ブルース・フィンク『ラカン派精神分析入門』を読んで
精神分析は分析主体と分析家との言葉のやり取りを通して行われます。「分析主体」とは精神分析を受ける患者を指し、「分析家」は治療者を指します。
分析主体が自分の考えていることや苦しんでいることについて話し、分析家はその言葉のなかから、分析主体が直面している問題を読み取ります。
それでは、「何を言わんとしたか」と「実際に言ったこと」の違いとは何でしょうか。
まず「言わんとしたこと」です。当然ですが、患者は言葉に自分なりの意味を持たせて話します。これについてラカンは、「意味は想像的