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ロックダウン中のNYからバリー・ユアグローが柴田元幸に送った"産地直送"掌編小説(No. 870)
考える人 メールマガジン
2020年6月25日号(No. 870)
病気を理解するにはどうしたらよいのか?
精神科医・斎藤環と歴史学者・與那覇潤が選ぶ映画4選!
対談本『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋 』(新潮選書)が好調の精神科医・斎藤環さんと歴史学者・與那覇潤さん。
お2人が選んだ《「病気から回復中の人」にお薦めの映画》記事も好評でしたが、今週は《「病気を理解したい人」にお薦めの映画》4本をご紹介。
当事者を支える立場である家族・友人や医療スタッフの方にぜひ観て頂きたい映画ばかりです。
前編
https://kangaeruhito.jp/article/15291
後編
https://kangaeruhito.jp/article/15300
アクセスランキング
■第1位 村井理子「村井さんちの生活」
休校が終わる週のことだった
いよいよ学校生活も再開間近、という休校期間最終週のこと。村井家の男子3人が自転車で「ビワイチ」(=琵琶湖一周)を決行することに!お留守番の村井さんのなんともいえない心情が……。
■第2位 鈴木大介「たいせつな本」
「脳が壊れた人」の言葉を補う10冊
脳梗塞を発症して高次脳機能障害を抱え、当事者の視点から『脳が壊れた』『「脳コワさん」支援ガイド』などを書いている文筆家・鈴木大介さんが《「脳が壊れた人」の言葉を補う10冊》をご紹介。同じ悩みを持つ方々に広く読まれています!
■第3位 吉川トリコ「おんなのじかん」
9.「この人の子どもを産みたいと思った」
結婚会見で「この人の子どもを産みたいと思った」と言った女優の発言に「きもちわるっ!」と反射的に思ってしまったのはなぜなのか。人が子どもを産みたい/産みたくないと思う理由はどこから来るのかを考えたエッセイ。久しぶりにランク再浮上です。
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あなたの猫ちゃんはどんなシッポですか? イラストレーター大高郁子さんによる「シッポ考」! 愛猫スミチのシッポは……?
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コロナ禍を理解し、生きることの手ざわりを味わうための10冊
新型コロナウイルスとの闘いは、わたしたちが改めて「生きる」ことと向き合う機会になりました。「科学的根拠に基づいた正しさ」の前に消えそうになってしまった「生きることの手ざわり」を、じっくり味わうために読みたい本を幅広いジャンルから選んでいただきました。
■猪木武徳「デモクラシーと芸術」(6/25)
第18回 大衆を酔わせるワーグナーの「毒」
「歌劇王」ワーグナーは、大衆におもねる俗物なのか。それとも真の美を生み出す芸術家なのか。ルートヴィヒ二世、ニーチェ、フルトヴェングラーの評価はいかに? ナクソス・ミュージック・ライブラリーで文中の登場曲を聴きながら読めます!
編集長のお気に入り
◎バリー・ユアグロー『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』(柴田元幸訳) ignition gallery
アメリカの作家バリー・ユアグローといえば、新潮社から刊行した『一人の男が飛行機から飛び降りる』などで知られる不思議な作風の作家ですが、彼はロックダウン下のニューヨークで正気を保つために掌編小説を書き、翻訳者の柴田元幸さん(当サイトで「亀のみぞ知る 海外文学定期便」連載中)に直接送っていたそうです。こうして誕生した12篇のものすごく短い小説が、5月末に44ページの冊子のような薄い本になりました。
遅ればせながら読んだのですが、これが可愛くて小さい、つい机の上におきたくなるような本なんですよ。
なんとユアグローがこの小説を書いたのが、4月5日から5月11日、このリトルブックがignition galleryから発売されたのが、5月29日。いくらなんでもすごいスピードじゃないですか。柴田さんの仕事が多岐に渡り、翻訳が早いことは知られているかと思いますが、柴田さんの仕事がいくら早くても、普通の出版社ではこんなスピードで本は出せません。柴田さんのあとがきによると、 ignition gallery の熊谷さんにこういう本が作れないかと打診したのは5月11日。デザインを横山雄さんに発注。あとがきを書いたのが5月15日とのこと。この機動力と産地直送感には脱帽です。
初版1200部をウェブサイトとごく一部の書店で販売し、2週間でほぼ完売し、増刷したとか。確かに、zineという概念が人口に膾炙してきた今、ライブハウスや小劇場で売っている希少なグッズのようで、ついつい欲しくなる佇まいの本です。取り扱い先が限られていて手に入りにくいというのも、一期一会感があって、気持ちをそそります。販売書店はこちらのサイトでご覧ください。
ちなみに、「亀のみぞ知る」の最新情報にも載っていますが、ユアグロー/柴田元幸訳の仕事でいうと、現在、小社のPR誌「波」で「オヤジギャグの華」が連載中です。10回目までは原文と一緒にウェブ上でも公開してますので、ユアグローの作る不思議な世界をまだ未体験の方は、そこで簡単に触れることができます。また「波」6月号にはこの『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』の冒頭の一篇「ボッティチェリ」が掲載されています。
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