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靴紐の締め方で子どもの歩き方は変わります。

“靴紐を締めることは立派な治療だ”と話す治療家もいます。

靴紐・甲ベルトを締めて履くことは大事

かけっこが速い子どもは、教えられなくても走る前に靴紐や甲ベルトを締めなおす光景をよく目にします。

靴紐・甲ベルトを締めると速く走れることを体が覚えているからです。

靴紐を足にそって締めると足の機能が高まり効率よく蹴ることができるようになります。

アーチ(土踏まず)機能

2020年靴医学会、石川らにより“靴紐を締める・締めないによる小児の歩容の変化”が報告されました。

この中で、結果として靴紐を締めた方が明らかに歩容は良く、正しい靴の履き方を習慣にすることで将来的に下肢の変性や足部疾患の予防に寄与すると結んでいます。

左は通常、右は靴紐を締めている。・・・通常では右肩が下がっています。
写真は靴の医学:靴紐を締める・締めないによる小児の歩容の変化より

靴の医学
石川 早紀1),東 佳徳1),久保 実2),内田 俊彦2)3),伊藤 太裕4)
靴紐を締める・締めないによる小児の歩容の変化
靴の医学 34(2):15―19,2020.
1)戸塚共立リハビリテーション病院 リハビリテーション科
2)戸塚共立リハビリテーション病院 整形外科
3)NPO オーソティックスソサエティー
4)株式会社 早稲田エルダリーヘルス事業団

伊藤 太祐1),内田 俊彦2)3
靴紐の締め方が小学生の歩行状態に与える影響
靴の医学 34(2):24―29,2020.
1)株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団
2)戸塚共立リハビリテーション病院 整形外科
3)特定非営利活動法人オーソティックスソサエティー

靴の医学

現代の子どもは紐靴に馴染みがない

子ども靴の靴紐を締めると言われてもピンとこないパパ・ママも多いと思います。

現在、子ども靴はゴム紐+甲1本ベルトタイプが主流、スポーツをやっている子ども以外は紐靴に馴染みがなく、靴紐を結ぶことができない子どもも多くいます。

実例として
中学入学直後、運動部に入ったが靴紐を結べず緩々にしていたら怪我をしてしまった。

ゴム紐+甲1本ベルトタイプは着脱の簡便性はありますが、紐靴に比べてゴム部分のアーチサポートが弱い構造です。

甲1本ベルトで脱げないようにしているだけで、特に足の細い子どもには不向きです。

足にそって靴紐を締めて履くのがベストですが、ベルトなら1本より2本ベルトの靴を選び適宜締めて履くようにしましょう。

子ども達の将来を考えると、足にそって靴紐を締めて履く習慣が出来るようになるのが理想です。