見出し画像

散歩してたら狐と目が合った

早朝のルーティンに散歩を取り入れて数ヶ月が経ちました。1月末の信濃町は積もった雪が周囲の音を吸って、周囲一帯0dBかと思うほど。無音の道をてくてく歩くのは心地よくて、体を動かす瞑想のような感じ。雑念が湧き出て、足音と一緒に雪に消えていく。

いつも通りの散歩道を歩いていると、視界の端に何かが動いた気がしました。足を止めてよく見ると、そこには狐の姿が。向こうもこちらの存在に気づいた様子。だけど距離があるせいか慌てることもなく、じっとこちらを見つめていました。

その場の空気は、まるで時間が止まったかのような不思議な感覚でした。

1分ほど睨めっこをした後、ふと思いついて野良猫を呼ぶように「チュッチュッチュッチュッ」と口から音を出してみたところ無視されました。狐には効かんのか、と思ったけど思い返すとこの音を鳴らして野良猫が寄ってきた試しがない。なんで俺はこの音を鳴らしているんだ?

チュッチュッという音は雪に吸われて、狐は静かにその場を立ち去って、畑の向こうへ姿を消しました。

帰り道、ブラウザを開いて「狐 呼び方」で検索をかけたらルールルルルって出てきた。効くのか? 今度試してみます。

いいなと思ったら応援しよう!

観音クリエイション
いただいたチップは全額使って、経験に変換して記事にします。