
仕事に対する優先順位が低いことを言い訳にしていないか?~ある取引先の話から考えたこと~
こんにちは、お金が入るでかねいりです。
先日、取引先A社の中途採用のお話を聞かせて頂いた際に、ある中途採用の大手広告媒体会社の対応が話題になりました。
今日は、その対応から人生における仕事に対する優先順位とそれによる影響について考えたことをお伝えできればと思います。
■取引先のお話
取引先A社の採用担当の方からお聞きした話は以下の通りです。
中途採用を実施することを決め、中途採用の大手広告媒体会社に依頼。社長や社員のヒアリングをもとに、広告媒体会社サイドで原稿を作成。
しかし、挙がってきた原稿の質が極めて低い。具体的には、「この原稿、うちじゃなくても言えることばかり」というあたりさわりのない原稿の内容。
再度、こちらの意向を伝えなおし、原稿の作成を依頼し直したのですが、次の原稿も依然として質の低いものでした。
期限もあったため、なくなく原稿を出し募集をかけましたが、案の定、結果は出ず掲載期間は終了。その後、その大手中途媒体会社を使うことはなくなりました。
■話を聞いて感じたこと
この話を聞いて私が感じたことは、広告媒体会社の担当者にプロ意識が全く感じられなかったこと。
中途採用の広告媒体会社は、広告枠が売れると儲かります。広告枠を提供することが価値となるわけですが、顧客側から考えると、広告を出すことは手段で、目的は良い人を採用すること。
そう考えると、広告媒体会社の動きとしては、顧客から言われたことをまとめて原稿をつくることではなく、顧客からの要望や顧客のビジネス、仕事内容を踏まえて、採用すべきターゲットを設定し、その上で原稿の提案をすることが求められるはず。
具体的に言えば、「採用すべきターゲットを考えれば、●●の業界で■■な仕事をしている人が実はマッチしている可能性がある。その仕事をしている人であれば、御社の▲▲の部分が魅力としてうつる。なので、こういったコンセプトで原稿はこうなります」という提案があるべきではないかと。
そう、広告媒体会社の担当の方の動きから、本気でA社の採用成功を考えていると全く思えなかったのです。
■担当者の頭の中を想像してみた
少し考えれば、顧客が採用成功を考えて、中途採用の広告媒体に依頼をかけていることはわかるはずですがなぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
広告媒体会社の担当者の頭の中を想像してみました。
パターン①
「会社から求められていることは、売上を上げること。顧客に良い人材が入っても、私が評価されるわけではない。売上目標を達成するためには余計なことをやっている時間はない。」
自社の売上を優先しなければならない状況に追い込まれているとすると、このような思考になってしまう可能性が考えられます。
パターン②
「自社の広告媒体を使っても、良い人は採用できない。だってそれは、これまでも良い人が採用できた試しがない。どうせ今回も同じでしょ。またうまくいかないんだから。」
成功体験がない、自分の仕事に自信を持てていない、自分の仕事に誇りが持てていない、という状況が続いていたとすると、このような思考になってしまうかもしれません。
■担当者の問題なのか?会社の問題なのか?
上記から、担当者側の問題なのか、会社側の問題なのかを考えると、そういった環境をつくっている会社側の問題が大きいように感じます。
一方で、担当者側にも問題がないとは言い切れません。
確かに会社から売上を求められているとしても、自分の意志はどこにあるのかということ。お客さんのことを想って行動する意思は、担当者次第と言えます。
小宮コンサルタンツの代表の小宮一慶氏は、「お金を追うな仕事を追え」ということを言っていて、「お客さんのことを考えた行動(良い仕事)をしていれば、お金(結果)は必ずついてくる」という意味合いです。
お客さんの採用成功につながれば、もしくはそれが感じられる行動がお客さんに伝われば、またあなたに頼みたいとなる可能性が出てきます。
また、成功体験がないという部分に対しても、自分になかったら、他者から聞くことはできます。会社の中にまったく成功体験がないわけではないと思います。それを取りにいくことは、自分が動けばできるはずです。
■仕事の優先順位を上げないと起こらない変化
上記のことを想像した際に、「人生における仕事に対する優先順位」ということが頭に浮かびました。
上記の担当者は、仕事に対する優先順位が低いと考えます。
少し具体的に言えば、それは私がやるべきことではないと考えていて、一線を引いてしまい、踏み込んだ仕事ができない。これは想像ですが、「私が大事なのはプライベート。そこが充実していれば問題がない。だから、広告媒体の仕事は、力を入れてやる必要はない。多少怒られても気にしない。」と考えているかもしれない。
例えば、「人前で話すのは私は得意ではない。だから、人前に出たとしてもうまくできなくてもしょうがない。」そう、考えるのと一緒ではないかと。
優先順位を上げないことで、自分に言い訳ができる状態をつくってしまっていないか。
一方で、仕事の優先順位を上げることができれば、自分がやるべき仕事と捉えることができるようになり、得意じゃなかったとしても、自分の仕事なのだからと腹をくくれるようになる。
前者と後者では、パフォーマンスに差が出ることは想像に難しくない。
仕事に対する優先順位。自分の考え方次第で、仕事のパフォーマンスは変わるし、それによって感じる幸せも変わってくる。
広告媒体会社の担当者の方にそのことを教える上司や仲間の存在がいなかったことが悔やまれます。
そして、小宮氏の「お金を追うな仕事を追え」という言葉を私自身も胸に刻んでいきたいと思います。