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【読書感想】 高い城の男
高い城の男 フィリップ・K・ディック
もしもドイツと日本が、第二次世界大戦の戦勝国だったら……(; ・`д・´)
非常に興味深く面白い作品‼️
アメリカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダンは、通商代表部の田上信輔に平身低頭して商品の説明をしていた。
ここ、サンフランシスコは、現在日本の勢力下にある。
第二次大戦が枢軸国側の勝利に終わり、いまや日本とドイツの二大国家が世界を支配しているのだ--。
第二次大戦の勝敗が逆転した世界を舞台に、現実と虚構との微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書きあげた、1963年度ヒューゴー賞受賞の最高傑作。
ドイツの第三帝国(ナチスドイツ)に至るまでの大まかな歴史と、ヒトラーの周囲を固める親衛隊SS達(ヒムラー、ゲーリング、ゲッベルス、ハイドリヒ等)を知識として知っていると、理解がしやすいと思いました。
この小説の冒頭に参考文献としてウィリアム・シャイラー著『第三帝国の興亡』が挙げられていました。
この本、1から5巻まであるのですが、たまたま私、1巻だけ既読で………
なんで全部読まなかったんだぁ〜と後悔(^^;;
一巻はですね、第一次大戦後のハイパーインフレで国が混乱している中、ドイツ社会民主党を抑え、ナチ党が誕生するまで。
独裁国家の始まりまででしたが、読み応えたっぷりでした…(~_~;)ブアツイ…
私が、以前読んで非常に参考になったと思った文献は風刺画集でした。
『風刺画とジョークが描いたヒトラーの帝国』
プロパガンダで使われた風刺画がジョークも交えとても分かりやすく、読みやすかったです。
さて『高い塔の男』の感想に戻ります(^^;;
戦勝国はドイツ帝国、イタリア、日本。
アメリカには、日本やドイツの占領地区があり、ユダヤ人はドイツ領に送還されてしまう世の中。
ドイツの科学技術で月へ、火星へと進歩していますが、日本は技術的にはいまいち…笑
アーリア人が最高種族であり、人種差別が凄い…。
故に、登場人物のアメリカ人達は(敗戦国だからと)卑屈な気持ちで生きています。
と、まぁ、予測出来るような世界になる訳ですが、この小説の面白い所はそこだけじゃありません❗️
登場人物の日本人はものごとを選択する際『易経』を使用します。
日本のイメージよ…σ^_^;
日本が戦勝国である為、一部のアメリカ国民にも易経が普及。
自然に取り入れられているのが不思議ですが、信じる人は当たり前のように占います。
この易が占う結果と『パルプ・フィクション』のように繋がっていく登場人物達が見どころ(〃´-`〃)
もうひとつあります❗️
ホーソーン・アベンゼンなる作家の『イナゴ身重く横たわる』というベストセラー本が出てきます。
この本が「もしもドイツと日本が戦争に負けていたら」というテーマで書かれているんです。
この作中作の仕組み、大好きでして(๑¯ㅁ¯๑)💕
そうきたか❗️
リアルの今と違うんか❓
と、興奮してしまいました笑(º﹃º )ヨミタイ…。
登場人物達の心理描写も細かくて、反発や揺れ動く気持ちは何とも言えずリアルな感じ…。
難しかった…という感想が多いように感じ、★評価がいまいちですが、私はすんごくすんごく面白かったです‼️
『アンドロイド〜』『ユービック』と共に同じくらい好きな作品になりました(ღ*ˇ ˇ*)。o💕
おすすめですよ‼️