カノエ(夏乃絵)

キャリコン人事部長 76で見つけた感情が好き、 84から5も6も7もそれからも好き!…

カノエ(夏乃絵)

キャリコン人事部長 76で見つけた感情が好き、 84から5も6も7もそれからも好き! 忘れたくない、 だからいつもドキドキしていたい💓

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【液体小説 のほほんとコパカバーナ】

PART5 サヨナラの手紙 2 Dear 耀ニ もしこの手紙が着く頃、いつも通り私が耀二の隣で笑っていたらすぐに破って捨ててね。でも多分そんなことはないと思うから、あなたは最後の最後までこんな私の独り言につき合うはめになるのね・・ ところで元気だった? しばらく逢ってなかったし、若くて可愛い恋人のことで耀二も忙しそうだから私の事なんかとっくに忘れちゃってたでしょ。 私はほとんど一人だった。 耀二に嘘ついて新しい恋を探そうとしたけど結局何にも見つからなかったし、仕事は結構順調

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      PART4 サヨナラからの手紙・・ 「私、妹の真由子です。中原さんの事は姉からよく聞いていました。今日は来てくださって本当にありがとうございました」 僕の中で何かが確実に終わりそして始まった。  葬儀場を出ると突然クラクションが鳴った。振り返ると赤いスーツの麻耶がボンネットに肘をつき、笑いながら右手を振っていた。 「これからどこに遊びに行く?」 麻耶は額にかけていたサングラスを降ろし、ハザードの点滅を消した。葬儀場から出て行く霊柩車がバックミラーに映りどんどん小さくなってい

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        PART3サヨナラの出逢い  次の朝もいつも通り目覚ましが鳴り僕は目覚めた。そしていつも通りシャワーを浴びて、軽い朝食を済ませた後、オフィスへ電話を入れた。 「知り合いに不幸があり二日間休暇をとりたい」と言うと、なにやら小言めいた言葉が聞こえてきたので、僕はスマホをテレビのそばに置いたままベランダへ出た。ひんやりとした空気と少しだけ白い息。定まらない視線の向こうでどんどん小さくなる赤い点が小学生のランドセルであることにようやく気が付いた。  冴子の生まれ育った街まで電車

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          part2: なにも変わらない非日常 警察を出ると雑誌数社が僕を囲んだ。                 悪い気はしなかったがとにかく空腹で疲れていたので、「何も話すことはありません!」と、さも恋人が目の前で自殺し、生きる術すら失った世界一惨めな男を無難に演じ僕はタクシーへ飛び乗った。 ドアを開けると冴子の白いヒールの片方が三日前に買ったジミーチュウの革のシューズに重なっていた。僕はヒールのひもを人差指と親指で摘み上げキッチンのダストボックスへ捨てた。さっきの嘔吐で嫌な匂い

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          PART1:歓迎されない午後 意味のないことを考え途中で挫折することがある。            例えば排泄行為。それ自体本来は許し難い行為であるにもかかわらず、人前でそれを口にし、ましてエピソードまがいに誇らしげに語り、悦に入る分裂症まがいの人間達。それらと僕はこれからも接触しつづける運命なのか???       そんなことが頭をよぎり、覚醒しながら無理やり嘔吐を強制し、醜さの進行を抑止する処方を僕はいつから覚えたのだろうか。             しかしごく稀にだが

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