誠実の味を知るとき
私がパートナーにこれまで求めてきたものは、
本当に上っ面で、すぐ満たされるような快楽ばかりだった気がする。
それで、『満たされていた』気になっていた自分が今ではどうかしてたとも思うが、なんだか可愛くも思える今日の夜。
「あなたのことを本当に大切にしてくれる男はお金、時間、労力をかけてくれる男だ」
よく聞いた言葉、信じてきた言葉
その答え合わせは半分本当で半分嘘のようなものだったな。
セカンドな関係でもビルの最上階にある高級ランチに連れて行ってくれたら一番愛されていると感じた。
なんか違うなと思いながらいた男でも、片道5時間かけて会いにきてくれたならやっぱりこの人だとも思った。
空っぽの私は相手からしたら“ちょろい女”だったのかもしれないが、その時の私自身はその場が楽しく満たされたらどっちでもよかった。どうやったら私を楽しませてくれるのか、といつも生意気に思っていた。
私はこの世に「女」として生まれて、「男」を好きになった。いろんな男と出会った。
それと、同じだけいろんな『自分』に出会った。
お金と時間がかかったものにはやっぱりトキめいたし、それと愛の深さをイコールとして繋げていた私の心は豊かとは言えない状態だった。
相手を見るのと同じだけ、同じ深さでしか、自分自身のことを理解できていなかったのだ。
私は私がわからなかったし、私にとってのしっくりくる正解なんてないから、世間一般のそれや手っ取り早くわかる数字、ブランド品、高揚感、優越感をよしとしたいた。
それでも感じるこの虚無感
ようやく「私は私について知ろう」と、ゼロになって、痛い目をみて、どん底まで落ちた時に思った。
どうやって愛されよう、とにかく愛されるためにはどうしたらいいか
ではなくて、
どうやって愛したらいいか、愛することってどういうことなのかについて知ろうと思ったあの日から全てが変わった。
そして、誠実な人に出会った
私の思っていた味とはまるで違うその人は、刺激的でもなく絶品でもなく、ただごく普通なんだけど、居心地のいい味だった。
誠実の味は癖もなく私に寄り添う
自分を知ったから受け取ることができたものの一つだった。
あなたを大切にする人は、絶対にあなたを悲しませる嘘をつかない人。
あなたが不安になり、悩むであろう原因をつくらないと努力する人。
どんなに忙しくてもあなたとの時間をつくろうとする人。
離れている距離を感じさせない人。
会いにいこうとする前に会いにきてくれる人。
きっとどこまでも誠実な人だ。
誠実はどこまでも平凡だけど、きっとあなた自身を幸せにする。こんな姿勢を自分自身に向けてあげられているか?今、自分に問う。
それが、自分を大切にする一歩となる。