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中国の歴史・思想・文化

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中国の古代思想と伝統文化について、現職時に研究テーマとしていた論考や、授業で使った講義ノートなどをアレンジしてみました。
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記事一覧

「殺身成仁」

『論語』の「殺身成仁」 「仁」は、儒家の説く最高の徳目である。 「仁」とは、人を愛し慈し…

泉聲悠韻
8日前
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張岱『陶庵夢憶』

「玩物喪志」は、「物を玩びて志を喪う」と訓読する。「珍奇な物に夢中になって志を見失ってし…

泉聲悠韻
2週間前
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「玩物喪志」

「玩物喪志」「玩物喪志」は、「物を玩びて志を喪う」と訓読する。 「物」は、珍奇なものを…

泉聲悠韻
2週間前
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「傍若無人」と「嘯」

「傍若無人」は、訓読すれば「傍らに人無きが若し」。原義は「周りに人がいても存在しないかの…

泉聲悠韻
2週間前
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「傍若無人」

「傍若無人」「傍若無人」(ぼうじゃくぶじん)は、訓読すれば「傍らに人無きが若し」である…

泉聲悠韻
2週間前
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「かしこさ」 VS 「こざかしさ」

「明哲保身」は、 という意味である。賢明で安全な身の処し方を言う。 「明哲保身」は、儒家…

泉聲悠韻
3週間前
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王心斎「明哲保身論」

「明哲保身」は、 という意味である。賢明で安全な身の処し方を言う。 「明哲保身」は、古来、知識人の処世態度を示す言葉として、しばしば詩詞文章に引用されてきた。 明・王心斎の「明哲保身論」は、「明哲保身」を自らの思想の中核をなす概念の一つとして取り上げた文章である。 王心斎は、明代後期、王陽明の門下で致良知説を継承し、のちに泰州学派を形成して思想界に大きな影響を与えた人物である。 「明哲保身論」の冒頭に次のように言う。 まず、「明哲保身」が、陽明学の基幹となる概念で

「明哲保身」

儒家の「明哲保身」「明哲保身」の原義は、 である。賢明で安全な処世の法を言う。 「明哲…

泉聲悠韻
3週間前
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蛇はカッコイイ?

アダムとイヴを誘惑して以来、蛇と言えば人類の敵。 狡猾で忌まわしい動物として嫌悪と畏怖の…

泉聲悠韻
3週間前
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鯉は龍門に登ったか?

後漢の清流派の重鎮李膺は、厳正で剛毅な人物として声望が高かった。李膺に認められることは将…

泉聲悠韻
3週間前
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中国人が語る中国人(四)~儒家的生き方、道家的生き方

儒家的生き方、道家的生き方~林語堂 My Country and My People 林語堂(1895~1976)は、…

泉聲悠韻
4週間前
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中国人が語る中国人(三)~良き伝統、悪しき伝統

良き伝統、悪しき伝統~王蒙「文化伝統与無文化的伝統」 王蒙(1934~)は、現代中国の著名…

泉聲悠韻
4週間前
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中国人が語る中国人(二)~中国文化の精髄

中国文化の精髄~張岱年「中国文化的基本精神」 張岱年(1909~2004年)は、中国の著名な哲…

泉聲悠韻
4週間前
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中国人が語る中国人(一)~中華帝国の時空

80年代の初め、「龍的伝人」という歌が中華圏で大流行した。中国人が自らを龍の末裔と名乗るのは、誇り高き民族精神の表白にほかならない。 日本にとって中国は「同文同種」「一衣帯水」の隣国でありながら、民族性や精神風土の違いから両国民の思考様式が著しく異なり、戸惑いを覚えることも少なくない。 「中国人を理解する鍵」「中国人との付き合い方」などをテーマとする書籍が数多く出版されているが、そのほとんどが日本人(あるいは在日中国人や帰化した元中国人)の著者によって、日本人の読者を対