かなめ

感想を書く一般人。労働組合員。

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    粘り強く言葉に取り組み続ける。

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    Watched A Strange Movie

最近の記事

自分の弱みについて

人には弱みがある。僕にも、ある。 僕は作業速度が遅いようだ。各種の検査でもそう出た。 で、だからどうなるのか。どうすりゃいいのか。これが問題だ。 というわけで、以下弱みへの対策について色々考えてみた。 以下は考えてみただけで、実際にうまくいくかどうかは僕としても執筆時点では未知数だ。 もしご興味ある方がいらっしゃったらお付き合いいただきたい。 コミュニケーションの問題作業速度が遅いとコミュニケーションも独特の遅れが生じる。無言になる数秒がある。 これについては「無言になる

    • AI、使ってみませんか?

      みなさん、こんにちは。お元気でしょうか。 今回の記事はズバリタイトル通り、AIをみなさんに使っていただくべく、勝手に宣伝してみます。 で、なぜこんな記事を書いてみようかと思ったかというと、職場でAIについて話してみて、「これは?」という反応があったからなのです。 職場でAIを使ってみるよう促されるセミナーを受けました。それで使ってみよう!と思ったのですが、周りの人に聞いてみるとみんなほぼ使ったことがない模様。。。。 調べてみると日経新聞にこんな記事がありました。今年202

      • 【読書会後】一見無造作な物語の中の権力構造、エロティックさーーー大江健三郎・シュルレアリスム

        大江健三郎の『死者の奢り・飼育』を読んで、読書会をした。 シュルレアリスムの展示を観たといっても、我々の読書会は読書をするだけではない。 まず行った先は板橋区立美術館。芸術も愉しむのである。 館蔵品展として「もっと魅せます!板橋の前衛絵画 シュルレアリスムとアブストラクト・アート」をやっていた。 板橋区立美術館では今年2024年3月〜4月にかけて「『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本」という企画をやっており、その続きとして今回の展示をやっているようだっ

        • 大変おかしい、チェーホフの「かもめ」について

          チェーホフの「かもめ」を読もう、となった。 読んでいたのだけれど、どうにも舞台で観たいなあと思って探してみたら、動画があった。 戯曲だけではよくわからなかったのだが、動画を通じてよくわかった。 さて、改めて上記の動画再生前に見えるスクリーンショットには「喜劇」と書かれている。 「かもめ」は喜劇なのだろうか? どうやら人はみな「かもめ」が喜劇なのかどうかについて気になるらしく、講演会も開かれたことがあるらしかった。 あるものを目指し、全くそれには至らないことの喜劇性喜劇の

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        記事

          『ファースト・カウ』

          今回も変な映画観ました。 貧しくて、森がうっそうと茂っていて、雄大な河が流れている。 全然まだまだ工業化していなくて、先住民がいて、ヨーロッパから来た偉そうな仲買人が別荘を建てて農場経営者を招待している。経営者は奴隷をいかにこき使っているか苦労(という名の自慢)話をしている。気が抜けていて、ふんぞり返っているだけの経営者たち。 そんなオレゴンで、さえない料理人(クッキー)と、どこからともなくやってきた中国人(キング・ルー)の二人の男達が何かとちょろまかしながら商売で一発当て

          『ファースト・カウ』

          『戦雲 -いくさふむ-』

          映画を観ました。 沖縄本島と南琉球の島々の自衛隊軍事基地化が描かれるドキュメンタリー。 基地の現状がよくわかる映画だった。むず痒い思いがする。 基地が作られ、ミサイルやその火薬が配備されてゆく。反対運動を行う人々はそれを反対する。 映画では南琉球にて行われる畜産、ないし牧畜の様子が描かれる。牛、馬、山羊。 また漁業。メカジキの老漁師。自動運転で船を動かし、一人で漁に出る。メカジキの角にやられて足を負傷したこともあった。九死に一生の状況で漁を続けているらしい。 政治的な話題

          『戦雲 -いくさふむ-』

          『ロリータ』

          僕たちはナボコフの『ロリータ』を次に読む本として選んだ。 ナボコフは1899年生まれ、1977年に亡くなった。 帝政ロシアで生まれて、ヨーロッパ、アメリカと亡命した作家。昆虫に詳しい。チェス・プロブレム作家。 貴族の家に生まれたナボコフは、20歳ごろロシア革命で西欧へ亡命。イギリスやドイツのベルリンで過ごしていた。 父親の暗殺からフランスのパリへ。このころから詩や小説を書いていた。その後最終的に行き着いたアメリカで1945年帰化。1955年『ロリータ』を書いた。 (以上評伝

          『ロリータ』

          『アメリカン・ユートピア』

          今日もストレンジな映画を観た。 この映画はアメリカの政治音楽ライブを映している。 正直今回は感想があんまりない。物語ではないからだ。 英語が苦手だからか、日本語訳が難しかったからか、日頃の疲れからか、映画が頭に入ってこなかった。 そう。脳に情報が入ってこないのだ。この映画も脳のことから始まる。生まれてから大人になるほどシナプスのつながりがどんどん少なくなっていくのだそうだ。 なんで脳の話から始まるのか?多分人と人のつながりを強調したいんだと思う。誰だっておおよそ脳を持って

          『アメリカン・ユートピア』

          『枯れ葉』

          今日もストレンジャーな映画を観た。 カウリスマキ監督の映画はなんとなく観たことがあった。といっても1作品だけだったと思う。『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』だ。 正直よくわからないなと感じていた。『レニングラード~』の方は、音楽バンドが出てくる物語で、アメリカをツアーで回っていて、バンドの中で人が死んだので、乗っている車の上に棺を載せて埋める場所を探す、とかそういう話が一場面としてあったかと思う。 なんだか奇妙だったので今回はどうなのだろうかと首をかしげていた

          『枯れ葉』

          『梟ーフクロウー』

          今日も映画を見ました。 友人に紹介されて見た。フクロウは出てこないとその人は言っていたけれど、きちんと出てきた。 この映画は朝鮮(つまりは韓国、といってもおよそ差し支えない)の歴史物なのだが、いきなり話を少し飛ばしてみたい。 現代日本においては境界知能が昨今頻繁に取り上げられている。 また、発達障害やグレーゾーン、ボーダーという言葉を使って知的なレベルを場合分け、それぞれに該当する人々にどのようなケアが必要なのかが議論されているようだ。(※) これらの人々の問題とは何か

          『梟ーフクロウー』

          ユートピア映画について

          この文章では三つの最近の映画を取り上げて、その映画にユートピア的な世界が描かれていることを示す。最後に、なぜユートピア的な表現が出てきたのかを雑感として示す。 取り上げる映画は『瞳をとじて』『哀れなるものたち』『ボーはおそれている』の三つである。 『瞳をとじて』 『瞳をとじて』はスペインの映画監督ビクトル・エリセが31年ぶりに取った映画とのことだ。感想を以前書いた。 映画内映画の映画監督が自分の映画にまつわる失踪事件を、未解決事件として別のテレビ番組に売りに出す。映画

          ユートピア映画について

          『ボーはおそれている』

          『ボーはおそれている』を観ました。 監督:アリ・アスター 俳優:ホアキン・フェニックス、パティ・ルポーン他 多くの人がこの映画について感想を述べている。僕もそれに混じって書いてみたい。 この映画は全部主人公ボーの妄想なので、解釈は様々にできるのだと書く人が多い。わけがわからないとか、戸惑っている人もいることと思う。 それも仕方のないことで、男性器の怪物が出てきたり、実際この映画はわけがわからなく作っている。観客を混乱させようとして作られている。 監督がインタビューでも言って

          ¥100

          『ボーはおそれている』

          ¥100

          廣松渉の存在について

          我々は廣松渉「新哲学入門」を読んだ。 新書。読みやすいかと思って手に取ってみたが、完全に廣松の文章だった。現代語とは言いづらいと個人的には思う。漢文や欧州語を扱ったであろう知識人の独特の言語に圧倒させられる。 緒論、つまりはじめの章を読んで、まずヒュポダイムという用語についてが気になった。廣松においてヒュポダイムとは「不協和を明識しない信念や知識の秩序態、そこでの基幹的発想の枠組み」(p.5)を指す。私なりに解釈すれば、当たり前の物事、自明の論理といったところか。 哲学と

          廣松渉の存在について

          『瞳をとじて』

          今回も映画を見た。 映画内映画、出ている俳優が行方不明だということから話が始まる。 その俳優の失踪について、未解決事件を扱うテレビ番組に監督(もちろん映画内映画の監督だ。つまり主人公。以下も同じ。)が出演することになる。 はっきり言って監督自身はそんなに乗り気じゃない。一俳優が失踪してしまうなど、もちろんよくある話ではないが、とはいえ失踪した以外のはっきりした情報がほぼない。「ただただいなくなりましたとさ」ではあまりにもつまらない。 過去作った映画に対して深い思いはある。

          『瞳をとじて』

          『アアルト』

          監督、脚本:ビルピ・スータリ 公式サイト https://aaltofilm.com/ フィンランド生まれの建築家、アルヴァ・アールトのドキュメンタリー。 主にヨーロッパからアメリカを舞台に建築プロジェクトをいくつも手がけた。プロジェクトは奥さんと共同で行うことが多かったようだ。 奥さんに恵まれた。建築業界の男性優位な社会において、女性との共作に成功した。 実は生涯で二人の女性と結婚している。一人目の奥さんアイノは家具を扱い、二人目エリッサは美術を担当するなど、うまく棲み分

          『アアルト』

          『私がやりました』

          またストレンジャーな映画を観てしまいました。 監督:フランソワ・オゾン 主演: ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール 公式サイト:https://gaga.ne.jp/my-crime/ 以下はこの映画の感想です。 1930年代のフランス。売れない女優と案件の無い女性弁護士が貧乏生活をともにしていた。女優のほうは必死で役を得ようとプロデューサーに交渉するも、愛人契約を迫られる始末。嫌になってプロデューサー宅を飛び出して帰ってきてしまう。 そんななか、プロデュー

          『私がやりました』