「枕草子」冒頭文を完全に暗記しちゃえ②
清少納言の「枕草子」を暗記しよう。あまり長い文章は読むのに疲れるので、2回に分けた2回目。
人間は忘れるので、忘れた頃にもう一度繰り返す。それが暗記だ。その繰り返しで記憶が定着していく。だから文章も分けて繰り返す方がいいのであ~る。ほんまかいな。
現代の読み方(表記)で読みやすく書いたものは、(①の繰り返しになるけど……こっちのページでも口に出して言って覚える)
春は、あけぼの。ようよう白くなりゆく山ぎわ、少しあかりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。
夏は夜。月のころは、さらなり。闇もなお。蛍の多く飛びちがいたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、おかし。雨など降るも、おかし。
秋は夕暮れ。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、からすの寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさえ、あわれなり。まいて、かりなどの列ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとおかし。日、入り果てて、風の音、虫の音など、はた、言うべきにあらず。
冬はつとめて。雪の降りたるは、言うべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るも、いと、つきづきし。昼になりて、ぬるく、ゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。
現代語訳は、
訳していると、だんだんくだけてきて、昔、流行った、橋本治「桃尻語訳 枕草子」(1987)のようになってしまう。
こういう作品もすばらしく、「枕草子」の世界を伝えてくれる。でも、外国の人に日本文化を紹介するときには、やっぱり原典を紹介したい。そのためにも、原典の一つ二つは完全に暗記し、自分のものにしておきたい。
と、ここまで読んだら、もう暗記文を少し忘れているだろう。忘れたら覚える。それが「学習」だ。
暗記するときは、ゆっくり読まない。リズムをつけて、スラスラとちょっと早口で読んでいく。情景の浮かぶ季節から覚えていい。こういうふうに作者は景色を見ているんだなと、平安時代の貴族の生活を想像して覚えていこう。
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