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心に火を灯せば、人の力は無限に広がる/株式会社トーチリレー代表 神保拓也さん講演会【イベントレポート】

やりたいこと、叶えたい夢があるのに、壁にぶち当たって心の火が消え、動けなくなってしまった。そんな経験がある人は多いのではないでしょうか。

この記事では、2023年3月11日に行われた株式会社トーチリレー代表 神保拓也さんの講演会の内容をダイジェストでお届けします。

テーマは『悩みと向き合い情熱を持って生きる方法』
一人一人の悩みと向き合い、心に火を灯す“トーチング”を事業展開されている神保さんに、心の火を灯すことの大切さについてお話しいただきました。


神保拓也さん(株式会社トーチリレー代表)


1. 隊長の登山録(神保さんの人生録)

心に火を灯すのは人の為ならず


心に火を灯す原体験は、銀行員時代にあったそう。学生時代のタイでのボランティア経験から、想いだけでは世界は変わらないと痛感。「ビジネスで世界を元気にする仕組みを作りたい」と思い立ち、「お金とは何か」を学ぶことのできる銀行に新卒で入行しました。

しかし、周りは優秀な同僚ばかり。彼らの会話についていけなくて、人と話すのが怖くなり、次第に塞ぎ込むように。苦しい1年を過ごしたと言います。

そして銀行員2年目を迎え、神保さんはある決意をします。

僕自身が1年目に誰にも相談できず、自分だけで悩みを解決しようとした結果、苦しい状況になったという原体験がありました。だから、後輩の悩みや質問には親身になって、絶対に目を背けずに寄り添おうと考えたんです。

後輩の悩みに寄り添うと決意したものの、ここで大きな問題が。

何がややこしいかっていうと、後輩も優秀な方が多いので、質問がめちゃくちゃ難しいんです。即答できないんですよ(笑)
だから、そんな質問は徹底して調べ上げて、説明資料にまとめて、後輩にプレゼンしきるというチャレンジをしたんですね。

その結果、神保さん自身にも大きな変化が起こります。

結果、悩み相談に乗ることで、自分自身がどんどん成長していくというメカニズムに気づきました。

今の活動に置き換えると、“トーチング”という悩み相談は誰のためにやっているのか。当然悩まれている方々のためにやっていますが、巡り巡って自分のためにもなるということなんです。「情けは人の為ならず」ということわざがありますが、まさに「心に火を灯すのは人の為ならず」自分のためになるんだなと気づきました。これが今の活動の原点になっています。


チームの心に火を灯すのも、一人一人と向き合うことから


その後神保さんは銀行から転職し、事業再生のコンサルを経て、ユニクロの親会社であるファーストリテイリングに入社します。

この会社を選んだ理由は、昔からの夢である「ビジネスで世界を元気にする仕組み」を作るため。「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という企業理念に惹かれたと言います。

神保さんは、35歳で史上最年少の執行役員に抜擢。任されたのは、当時崩壊しかけていた物流の立て直しでした。しかも物流は未経験の領域。苦労は計り知れなかったと言います。

物流の知識もない僕ができることは、あの銀行員2年目からずっとやっていた「一人一人に寄り添い、悩みに向き合うこと」だなと思ったんです。
仕事だけではなく、人間関係やプライベートの相談までできる時間を確保して、心に火を灯す面談を部下に対して行いました。

神保さんの話に聞き入る参加者

一人一人の心に火を灯した結果、役員の就任後、1年と数ヶ月で、ほぼ無人の自動倉庫を構築し、今では物流のデジタル化に取り組む最先端企業の一社として紹介されるまでになったそう。

チームの心に火を灯すのも、一人一人の悩みに寄り添うことから。そう感じた出来事だったと言います。


2. 参加者との“一悶一灯”(悩み相談)

講演会の後半では、参加者の悩みに寄り添う“一悶一灯(一問一答)”が行われました。悩みにとことん寄り添い、悩みの核の部分に回答してくださった神保さん。心に火を灯すやりとりの一部をお届けします。

参加者からの質問に答える神保さん


障がいを持つ姉に対し、自分ができることとは?


質問者:姉が発達障がいを持っていて、幼い頃から世間に認められない経験をしてきました。障がい者と健常者がお互い認め合える社会になるために、私にできることは何なのか悩んでいます。

神保さん:やるべきことは、ご自身の人生を一生懸命生きることだと思います。逆説的なんですが、障がいを持っている方に対して何ができるかを考えるよりも、自分が輝いて、その輝きの背景に障がいを持つ姉とのこんな経験があった、という順序で証明していくほうが早いんですね。おそらくそのほうがお姉さんのためにもなるんじゃないかと思います。


緊張しないで話すには?


質問者:神保さんのような尊敬する方と話すときに緊張してしまいます。どうしたら緊張せずに話せるようになりますか。

神保さん:いい質問なので、トーチング的アプローチで回答します。トーチングでは、悩みの本質がどこにあるかを特定するのが肝心なんです。今回の場合、緊張する理由はどこにあると考えていますか?

質問者:自分の意見が正しいのか、自信がないときに緊張してしまいます。

神保さん:そうであれば「緊張しないためにどうすればいいか」ではなく、「自分に自信がある状態にするためにはどうすればいいか」というのが悩みの本質だとわかりますね。そうすれば対処法が考えられます。こうやって悩みの皮を剥がしていくと、悩みの根源が見つかり、解決策も見つけられるようになります。

僕の場合は、緊張しないための事前準備をしっかりして、自分に自信がある状態で臨むようにしています。緊張するということは、それだけ事前準備の伸びしろが残されているということです。まずは事前準備50点、緊張50点を目指して、それをどう事前準備70点、緊張30点に持っていけるかを考えていくと、場を楽しめるようになってきますよ。

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講演会を終えて…

心に火が灯れば、人の力は無限に広がる


「心に火が灯れば、人はなんだってできる」
それが、神保さんの講演から私が感じたことでした。

誰にでもきっと、やりたいことを成し遂げる力は備わっているのでしょう。その力を引き出すために、心に火を灯すことが大事なのだと思います。

私も心に火を灯し、自分の無限の可能性を信じて生きていきたい。悩んだときは誰かに相談し、誰かの悩みにも徹底的に寄り添う“トーチリレー”を、私もしていこうと思いました。


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