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新語流行語に対する好き嫌い(オレンジ)

みなさん、こんにちは。ミドリーです。
今回のお題、「新語流行語に対する好き嫌い」。

新語流行語を個別に評価すると好き嫌いはあるのですが、どちらかというとミドリーは新語流行語っていろいろ使ってみたい派です。用法が間違っているかもだけど、


あまり気にせず使うンゴねぇ。

つまりは「好き」ってことか。

そんなミドリーですが、「むかつく」ということばが世間を席巻しはじめたころ、(20年前ぐらいですか?)は思っていましたよ。いずれ現代文のテストに、「腹が立つ」の意味はなんでしょう、なんて設問が登場するのかなぁなんて。「怒髪天を衝く」「腸が煮えくりかえる」なんて今の高校生にとっては古語じゃないですか?
『言葉は変化するものだ』という観点から見ると、興味深いです。

やばみ。

この間は「Googlability=ググラビリティ」という単語を目にして、その意味もさることながら(ググってね)、その語感にたいそう興味をひかれました。


やだー、やばみざわ。

「ググられー」って岡山弁から派生したみたいだなぁって思ったり、「ググられよー」って勘定奉行のCMの人に言ってもらいたくなったりして。


マジ、やばたにえん。


って、調子に乗っちゃう。


そしてまた、こんなことも思っていましたよ。
日本語は繊細な言葉。「類義語」が多いですよね。雨にしても「春雨」「花時雨」「入梅」「五月雨」「小雨」「小糠雨降る御堂筋」ってね。(昭和の女の古ンゴねぇ)
一説には「雨」に関するものだけでも400ほどあるとも言われ、日本人の感性が世界で絶賛されている(に違いない)わけです。その他の言語ではどう訳すのだ、と。

さらに、この「繊細さ」を現代の若者はわかっておるのか! ネットで配信される流行曲の歌詞はLINEのやりとりをそのままメロディにのっけたようなシロモノも多く。天国で阿久悠先生がご覧になったら、ヘソで茶をお沸かしあそばされてよ!って憤慨するミドリーなわけです。

そんなミドリーですから、最近、ネットの相談案件のタイトルでみたこの言葉におったまげた訳です。


「彼女がウザくてヤバい」

この言葉・・・・・もう、どーーーーにでも解釈できるわけです。
1) 彼女がべらべらべらべらおしゃべりな子で、内容も支離滅裂。人としてどうなのよ、やばくね?
2) 彼女が明らかに俺のことを疑っているけど、はっきり言う訳でもなく、じっとーと俺を見つめてうっとうしい。とはいえ自分も心当たりがあるからバレそうで怖い。
3) 彼女が俺のやることなすこと、いちいち口を挟んできていい加減うんざり。3年付き合ってきたけど考え時かも。
などなど。

結局は、彼女が俺をすごく束縛するくせに、自分は自由にしている。そのことを怒ったら「私は俺くんのことが好きだよ。これからも一生いっしょにいてねっ!」と言われた。ウザい。だから二人の関係もヤバい、ってことでしたが、コメントを残している人は、「一生いっしょにいてねっ!」の部分にだけ反応して「三木道三かよ」と。

これを読んだミドリーは、三木道三に吹き出しつつ、「彼女がウザくてヤバい」という言葉をノートに書き留め、「日本語、マジ、やばみ」とメモしました。おい!

そして、しばらく、日本語の崩壊について眉間にシワを寄せつつ熟考したわけですが、
「ちょっ、待てよ」と。
1000年前の日本でも同じじゃね?と気づいた訳です。

「彼女がウザくて、ヤバい」ってどうとでもとることのできるこの感覚、どこかで・・・と思うと、まるきり古文の世界じゃないですか。例えば古語に訳してみると、こんな言葉になるかもしれません(あくまで例です)

我がかなしと思う女
いみじうあはれにをかしけれ

これな!

「あはれ」も「をかし」も、マイナスにもプラスにも解釈できる言葉です。これを古文の「多義語」といいます。
1) 俺の愛する彼女、なんでそんなに悲しそうにしてんの。超ウケるんですけど。
2) 俺の愛する彼女のはかなげな姿がたまらん。めっちゃ気になるんですけど。

このように文脈によってどうにでも解釈できます。

なーんだ!言葉こそ変われ、日本人の感性=DNAって、平安の世からそんなに変わっていないんじゃないか。ただ、問題なのが、「多義語」はどんどん増えて、「類義語」の使い分けがどんどん減っていくのではないか、という懸念。


……あはれなり(注1)。


平安から平成で約1000年。これから1000年先の世なんて想像できないけど、パピルスとか和紙に墨で書いてなければ、ネット上の文字の行く末や如何に。
100年先の世にすら、今ここにいるミドリーと同年代の人々は誰も存在しないというのに。

……あはれなり(注2)。

注1と2の「あはれ」の意味は、文脈から判断してくださいね。
おほほほほ。


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