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明清小品集(『菜根譚』『幽夢影』ほか)

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明清の文人の小品文を集めました。
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記事一覧

私訳『菜根譚』㉓~完璧を求めてはいけない

事事留個有餘不盡的意思,便造物不能忌我,鬼神不能損我。 若業必求滿,功必求盈者,不生內變…

泉聲悠韻
1日前
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私訳『菜根譚』㉒~耳に痛い忠言 VS 耳に快いお世辞

耳中常聞逆耳之言,心中常有拂心之事,纔是進德修行的砥石。 若言言悅耳,事事快心,便把此生…

泉聲悠韻
1日前
30

私訳『菜根譚』㉑~人徳を磨く三つの心掛け

不責人小過,不發人陰私,不念人舊惡。 三者可以養德,亦可以遠害。 人の小過を責めず、人の…

泉聲悠韻
3日前
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私訳『菜根譚』⑳~暗闇にこそ光明が見える

糞蟲至穢,變為蟬而飲露於秋風。 腐草無光,化為螢而耀采於夏月。 固知潔常自汚出,明每從晦生…

泉聲悠韻
5日前
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私訳『菜根譚』⑲~たくみな人心掌握術

恩宜自淡而濃。 先濃後淡者,人忘其惠。 威宜自嚴而寬。 先寬後嚴者,人怨其酷。 恩は宜しく…

泉聲悠韻
10日前
26

私訳『菜根譚』⑱~虎の背に乗る危うさ

進歩處,便思退歩,庶免觸藩之禍。 着手時,先圖放手,纔脱騎虎之危。 歩を進むる処、便ち歩…

泉聲悠韻
11日前
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私訳『菜根譚』⑰~つまらん奴は放っておけ

休與小人仇讐,小人自有對頭。 休向君子諂媚,君子原無私惠。 小人と仇讐することを休めよ。 小人は自ずから対頭有り。 君子に向かって諂媚することを休めよ。 君子は原もと私恵無し。

私訳『菜根譚』⑯~金持ちでも、頭が良くても

富貴家,宜寬厚而反忌刻。是富貴而貧賤其行矣。如何能享。 聰明人,宜斂藏而反炫耀。是聰明而…

泉聲悠韻
2週間前
28

私訳『菜根譚』⑮~頑張りすぎない生き方

憂勤是美德,太苦則無以適性怡情。 澹泊是高風,太枯則無以濟人利物。 憂勤は是れ美徳なるも…

泉聲悠韻
2週間前
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「拙」(三)~明清小品

明清小品の「拙」明清の小品文(短い論評・随筆・箴言)には、「狂」「痴」「癖」「愚」など…

泉聲悠韻
1か月前
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私訳『菜根譚』⑭~粗衣粗食は人の志を磨く

藜口莧腸者,多冰清玉潔。 袞衣玉食者,甘婢膝奴顏。 蓋志以澹泊明,而節從肥甘喪也。 藜口莧…

泉聲悠韻
1か月前
25

私訳『菜根譚』⑬~苦楽も美醜も気持ち次第

世人為榮利纏縛,動曰塵世苦海。 不知雲白山青,川行石立,花迎鳥咲,谷答樵謳。 世亦不塵,…

泉聲悠韻
1か月前
27

私訳『菜根譚』⑫~人に一歩譲るメリット

處世讓一步爲高, 退步即進步的張本。 待人寬一分是福, 利人實利己的根基。 世に処するに一…

泉聲悠韻
2か月前
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私訳『菜根譚』⑪~水清ければ魚棲まず

地之穢者多生物, 水之清者常無魚。 故君子當存含垢納汚之量, 不可持好潔獨行之操。 地の穢れたる者は多く物を生じ、 水の清き者は常に魚無し。 故に君子は当に垢を含み汚を納るるの量を存すべく、 潔を好み独り行うの操を持すべからず。