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受験の国語力を伸ばすためには、まずは作文力から

 夏休みの作文の宿題はうまく書けているだろうか。

 「中学受験の国語を伸ばすために重要な親の態度」という記事があった。その見出しに、「作文に行き詰まった時はインタビューしてみよう」とある。おお、作文指導の方法だ。なかなかいいことを言うなあと記事を見た。
 作文が書けない子には、親がインタビュアーになって「どう思ったの?」「どうしたの?」と質問をせよ、とあった。あれあれ、親がインタビューするのか。
 私は、子どもがインタビューするのかと思っていた。「インタビューして記事を書く」ことのススメかと思って感心していたのに。

 作文が書けない子は、何を書いていいかわからないし、書くことがあっても文の構成がわからない。そんな時にインタビューをすれば、どういう順番で話を聞けばいいか、自分で考えることができる。
 そこで考えたことをそのまま作文にするのだ。どういう順番で話を構成すればいいかも考えられる。ああ、あの順番で聞いたのはよくなかったな。作文にするときはこっちの順に書いていこう。つまり推敲すいこうもできる。
 いやいや、作文は創作だ。自分で考えたものじゃなければダメだという意見もあるだろうが、創作も何も、作文が全然書けない子の話だ。まずは書けなければならない。だから、聞いて書くことから始めよう。
 書くことによって文章を書く力がつく。これが文章を書くことの第一歩だ。
 と言っているけど、本当はちょっと作文の書ける人も、作文が得意だという人も、インタビューをして作文、記事を書いてほしい。「インタビューして記事を書く」を実践じっせんしてほしい。
 インタビューをするということはコミュニケーションをとることでもあり、自分の考えとは違う考えを聞いて書くわけだ。だから作文が得意な子ほど、今まで書いてきた文章とは違う構成、内容の話を聞いて、書くことができる。自分の書き方とは違う方法を学ぶことができる。自分の文章に厚みができてくる。
 学ぶことが多いので、インタビューして記事を書くことを実践じっせんしてほしい。

 インタビューは、まずは自分の親から話を聞こう。
 自分が生まれたときの話。両親の結婚の話。今まで聞いたことのない親子の会話ができる。へえ、おもしろいと、興味を持ったことを書けば、書くことにも力が入る。
 親の方も、作文に書くとき、「で、どう思った?」などの合いの手を入れて、作文を膨らます。
 インタビュー中は話すだけだが、子どもの頭の中で文章の構成を考えているときに、文章をふくらませるのは親のヒントが大切になる。書きながら子どもから、さらなるインタビューがあるかもわからない。親子で一緒に作文を作ることができる。
 あくまでも子どもの考えが中心で、親の作文にはならないように注意しながら子どもと考える。
 ちょっと高級になると、「うれしい」「たのしい」「悲しい」という言葉は使わないで、「うれしい」気持ちを他の表現でさせる。
 これも親が別の表現を言うのではなく、子どもに考えさせる。子どもが、いい表現が浮かばないときは無理に直さなくて、「うれしい」の表現のままでもいい。そういう楽な気持ちで子どもに寄り添う。

 親のインタビューの次は、他の人のインタビュー。
 新聞作りなどでは、「職業調べ」のインタビューをよくする。
 親の仕事のインタビューでもおもしろい。


 本当は戦争体験をインタビューさせたいけど、もう戦争体験者はほとんどいなくなってしまった。
 子どもに作文を書かせるだけではなく、大人の我々が、戦争体験者からインタビューして文章にしていこう。
 聞き書きというものは刺激的なものが多い。人の話を書きながら、自分自身も刺激を受けながら、明日の日本のためにも戦争を語り継ごう


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