気さえしました。
 ただ、この「自己の文章への嫌悪感」と「自分の創作物をより多くの人に読んで欲しい顕示欲」の、矛盾する二つは避けようの無いものに思われます。この矛盾する気持ちの間で時に引き裂かれ、時に揉まれていきながら、創作人生は続いていくのだと受け入れるしかありません。
 今回、電子版を発行するにあたり、こうした思いがけない発見があったことは喜ばしいことです。これらを今後の創作活動の糧として、より一層精進していくつもりです。改めて、この度はお買い上げ頂き、まことにありがとうございます。また、ご機会がありましたら、拙作をお手にとっていただきますと幸いです。


2、ご購入に際して

pixivアカウントによるログインまたはpixivアカウントの作成が必要になります。ご了承ください。


3、支払い方法について

クレカ/銀行振込/コンビニ等
詳細は下記URLをご参照ください。


4、本文の詳しい内容


5、自費出版への経緯


6、文フリの振り返り

それでは、今日はこのあたりで。さようなら。

【今日のタイトル元ネタ】
『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳(河出書房新社)
我々人類が、他の人類種を根絶やしにし、力の強い他の生物を押しのけて、この地球の頂点に君臨できたのはなぜか。
その謎をホモ・サピエンスだけが持つ「虚構を信じる」という特殊な能力から読み解き、全人類史を俯瞰し、その性質ゆえにこれから人類がたどるであろう未来をリアルに予言してみせた。

web河出(https://web.kawade.co.jp/bungei/1722/)より抜粋


この記事が参加している募集