アサガオとサツマイモとジャガイモとトマト、そしてサトイモも
サツマイモの花を見たことがあるだろうか。私は2回見た。薄紫のアサガオの花だ。サツマイモはアサガオの仲間。アサガオの葉も三つに分かれていない葉は、まるでサツマイモの葉だ。だから同じような花を咲かす。
暖かい地方ではサツマイモの花もよく咲くそうだが、本州ではなかなか咲かない。花をよく咲かす同じ仲間のアサガオの茎にサツマイモの茎を接ぎ木すれば花が咲きやすくなる、そうだ。アサガオとサツマイモ、意外と知らない仲間同士。
サツマイモはスイーツとして広がったのではなく、米がとれない飢饉のときの食糧として江戸時代から作られるようになった。サツマイモは貴重な食糧だった。
世界の約半分の人口は米を主食としている。その次が小麦、そしてトウモロコシが続く(家畜のエサとしてはトウモロコシが多く作られてるそうだが)。これらは世界三大穀物と言われている。
「種」である穀物ではなく、イモを主食としている地域もある。その場合は、多いのはジャガイモ。
サツマイモは根が太くなったもので、ジャガイモは茎が太くなったもの。同じイモといっても全然違う。
サツマイモもジャガイモも南米原産だが、アサガオの仲間のサツマイモと違い、ジャガイモはナスの仲間。同じナス科のトマトも仲間だ。ジャガイモの花はナスの花のようだ。花が散って、ジャガイモの実がなることがあるが、その実はまるでミニトマト。
同じ仲間だからジャガイモとトマトの細胞融合で「ポマト」が出来る。ピーマンやトウガラシも同じ仲間。花が同じつくりをしている。
イモといえばサトイモもある。
サトイモの仲間は「タロイモ」と呼ばれ、世界の主食の一つだ。
サトイモは茎が太くなってイモになるが、大きなイモの周りに小さなイモができる。その小さなイモが普通に売られているサトイモだ。小さなイモだから「コイモ」と呼ぶこともある。
サトイモの花は不思議な形をしている。同じ仲間のミズバショウのような形の花だ。サツマイモの花のように、サトイモの花はめったに見ない。と、ものの本にはあったが、私はけっこう見ている。黄色いミズバショウのような花だ。
サトイモの名前の由来は、山地に自生していた「ヤマイモ」に対し、里で栽培されることから「里芋」となった。
ヤマイモは根にあたる部分(担根体と呼ばれることもある)が太くなったもの。ジネンジョやナガイモは長く伸びるが、ヤマノイモは丸くなる。ヤマイモの中でもいろいろな種類がある。世界では「ヤムイモ」と呼ばれ主食の一つだ。
サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、そしてヤマイモと、同じイモでもそれぞれ違う。
いろんなイモがあるから楽しい。そして食べられる。食糧不足から人類を救うこともできる植物だ。
ジャガイモ以外は、アフリカと日本以外ではあまり食べないらしい。世界の食糧としてもっと活用できるものだろう。
おもしろくて不思議な植物の世界。よその畑を覗くだけで時間が過ぎる。
その植物たちが動き出す春がやってくる。