パリの激辛四川料理
先週末、
どうにも治まらなかった激辛欲。
せっかくの休日だし天気もいいから
外でランチでもしよっか!と提案してくれた旦那さん。
おそらくテラスで一杯飲みながらの
有意義なランチ時間をイメージしての提案だったのだろう。
残念ながらこの日、
もう何をどうしても激辛が食べたくて
結局私に付き合ってくれることになった。
爽やかなランチと真逆。
汗だく必須でいただく四川料理へ。
しかも激辛にはあまり強くない彼、
大変申し訳ない。
「Deux fois plus de piment」。
パリは11区にある四川料理屋さん。
直訳すると、「2倍辛い」。
ネーミングセンスよ。
でも、名前の通り、辛い四川料理が売りのお店。
ちなみにここの系列店は、
「trois fois plus de piment」(3倍) と、
「cinq fois plus de piment」 (5倍)
がある。
(ちゃんと「4」は省くんだ、と妙に感心した)
trois foisは麺専門店で、確かに高レベルの辛さを選ぶと激辛なのだけど
(一度死にそうになった経験あり)
cinq foisはあまり辛くないという噂。
「5倍」なのに。
張り切って12時ぴったりに入店。
まだお店の人まかない食べていた。
フランスあるある。
まずは前菜代わりにここのプチ名物みたいになっている
ピリ辛水餃子を頼み、
メインには旦那さんは
これまたここの名物の「水煮牛肉」という
牛肉の辛い煮込み、
私はそれの魚バージョン、「水煮魚」を頼んだ。
そして、
今日これからの激辛に向けて戦闘態勢に入るべく、
TSINGTAOで覚悟の乾杯。
(私に至っては歓喜の乾杯)
数年前に学生でパリにいたころ、
どうしてもここの麻婆豆腐が食べたくて
学校終わりに一人で食べにきたことがある。
今はなぜか麻婆豆腐は辛さレベルが選べなくなってしまい
あまり辛くない麻婆豆腐しかなくて残念なのだけど
(いやこれが普通なのだろう)
ここの手加減の無い辛さがお気に入りで、
それから辛いもの好きの友人と2回、
そして母が一人で来てくれたときは、
母を連れて来た。私の辛いもの好きは母譲りだ。
そうこうしているうちに、餃子が登場。
数年ぶりに食べるこちら。
なんだか餃子自体が変わった・・・?
昔の方が美味しかった気がする。(小声)
そしてメインが登場。
あ、ちなみにこの水煮牛肉と水煮魚という料理、
辛さレベルが選べるようになっている。
5段階から選べて、
多分、2~3あたりが普通の辛さなのだと思う。
(それでもなかなか辛いけど)
私は当然、4。
3以降になると、店員さんから決まって
「かなり辛いけど大丈夫か」
という確認が入る。
どうか心配しないでいただきたい、私はこれを食べに来たのだ。
涼しい顔して「Oui」と答える。
そして旦那さんは3を選んだ。
一応言っておく。3もなかなか辛い。
そして一応言っておく。
こちらのお店、辛くない料理もちゃんとある。
辛いのが得意ではない(味は好きだけどお腹的にアウト)旦那さんに
辛くない料理にしたら?と提案したのだけど、
「いやここにきてそれは邪道でしょ」
となんかよくわからん意地を張りはじめ、
じゃあせめて、
辛さレベル2にしたら?と提案したのだけど、
「いやそれ選んだら負けっしょ」
とまたわけのわからんプライドを燃やし始め、
結局3を注文したのだ。
辛いのを強制したわけではないということ、
誤解を生む前に言っておきたい。
(このお店に行くことは強制だったけど)
はい、こちらが私の「水煮魚 辛さレベル4」
見た感じではあまりわからないのだけど、
このスープの中に荒く刻んだ(種ごと。ここ重要)
唐辛子がザクザク入っていて
スープ自体は異様にどろっとしている。
奥のが旦那さんの「水煮牛肉 辛さレベル3」。
見た感じあまり違いがないのだけど、
唐辛子の量とスープのさらっと加減が全然違う。
一口食べて、
あ~これこれこの刺激!
となった。
花椒の痺れる香りと旨味、
唐辛子のパンチ。
白身魚はプルンとしていて柔らかく、
具材として入っているセロリと白菜は、
もはやその水水しさや、
セロリに関してはあの清涼感のある香りが
全く感じられないくらい、
マグマのスープに圧倒的にやられている。
ここでもう一つポイントになってくるのが、
ピーナッツ。
このスープにピーナッツとな!?というのが第一印象なのだけど、
これがまたいい役割。
食感はもちろん、食べると口の中がなんとなくマイルドになる。
とはいえ、ゆっくり噛んでいる暇はない。
そんなことしてたら辛さでやけどする。
ただ辛いだけではなくちゃんと塩気とコクがある。
白米にぴったりの味だ。
なんならきっと本場ではこの残ったスープに
ご飯を入れて雑炊チックにするんだろう。
〆のラーメンも捨てがたい。
そんなメニューは無いのだけど、
勝手に妄想が駆け巡る。
「あ~辛!あ~おいし!」
を連呼する私、
ふと前を見ると必死な形相な人がいた。
「ほら~だから2にしときなって言ったのに~!」
と無理やり連れてこられて謎に呆れられて散々な旦那。
ちなみに一口食べてみたいと私のを食べてみたら
その一瞬で唇が痛くなったらしい。
(そんな大げさな)
もちろんスープは飲めないけれど
(多分飲んだら死んでしまう)
具材は二人とも全部完食。
旦那さん頑張りました。
食べ終わった後は、
「もうしばらくいいわ・・・」
という満足感なのだけど、
またちょっとすると食べたくなるんだよなぁ
なんだろうこの中毒性。
ちなみに店員さんが下げてくれる時、残ったスープを見て
「え!4食べたの!?」と言った。
「うん、彼女がね」と旦那さんが私を指すと、
うわぁ正気かよ、、、という顔をした。
可愛い中国人の女の子だったが、間違いなく、そう思ってる顔だった。
私は翌日も翌々日もお腹がなんともなく、
流石に自分のお腹どうなってるんだろうと心配になった。
あの唐辛子たちは何処へ。
旦那さんも、安心してください、生きています。
考えていたらまた食べたくなってきた。
今度はもう、テイクアウトで一人で食べよう。笑
でも、身体にはあまりよろしく無いのだろう。
この日の口の中の火傷がいまだに治らずにいる。(次回から3にしようね)
Deux fois plus de piment
33 Rue Saint-Sébastien, 75011 Paris
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