実験が好きな日本語教師
私はどんな日本語教育も普通にできるんですが、一番やりがいを感じるのはプライベートレッスンです。なぜなら、生徒の要望に合わせて授業の組み立てができて、
生徒さんの弱いところを強化する授業ができるからです。一人ひとりの生徒さんにあった授業を組み立てるのがめちゃくちゃ好きです。
以前教えていた学校は小さい学校で、グループレッスンも4〜6人でプライベートレッスンも多かったです。そこで、私は6年働いて、めちゃくちゃ鍛えられました。なぜなら、一人ひとりの生徒さんに正面から向き合って、その生徒さんの要望に答え、問題点、悩みを解決してきたからです。
正直、最初は大変でした。それまで、大クラスと私個人のプライベートでしか教えたことがなかったから、ガッツリ学校でのプライベートレッスンというのは初めてでした。慣れなかったですよ、教案も教材も大クラス対応からプライベート対応に作り替えました。そして、一人一人を観察するようになりました。それから、生徒さんからの要望にもできる限り答えようと試行錯誤してきました。
また、小さい学校で生徒と先生が近いから、先生の評価ってダイレクトに耳に入るんですよ〜。A先生がどうだ、B先生はどうだ・・・ってね。彼らが私に言うということは、私のことも他の先生とかに話しているんじゃね?って。最初は「怖〜〜〜〜!」って思っていました。でも、結局は一人ひとりにちゃんと対応していれば、悪い評価はないと信じていたから、コツコツやってました。
それでね、プライベートレッスンはいつでもわからないことをすぐに聞けますよね。だから、とにかくいろんな質問を受けました。文法、発音、日本語の特徴、文章、漢字、漢字学習、文化などなど。もちろん知らないものもたくさんあったから、「私の宿題」としていろいろ調べてきました。これが楽しくってね。私、こういうことが好きなんだって改めて気づきました。それを何年もやっていると、生徒さんがわからない点が見えてきて、生徒さんの質問も読めてきて、「はい、それはね〜・・・」ってドヤ顔で説明できるようになりました。
私のAという説明で理解できる人、できない人がいて、できなければ、また角度を変えて説明する、その繰り返しをやってきました。私は応用言語学、第二言語習得とかが好きで色々本を読んできました。だから、語学教師とか言語学とか教育学を勉強している人、教授とかとの授業はめちゃくちゃ好きです。面白すぎます。私は日本語、日本語教育の視点から話して、生徒さんは生徒さんの専門の視点から話す、これ最高!授業が終わっても話すことが多々ありました。
これをやってきて、今の私があります。いろんな生徒さんに対応できますが、今も、実験を繰り返しています。生徒さんの弱いところを強化する、より上手になるための効果的な授業を試して、成功したらYeah!で、失敗したら、プランBをやってみる。それで成功したらYeah!で、また失敗したら、プランCだったり、プランA'だったりをやってみます。この繰り返しです。これで、にゃあちゃん流教授法が出来上がるのです。(ちなみに、この「にゃあちゃん」は姉が私をこう呼ぶんです。いい年した甥っ子も冗談で呼んでます。今となってはお気に入りなので、ここでの名前を「にゃあちゃん」にしました。)
最近の実験は「アクセント、イントネーションの改善法」。10年以上勉強してきた生徒さんのアクセント、イントネーションを改善する取り組みを今やっています。正直、すでにこの生徒さんのアクセントもイントネーションもずれて覚えしまっていて、化石化しているので、直すのは大変です。でも、今回アクセント、イントネーションのイメージ図を作って練習したら、できてきました!このイメージ図を使っての練習はまだ2回目で、生徒さんも「偶然です」と言っていました。でも、私は少しずつ改善できると思っています。まずは聞いたものを正しく音が出せるようになったのは進歩です。これを繰り返していけば、正しい日本語の音が聞き取れるようになってアクセント、イントネーションがだんだんきれいになると思います。聞き取りと、発話は連動しているからね。正しく聞き取りができれば、正しく発音できるんです。
これからも、私の実験は続きます。