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中国の歴史・思想・文化

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中国の古代思想と伝統文化について、現職時に研究テーマとしていた論考や、授業で使った講義ノートなどをアレンジしてみました。
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#癖

張岱『陶庵夢憶』

「玩物喪志」は、「物を玩びて志を喪う」と訓読する。「珍奇な物に夢中になって志を見失ってし…

泉聲悠韻
2週間前
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「玩物喪志」

「玩物喪志」「玩物喪志」は、「物を玩びて志を喪う」と訓読する。 「物」は、珍奇なものを…

泉聲悠韻
2週間前
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「癖」(二)~「オタク」列伝

『癖顚小史』『癖顚小史』は、明末の「癖」を称揚する思潮の中で生まれた書物である。 (一…

泉聲悠韻
1か月前
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「癖」(一)~「オタク」礼讃

「癖」「癖」は、ここでは「クセ」ではなく「ヘキ」と読む。 「癖」は、元来、疾病の一種で…

泉聲悠韻
1か月前
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『聊斎志異』を読む~石マニアの話「石清虚」

石の精神文化  「石清虚」は、清・蒲松齢の『聊斎志異』巻八に収録されている石マニアの話…

泉聲悠韻
1年前
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『聊斎志異』に描かれた「狂」と「痴」

はじめに  本稿は、清朝初期の文人蒲松齢(1640~1713)の怪異小説集『聊斎志異』に登場す…

泉聲悠韻
1年前
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「人は癖無かるべからず」~袁宏道評『癖顛小史』に見る明末の人間論

一 「癖」について(一)「癖」の字義  「癖(へき)」字は、字書『玉篇』に「癖、食不消、留肚中也」とあり、『廣韻』『集韻』ではいずれも「癖、腹病」とある。食物が消化せず、腹中に溜まる疾病の一種をいう。  医書類では、例えば、隋・巢元方撰『巢氏諸病源候總論』巻二十、「癖病諸候」(凡十一論)の第一論「癖候」の項に、 とある。「三焦」(腹部の総称)が「痞隔」(塊ができて詰まること)して胃腸の流れが滞ったうえに寒気を受けて次第に凝固する状態を「癖」といい、左右の脇腹に偏って生

「玩物喪志」~「狂」「痴」「癖」の文人精神

はじめに  「玩物喪志」は、「物を玩(もてあそ)びて志を喪(うしな)う」と訓ずる。  「物」…

泉聲悠韻
1年前
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