読書記録『おにぎりの文化史 おにぎりはじめて物語 見るだけで楽しめる! (視点で変わるオモシロさ!)』
「 #おにぎり 」、noteで検索してみると4,722件、インスタだと188万件出てきました(2021/11/20現在)。日本人めちゃめちゃおにぎり食べてますね。けれど、日々の雑談でコンビニスイーツの新作の話はしても、その日食べたおにぎりの話題を口にする人ってあまりいないのではないでしょうか。
ごく当たり前に存在し過ぎて、普段は意識すらしない食べ物「おにぎり」。そんなおにぎりに珍しい視点でスポットを当てた本がこちら。
『おにぎりの文化史 おにぎりはじめて物語 見るだけで楽しめる! (視点で変わるオモシロさ!)』
(横浜市歴史博物館監修/2019.4/河出書房新社)
「おにぎり」はいつから握られたの? 具入りおにぎりは中世に出現? 文献や絵図、考古資料などさまざまなアプローチによって、古代から現代にいたる日本人とコメの密接な歴史に迫る。(honto商品説明より引用)
ざっくりまとめると、おにぎりの歴史を紐解こうと横浜の博物館ががんばった本です。半分くらい考古学の本でしたね。後半はひたすらおにぎり関係の出土品と格闘してるな、という印象でした。
「これ考古学の本では? 文化史ってなんだっけ?」となったので一応ググりました。
ぶんか‐し〔ブンクワ‐〕【文化史】 の解説
学問・芸術・文学・思想・宗教・風俗・制度など、人間の文化的活動の所産について包括的に記述した歴史。政治史・経済史などと区別していう。
前半は流行りのおにぎりについてや、おにぎりの呼び方や形の変遷、浮世絵からの考察などがあったので、確かに文化史でしたね。失礼いたしました。
おにぎり、家庭料理としておなじみで、ありふれていて、特筆するものでもないので、逆におにぎりの明確な資料が残っていないという問題があるのが今回の本で浮き彫りになっていました。インスタで188万件のおにぎり画像が存在している現代って相当な特異点では? 情報化社会の神髄をこんなところで垣間見ることになるとは思いもよりませんでした。
ただ、情報化社会のせいで、各家庭に存在していたはずのオリジナリティーあふれるおにぎりが画一化されていったということも書かれており、善し悪しあるなぁと思いました。昔って三角形のおにぎりってマイナーだったらしいですよ。小さなころからおにぎりといえば三角形だと思っていたので、そこはびっくりしました。
フルカラーで一生懸命おにぎりについて調べている本で、読んでて楽しかったです。食欲の秋、読書の秋、どちらの秋でも楽しめる本だと思うので、おすすめです。
それでは今日はこの辺で。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!