監督・脚本・撮影 上田義彦『椿の庭』(後編)
掃除機をかける渚に、絹子が「渚、玄関もお願いね」と声を張る。姿見の前で白い夏の着物に薄緑の帯を締める絹子とそれを笑顔で眺める渚。玄関のチャイムが鳴り、「は~い」と階段を降りる絹子と渚。もう一度、絹子の「は~い」。玄関には白いシャツにベージュの上着を着て、パナマ帽を被った男性が。絹子の夫の友人(絹子の友人でもあった)幸三(こうぞう=清水紘治さん)。(絹子がめかしこんで浮き浮きしていたのは、この人の来訪を心待ちにしていたから)。昔を懐かしむふたりの会話。「たしか後楽園に遊園地がで