冬の胃腸風邪!下痢症状をなんとかしたい
毎年、年末になるとお腹の調子が悪くなりませんか?保育園や幼稚園でも胃腸炎が流行る時期ですよね。
実際、我が家でも12月に入ってからお腹の調子をみんな崩しています…。
そこで色々実践したことをご紹介していきたいと思いますが、まずは冬に起きる胃腸風邪や下痢症状の原因をご説明します。
冬は「寒」の季節
まず、一年間の季節のめぐりによってあらわれる気候のことを「六気」といい、「風、火、暑、湿、燥、寒」に分けられます。これを季節に当てはめると、冬にあたる11月~1月の六気は「寒」になります。文字通り、1年の中で最も寒い季節をあらわします。
気候の変化は自然界の正常な変化ですが、これが身体の適応能力を超えた場合、発病の原因となってしまいます。
「寒」の特徴
「寒」にはこのような特徴があります。
冷える(手足やお腹の冷え)
流れが滞る(気血の流れが悪くなる)
縮まる(筋肉を収縮させる)
腎を傷めやすい
冬の胃腸風邪、下痢の原因
まずは、何が原因か突き止める必要があります。自分自身に最近あった体調の変化を振り返ってみましょう。
寒邪が原因の下痢
下痢を起こした時、水様で悪寒や発熱を伴っていたら「寒」からの邪気を受けて起きていると考えられます。
「寒くなり、いつも体の冷えを感じていた。」「お腹や足首、足先に手を当てると冷たく感じたな。」など思い当たることがあるかもしれません。
ストレスが原因の下痢
忙しくなる師走。ストレスや疲労がたまる方も多いと思います。ストレスがたまると、気の動きが悪くなり、げっぷやおならが増えて胸やお腹にハリを感じ、食欲がなくなってきます。そして胃腸の動きも悪くなり、下痢を発症することがあります。
「こなさなければならない事が沢山あって気が張り詰めていた。」「なかなか眠れなくて休めていなかった。」「気分転換をする時間がないほど忙しく、イライラしていた。」など、疲れをため込んでいなかったか思い返してみましょう。
暴飲暴食が原因の下痢
年末年始は、忘年会、クリスマス、お正月、新年会とご馳走を食べる機会が多くなりますよね。楽しいイベントではありますが、暴飲暴食でも胃に負担がかかり、胃の気が乱れて下痢を起こしすことがあります。食べ過ぎ、飲みすぎないよう加減をして挑むことが大切ですね。
漢方医学では、この原因を知った上で養生法や漢方薬を選び、改善していきます。
現代医学と漢方医学の違い
例えば下痢で一般的な内科を受診すると、近代西洋医学では病人より病気に着目しますので同じ症状に同じ処方をされます。抗生物質や整腸剤が出されるのでしょうか。
漢方医学では、病人に着目し、自然治癒力を重視します。ですので、同じ病気でも違う処方をすることがあります。
緊急性のある症状であれば検査できる病院での受診をおすすめしますが、検査の結果感染症などの心配がなく、日常生活を送れる程度であれば、自身の生命力や自然治癒力を高めて治す方法を取りたいと私は考えます。
冬の胃腸風邪、下痢を改善
我が家では最近、2歳の息子の寒邪による胃腸風邪、私のストレスによる下痢がありました。私の方は漢方と養生で改善したのですが、息子は養生だけで改善しました。
まず、息子のお話からさせて頂きます。
37度台の発熱、何か変わったものを食べたわけではないけれど水様の下痢がありました。
こうなる前の過ごし方を振り返ると、足が冷えているのに服を着るのを嫌がる「イヤイヤ期」で、外は寒いのにしっかり体を温められていない状態でした。
夜泣きも増えていて睡眠がいつもより浅くなっていました。
今回の下痢は胃腸の冷えと疲れが原因だと思いましたが、漢方薬はまだ飲めないので、それ以外の方法で対処しました。
子どもの下痢におすすめの養生
まず、頭寒足熱がまるで逆になっている状態でしたので、お腹と足を温めました。寝る時はみぞおちとおへその間、それから足に手を当ててあたためました。睡眠中以外は自由に動きたいし遊びたい年頃なので、なかなかゆっくり手を当てていられませんでした。
私は嫌がられてできませんでしたが、お子さんが嫌がらなければ、親指のはらを時計回りにくるくるとマッサージすると、胃腸の調子を整えてくれます。下痢や食欲のない時はおすすめです。
次に、下痢が軟便になるまでは無理に食べさせず水分を中心に摂るように心がけました。とはいえ、好みがハッキリしてきてなかなか口にして欲しいものを思い通りに食べてはくれません。
そこで、りんごと葛で作った温かいゼリーを用意しました。これがヒットし、沢山食べてくれました。作り方をご紹介します。
りんごと葛で作る胃腸風邪、下痢対策ゼリー
材料
りんご…1/2 個
くず粉…小さじ1
レモン汁…小さじ 1
はちみつ(水あめ)…大さじ 1
作り方
① りんごは皮をむいてレモン汁とすりおろします。ハンドブレンダーでおろすと簡単です。
② くず粉は水を加えてよく混ぜ、小鍋に入れます。
③ ②に①とはちみつ(1 歳未満は水あめ)を入れ火にかけ、とろみが出たら火を止めます。
完成するとこんな感じです。出来上がりは熱々なので、ぬるめになったらあげましょう。
すぐに冷めないので、やんわり胃腸をあたためてくれ、すっきりとした甘さで子どももパクパク食べてくれます。
りんごは、水分を補って消化不良や下痢、便秘に効きます。
ハチミツは、胃痛や腹痛によく、胃腸の機能を高めてくれます。咳や皮膚の乾燥にもいいのでこの時期は積極的にとりたいですね。
レモンは気の巡りを良くして不快感を改善してくれます。
自然治癒力を活かした胃腸風邪、下痢改善方法
このように、あたためて水分をとり、消化の悪い肉類はストップして温かいうどんやりんご葛ゼリーを食べさせていたら、だんだんと良くなりました。
保育園に通っているので、感染症の検査のために病院に行き、陰性ではありましたが、お腹の風邪ということで抗生物質と整腸剤を処方されました。しかし、腸内細菌を減らしてしまう抗生物質は個人的な判断で飲ませませんでした。遊ぶ元気があり、熱も下がっていたので養生法を取り入れて息子の持つ自然治癒力を活かせば改善に向かえると考えました。
今ではすっかり元気になって食欲も回復して下痢もおさまり、安心しました。
次回は私のストレスによる胃腸の不調改善話をさせていただきます。今回のお話も少しでも参考になっていたらうれしく思います。
それではまた!