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[本の紹介] 現代の喧騒から脱却!岩内章太郎が語る〈私〉を取り戻す哲学的思考法

「スマホの世界に溺れて本当の自分を見失ってしまった」と感じることはありませんか? そんなあなたに贈る、岩内章太郎が提唱する〈私〉を取り戻すための方法論がつまった一冊。現代社会を生き抜くための哲学的視点を得られる本書は、あなたの心に新たな気づきを促します。読み進めるうちに、きっと貴方自身の生き方そのものを考え直すことになるでしょう。

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デフォルトの〈私〉とは? 自分自身を取り戻す第一歩

人々がデフォルトで持っているものとしての「〈私〉」――それは一体何なのか。この章ではその本質と、自分らしさを取り戻すために必要な視点を探ります。すべては「自分とは何か」を問い始めることから始まります。

  • 動物のように生きるか、善い人になるか選ぶべき一線

  • 世間に流されず、自分の価値観を守るにはどうするべきか

  • 簡単に手に入る「善」のパッケージに潜む危険性

  • 〈私〉の声を聴くための内なる瞑想法

デフォルトの〈私〉とは私たち一人ひとりが初めから持っているものであり、時としてそれは他者や環境によって形成されるものとして紹介されています。

岩内章太郎はここで、私たちが動物のようにただ生きるだけか、それとも「善い人」として規範的な生き方を選ぶのかという選択肢を提示します。

また、善のパッケージとはいわば他者の期待に沿った形での善であり、それに進んで流されてしまうことは自分自身の声を聞く力を弱める危険があると指摘します。

個々が本来持っている声、すなわち「〈私〉の声」は、現代の喧騒の中で容易に見失われがちです。

本書ではその声をしっかりと受け止める方法として、瞑想のような内省の時間を取ることの重要性を説いています。

哲学的思考が〈私〉を取り戻す鍵となる理由

現代社会における思考のあり方に疑問を抱く人は多いのではないでしょうか。この章では、哲学的思考がどのようにして自分の本質を導き出し、コンプレックスや不安を解消するのに役立つのかを解明していきます。

  • デカルト的な「我思う、ゆえに我あり」に触発された新たな視点

  • 現代における判断力とその判断を放棄したときの利益

  • 我々が批判的思考を養うべき理由と具体的方法

第2章では哲学そのものがどのように私たちの日々を指導し、また救いの道を提供してくれるのかが示されています。

哲学者デカルトに触発された「新デカルト主義」は、現代における確固たる自己とその意識を培うためのものです。

「我思う、ゆえに我あり」というデカルトの言葉を拠り所にし、日常の中での決断や選択に対する自己の意識を強く持つことを促します。

特に判断をしなくても良いというのもひとつの判断であり、その中に感情の解放や柔軟な思考が隠れているという考えが新鮮です。

さらに、批判的思考を養うことにより自分の価値観や考えを磨き上げ、本質を見失わないための予防線を張ることができます。

ポスト・トゥルース時代を生き抜く術

インターネット上の情報に翻弄され、自分の信念を見失う者が増える中、どうやって真実に辿り着くことができるのか? ポスト・トゥルースという概念の中で、理性を保ちつつも新たな視点を提供してくれるでしょう。

  • 現代の学生が直面するSNSと情報の混乱

  • 真実の争いを終わらせ、建設的な対話をする方法

  • 陰謀論に悩まされないための心構え

本章ではポスト・トゥルース、つまり真実が重要でなくなってきた時代背景を述べています。

SNSに浸透する学生たちは、情報に触れる度に混乱しやすく、その過程で本来の信念を揺らがせることがあります。

ここで岩内は、何が本当で何が偽物かを単純に捉えることの複雑さを浮き彫りにし、「正しさをめぐる争い」をいかに終わらせるか、その工夫を紹介しています。

また陰謀論がいかに人々を理性だけでなく情動に訴える力をもち、時に日々の思考を支配するかを指摘し、理性的かつ批判的な視点を如何に持つべきかを指南します。

ネガティブなものを受け入れ、成長する可能性

日々の生活において見えないプレッシャーやストレスから逃れられないことも多々あります。本章ではネガティブなものを適切に受け入れることで、心のバランスを取り戻す重要性とその方法を探ります。

  • 対話を通じたネガティブ・ケイパビリティの理解

  • アルゴリズムは我々の取り戻したい〈私〉をどう侵食するのか

  • 「弱いロボット」から学ぶ人間の本質的な強さ

ネガティブなものを避けてばかりでは、本当の前進や成長は難しいと岩内は語ります。

対話はその一助となり、相手の反応から自分の感じ方を再評価することが可能です。

ネガティブ・ケイパビリティ、つまり不確実性や不明確な状況をそのまま受け入れる力は、場合によっては人々にとっての助け船となり得ます。

さらに、私たちは日々、目に見えないアルゴリズムに自分の存在を磨耗させられていることにも気づく必要があります。

「弱いロボット」とは、効率を重視せず、人間に寄り添うデザインで誕生したロボットのことを指し、これにより得る柔軟性や人間の強さを学び取ることが示されています。

まとめ:私たちが今学ぶべき、生き方の知恵

岩内章太郎の『〈私〉を取り戻す哲学』は、複雑な現代を生きる私たちにとって必要な知恵と洞察を豊富に提供しています。

それは、あたかも過剰な情報と感情に埋もれる世界の中で己を見つけ、さらなる成熟を可能にする哲学的思考法を共有するものです。

本書を通じて、現代の喧騒から抜け出し、自己を取り戻すための多くの知恵とヒントを得られることでしょう。

自分の人生をより豊かにし、幸福を追求するためのツールとして、ぜひこの書を手に取ってみてください。


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