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『STARS展』を観た理由─村上隆さんアーティストトークによせて
先日『STARS展』に行きました。
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美術館に足を運んだきっかけは
村上隆さんがtwitterで
「来て欲しい」ってツイートしていたからです。
スターズ展。今日が最終日。コロナ禍で宣伝もし辛く、森ビルさんも大変であった模様。来て欲しい気持ちのみお伝えいたします。
— takashi murakami (@takashipom) January 3, 2021
村上 隆 アーティストトーク MY WORK【森美術館 ラーニングONLNE】 https://t.co/KIZmIbW3tq @YouTubeより
なぜだろう。
美術展は好きなのに
行く理由も見つけられないまま
会期が過ぎてしまうところでした。
たぶん、もっと大事なことが
ある気がするからです。
でも、行って本当に良かったです。
自分の ‘好き’ を見つけられたから。
周りの人の ‘これ好き’ の気配も
知ることができたから。
死後を考えて生きる
『村上隆 アーティストトーク MY WORK』は
『STARS展』のための動画で3回見ました。
「死んだ後」のことを考えて作品を作っている
目の前のことに追われる自分の何かが
変わるような言葉でした。
大きな野望を抱く人の考えに触れることは
良いなあと思います。
・
森ビルのコンセプトも初めて知りました。
日本社会の中で自分たちがひとつ街づくりをして、街づくりの構想のひとつは超高層ビルを作って、そこを街にすること。
文化施設もその中に作ることによって街というのは文化を発信する場所であると。未来的空間であっても、お祭りがあったりとかコミュニティがあったりとか、町内会があったりとか全部すべきだと。
ドメスティックなところ、経済的な文脈から現代日本にあったカタチで作られてるんですね。
華やかな場所に当たり前だけど
ちゃんと秩序だって考えている人がいる、
そのことを知るだけで安心するし
六本木をちょっと、したしい気持ちなります。
・
なるほどと思ったのは
村上隆さんの未来予測です。
資本主義が回っている時はものすごく大きくて。まあ僕の展示もそうですけど資本主義的構造がすごくリアルだったんですが、これからはもうちょっと心のひだに直接届くような芸術がメインになってくるんじゃないかと。
私は理にかなっていると思いました。
ビジネスでもだんだんニッチ(すきま)化するのだから
村上さん曰く「心の救済である」とする芸術が
「心のひだに届くような」ものになっていくのは
確かにそうかもなあ、とぼんやり。
10年後に向けてどう在るべきか。
あなたはどうでしょう。
・・そして2025年問題が現実となったら
ますます心の救済は必要な世界になりますね。
村上隆さんをフォローしたきっかけ
私が雲の上の仙人みたいな村上隆さんを
身近に感じたきっかけは3つあります。
・
1つは、新聞記者だった兄が5歳の息子に
「世界を股にかける男になれ!村上隆みたいに」
と言うのを聞いたからです。
兄は現代美術への興味はなかったと思いますが
「世界を股にかける男」の代表に
村上隆さんの名前を掲げたことにびっくりしました。
すごいと思ったんです。
5歳の息子に言うたとえかは兎も角、
隣で聞いた私は大きな影響を受けました。
兄は世界を股にかける男になりたかったんだ、
と思いました。
・
もう1つのきっかけは
村上隆さん著書『芸術起業論』が
素晴らしく面白かったからです。
私が天国に行くとき持っていきたい本、ベスト1かもしれません。
生きてる間に活用しなければ意味ないけれど。
これほど劇薬みたいな本(もちろん良くなるための)は、
かつて読んだことがありません。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42455252/picture_pc_1ac879154625003de10f0d58d6178b7f.jpg?width=1200)
私はこの芸術起業論を何度も開いたはずなのに
見るたび新しい価値観を発見します。
今、目に入ったのは
「価値を生むのは、才能よりサブタイトル」
「経済的自立がないと、駒の一つになる」
「徹夜なんて、努力のうちに入りません」
気持ちがピリっとします。
全てのクリエイター、
そして起業家のあなたは
ぜひ読むべし。
ちっぽけな自分を知るために。
夢や希望の方向性を確かめるために。
ちなみに
「徹夜は生産性上がらないんじゃ」
と思われるかもしれませんが
寝ないとダメな私もクリエイターモードの徹夜は
努力じゃないです。ぜんぜん。
なぜなら、頭を使わないから。
・
もう1つ。
村上隆さんを尊敬することになった超痺れるエピソードは・・
師匠の一人、インフォマーケター楠瀬健之さんが
当時、作家サポートをしていた私の質問に
こんな答えをくれたのです。
私:たとえば動画で作家の世界観を伝える場合、本人が出るのを望まなければキャラクターでも大丈夫でしょうか?
楠:なるほど!じゃあ、村上隆さんていう画家がなぜあんなに高いフィーなのか?
彼はアーティストの世界で自分の作品を解説するのがもっとも愚かしい行為だと思われていたところに、自分の作品にはこんな意義・意図があるって解説することによって世界トップの高額作家になりました。
本人の美学なんて客に関係ない。けれど、あなたの自由なので好きにしてください、って僕は言います。実際すごく有名な指揮者の方にそういって、まぁそれは僕はできないなぁ、ってなったこともあります。でも悔いはないです。
キャラクターでやりたいのだったら、いいんじゃないですか?本人がやりたくないなら、やらない方がいいです。その方の信念とズレても、ろくなことないから。キャラクターと人間、内容は一緒なのでどっちでもいいです。
ただ、価値は伝える努力はしないと価値にならない。
なんでも鑑定団ていう番組があって、見たことあるかな?あれは面白くて「これは高い、300万!世界に1個しかない!」って聞いて額に入れていたのに「9000円です!」ってなったら、その辺にゴロンて転がして子供が遊んでる、みたいな。
でも、その逆もあるわけです。今まで子供が触れた、ほっといたら割れた、なんだったら金魚鉢にしてた、みたいなものも特別な作家だったら何百万何千万となったら額に入れて子供が触れないようにする、みたいな。わかりますか?
加わったのは『情報』だけです。
本人が出て価値を伝える行為とキャラクターが出て伝える行為の何が違うか僕には全然わからないですけど、それは別に自由です。キャラクターの世界で喋るのは全然いいと思うけれど、例えばキャラクターが2つ出た場合は工数・技術はいるんじゃないの?っていうのは思います。
痺れませんか・・?
私はこんなユニークな答えをくれるのは
この人だけだと当時、感激しました。
あなたも自分の信念が書き換わるような言葉をもらったら
感激じゃないでしょうか?
師匠も、村上隆さんも
心の底からすごいと思いました。
・
そうして私は
村上隆さんのtwitterをフォローしました。
今回、『STARS展』に行ったことで
村上隆さんの考え方だけでなく
作品も可愛い、すごい、別格!と
今更ながら思うようになりました。
2020年作品の
『ポップアップフラワー』や
『チェリーブロッサム フジヤマ JAPAN』は
表面に見えているものが
ただただ可愛くて
おめでたくて好きです。
![阿像_フジヤマ2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42481416/picture_pc_5ec82da1a1d041a1236eef2ef8985313.jpg?width=1200)
ちなみに「現代美術って、つまり何なの?」というあなたへ・・・
村上隆さんが書いていた現代美術の定義をお伝えします。
僕のやっている仕事は現代美術といいまして、第二次世界大戦後の美術世界観のことを指し、アメリカの帝国主義と世界がどう関わっていくのかというのが大きなテーマです。
例えば、アンディ・ウォーホルを代表とする60〜70年代のポップアートは、アメリカの金満の限りを尽くした資本主義の世界を強いコントラストで表しています。そのように、日々刻々と変化する経済の状況や、各地で起きている戦争、紛争といった状況に対して、自分たちはどう生きているかということを表す行為が現代美術なんです。
by 村上隆
芸術は時代によって異なり、
その中で自分は何をコンセプトとして表現するのかが現代美術です。
今なら、コロナ禍で何を伝えるのか。
村上隆さんの「お花」の背景
村上隆さんの象徴的なモチーフ
『お花』を知っていますか?
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42461755/picture_pc_1f78d14529108cd25866f93647655dec.jpg?width=1200)
『お花ちゃん』は
「うすら笑い」を意味しているそうです。
すごくないですか?
この上なくポップで
見ると元気になる村上隆さんの「お花」が
「うすら笑い」を意味してるって。
『情報』が加わっただけで見える世界は違う
あなたも、そう思いませんか?
知っている人だけが共有する
秘密の世界。
でも、見て幸せな気持ちになるなら
意味なんかどうでも良いって思います。
深く知らなくても良し、
深く知っても良し、
なこの『お花』が私は好きです。
そもそも人間は
楽しい気持ちも、うれしい気持ちも
いやなものも
よこしまな欲望も持ち合わせて
芸術はそんな人間の気持ちを
表現するものでもあります。
背景を考えるということ
コンサルタント北岡秀紀さんが
エンタメでもビジネスでも
「相手の背景を考えること」が大事っていいました。
今回見た村上隆さんや
奈良美智さん、草間彌生さんは
背景を知らなくても楽しめます。
でも、背景を知ればもっと楽しめます。
背景を知る手っ取り早い方法は
特集の雑誌や美術展のカタログです。
今回、森美術館ミュージアムショップで
雑誌『PEN』を購入。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42480490/picture_pc_f806e9c0b98447570be90ae36dbbafdb.jpg?width=1200)
とても後悔しました。
カタログを買わなかったことを・・
こうして発信するには
雑誌だけでは情報が足りない(かもしれない)・・。
展覧会で買わずに後悔することは度々あるのですが
グッズはさておき情報は本物を取りにいかなければ
芯を掴むことはできない・・かもしれない・・。
カタログを手に入れようと電話してみましたが
森アートミュージアムは1/4から春まで改装工事中で休業。
オンラインショップは1/13以降のお届け。
というわけで
今回は展示の記憶と雑誌『PEN』と
私の知識と経験と感じたことで
レポートしてみます。
▼ヤフーニュースに取り上げられた村上隆さんも貼っておきます。
おもしろいいです。
村上隆さんの「75歳くらいまでがんばれるかなぁ」
という理由がいいです。
おわりに
これは『STARS展レポート』の前書きです。
これから本文を書こうと思うのですが
2018年にInstagramに投稿したドラえもん展レポートを見直して
当時ものすごく楽しんでいたことを思い出しました。
これらは全部、
2018年『コピーライティング』についての
出版ネタを考えなくちゃいけなかったとき
行き詰まって投稿していたものです。
私はアートやエンタメについて
深めるつもりはなかったです。
でも、アートやエンタメについての記録は
とてもおもしろいです。
もしかしたら自分のコンセプト、
つまり全体を貫く根幹は
楽しんでやってきた投稿から
見つかることがあるかもしれません。
この note記事 や Instagram は
人生の寄り道の記録です。
私はでも、
やっぱり何年も何十年も
この場所の近くにいます。
きょうは、これからデザインの仕事で
『STARS展』レポートは
ぼちぼち書くつもりです。
また、見てくれたらうれしいです。
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![金光 香織](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/9813365/profile_f3e2002f0868366ca88ea5b6cc2e7b99.png?width=600&crop=1:1,smart)