かぼちゃの顔を見ればわかる
かぼちゃを煮ると、お箸で崩れるものもあれば、栗のようにほこほこになるものもありませんか?
もしかして、煮すぎではなく品種が違うのかもしれません。
関西スーパーのかぼちゃは基本的にほこほこ系。栗のようなかぼちゃにこだわって販売しています。
なぜ?
バイヤーに聞いてみたところ
「そらそっちの方が美味しいやん!」とのこと。
今回は12月よりお店に並び始める「吉田さんたちのほっこりかぼちゃ」の生産者さんにお話を伺いに、北海道の和寒(わっさむ)まで行ってきました。
吉田さんのかぼちゃに惚れ込んで
「吉田さんたちのほっこりかぼちゃ」は甘くて、ほこほこしています。ほこほこ系でありながら舌触りがなめらかで粉っぽくないことと、冬至の時期まで貯蔵ができることが特徴です。
また、「吉田さん」と生産者を限定しているのは関西スーパーのみ。かぼちゃのおいしさはもちろん、吉田さんの誠実なお人柄に惚れ込んでそう名付けました。
お母さんが赤ちゃんを見るように
吉田さんが一番大切にしているのは「観察」だそうです。植え付け、肥料、収穫など、かぼちゃの「顔」を見ると今何をすべきかわかるとのこと。
吉田さんがお父様から農家を引き継がれた際「毎日見て歩け」「観察しろ」と耳にタコができるくらい言われたそうです。
お母さんが赤ちゃんの変化を見るのと同じ、かぼちゃも赤ちゃんも喋れないからね、とおっしゃいます。
その小さな声を聞き逃さず、誠実に手を動かし続ける生産者さんをきっと「いい生産者」というのでしょう。
25000平米のかぼちゃリレー
かぼちゃは蔓性で縦横無尽に伸びているため、機械では収穫できません。そのため一個一個手で摘み取り、手渡しでバケツリレーのように収穫します。そこがかぼちゃの栽培は大変と言われる理由だそうです。
吉田さんの敷地は25000平米。ずっしり重いかぼちゃを朝から一日中、しかも何日も…。想像するだけでちょっと気が遠くなりそうです。
ちなみに甲子園球場のグラウンド面積が約13,000平米です。
かぼちゃ作りのもう一つの技術
北海道ではかぼちゃを9月ごろに収穫し、その後貯蔵庫で熟成させ甘みやおいしさを引き出します。
かぼちゃに含まれるでんぷん質は、暖かいと糖に変わります。また寒すぎてもかぼちゃが自分を守るために糖を作りだします。しかし糖が増えすぎると腐ってしまいます。かぼちゃはとても繊細です。
さらに昨今の温暖化で糖化が早まっており、温度管理をずっと試行錯誤されているそうです。冬至の頃においしさのピークを迎えるよう、絶妙な温度でギリギリを攻めるとおっしゃっていました。
貯蔵庫の温度や湿度の見極めは、かぼちゃのおいしさを完成させるもう一つの技術でもあります。
いいかぼちゃができるとうれしい
生産者さんの中には市場の相場が高い時を狙って出荷する方もいるそうです。ビジネスですのでそれもまちがいではないと思います。しかし吉田さんは一番おいしくなった時に出荷されます。
「うれしい時はいいものができた時」
吉田さんはそうおっしゃいました。
シンプルですが、そこには吉田さんの生産者としてのブレない思いやプライドが込められているように感じました。
関西スーパーではそういう生産者さんをこれからも応援し続けてまいります。
冬至に食べよう かぼちゃのレシピ
北海道や東北などで冬至に食べられる郷土料理「かぼちゃのいとこ煮」をご紹介。
ほこほこ系のかぼちゃとあずきは相性バツグンです。ゆであずきを使えば簡単ですのでぜひ作ってみてください。おかずとしても、おやつとしてバニラアイスをのせてもいいですね(^_^)
今年の冬至は12月21日土曜日です。
➡︎なぜ冬至にかぼちゃ?
冬至に作りたい「かぼちゃのいとこ煮」
かぼちゃ 300g
ゆであずき 100g(お好みで)
水 150ml★
砂糖 大さじ1★
しょうゆ 小さじ1★
一口大のかぼちゃを皮目を下にして鍋に入れ、★を加えて弱火で約10分。
ゆであずきを加えてさっと混ぜ、弱火で2分煮ます。