人生哲学を定める重要性と深める質問を解説
ここでいう哲学とは
「経験から創り上げられた人生観」の事を指します。
ちなみに人生哲学とは「人生をどう捉えるべきか、どの様に
生きて行くかを説く学問」だと言われています。
哲学の関連書籍を読んでいて感じたのは、哲学は大学教授にしか分からないものではなく、普通の人間でもなじめるのではないかと考えました。
また、人生哲学が感情を左右し、感情が行動を促進する事から
人の幸・不幸も決めてしまう側面があるかと思います。
そこで今回は人生哲学がもたらすメリットと方法に
分けて解説していこうと思います。
まず人生哲学を明確化してみましょう。
まずは、生物学的な欲求(飢え・渇き・安全)と心理的欲求(有能感・関係性・自主性)を明確に分けてみましょう。
基本的欲求を満たす事は、勿論大切ですが私たちは人間であり、高度な社会活動を営んでいます。つまり人が最適に機能するためには基本的欲求だけでなく、合理的に行動しなければならない事もあります。
そこで私たちは自らの人生哲学を知らなければ行動できません。
つまり、人生哲学とは欲求とは区別されたものであり、個人特有のものであると言えるのではないでしょうか??
ここで人生の目的に関する研究を二つ紹介致します。
エーリッヒ・フロムは「ハビング志向(富や地位を所有する事)」と
「ビーング志向(あり方,つまり自己実現に重きを置く事)」を明確に区別しどちらが幸福度が高いかを研究しました。
⇒ビーング志向を持つ方が平均的に幸せである事を発見
(エーリッヒ・フロム,1992)
カッセルとライアンによると、「所属」や「成長」「自立」などの内発性の願望は不安とうつ病のレベルの低さ、さらには自尊心・自己実現・幸福度と正の相関があるとわかりました。
⇒逆に富や名声などの願望追及は反対の結果になる事も明らかになった。
(カッセル,ライアン,1993)
いかがでしょうか??
人生哲学を定める事は幸福度を高める事につながる事が分かったのではないでしょうか??
属性(富や名誉)ではなく、私自身の成長と利他的な心の有り方がメンタルヘルスにも大きく影響してくることが示唆されました。
<私なりに人生哲学を定めた先にあるメリットを3つ紹介します>
①世の中の答えのない問いに対応できるから
元々私は理学療法士でEBM(科学的根拠)に重きを置く人間だったので「人生の意味」だったり「人生の価値観」等の答えのない問いを考える事があまり好きではありませんでした。
しかし、答えがないけれど自分なりに決断して定めておかないと、人生で
動きようがない事が多々あると気づかされました。
外来リハビリの分野でも、たまに期間の延長を希望される患者様が
いらっしゃいましたが、本当に必要でない場合は終了する事もありました。
なぜなら、「リハビリテーションとは依存ではなく自立の
プロセスである」という哲学があったからです。
②メンタルが安定するから
会社を経営する社長や子供を育てる親なども、哲学が定まっていないと
部下や子供は慢性の不安定感に付きまとわれるケースがあるかと思われます。
また、夫婦生活においても哲学がなければ決断に対し「どうしたらよいか」と迷うばかりになってしまいます。
青年に哲学がなければ、どんな人生コースを歩めばいいか分からず
いつまでもぶらぶらするモラトリアム人間から
脱却できなくなってしまいます。
自己哲学を定める事でこれらの不安から脱却する事ができるのではないでしょうか?
③悪い意味で洗脳されなくなるから
哲学を持つという事は「頭を使う」という事です。
「あるがままに」とか「今この瞬間」とか
「はからいを捨てて」等は簡単に思いこまないで
「何故か?」と考えましょう。そうすれば、大前提が見えてきて
騙される事は少なくなると思います。
ある悩みにいつまでもこだわって人生が今一つ楽しくない時は
自分はいったいどういう哲学(大前提)の持ち主か
検討してみてもいいかもしれません。
<考えるべき3つの問いを是非参考にして下さい>
①この人生で究極的に存在しているものは
何だと自分は思っているのか。
②「人生とはOOである」と訳知り顔で
言う自分は何をもって
「知った」と宣言したのか。
③この人生で何が善で何が悪か?
つまり私たちはどう生きるべきか?
何をなすべきか、あるいはなすべきでないか?
<そうは言っても私も模索中です(笑)>
いかがだったでしょうか?
最後の3つの問いかけは正直今も答えが出せていない部分があります。
しかし大事なことは問い続ける姿勢なのだと思います。紆余曲折しながら見つけ出した人生哲学はきっと良き人生の指針となるかと思われます。
様々な偉人や尊敬する人物の生き方を参考に独自の自己哲学を創り上げていきましょう。