暑さと湿気と冷え。
暑さと湿気と冷え。
これは漢方界での夏のキーワードとも言えるものです。
人間も自然界の生き物ですから、太陽による適度な温かさと雨による適度な湿度、そこに大気が加わり、ちょうど良い環境により元気に成長します。
植物も暑すぎたり寒過ぎたり、雨が少なすぎると枯れてしまいますし、雨が多すぎると根ぐされなどを起こして腐ったり溶けたりしてしまいますよね。
人間も同じなので、様々な過不足は体に不調を生みます。
昔の日本の生活では、夏や梅雨は暑さと湿気が、それぞれ暑邪、湿邪として体を襲い体調を崩す原因となっていました。
暑さは体に熱を及ぼしカラカラに乾燥させて熱射病やさらに熱中症などを起こしますし、湿邪はジトジトとカビなどの菌を増殖させたり、余計な水を溜め込んでむくみなどのタプタプブヨブヨになり、食欲がでない、体が重くてだるいよ~などということになります。
現代ではクーラーや冷蔵庫などの文明の利器により、これに寒さの寒邪が加わりますので、さらに体に不調を起こす邪気が増えた状態です。
夏なのに寒邪ってすごいことです。キンキンに冷えたビールやアイスクリームも寒邪を呼ぶんです。
このような話をすると、「何だかよくわからないけど邪気怖い~~!!」となるかもしれませんね。
でも、気温の高さも湿気も自然界のしくみにより生まれるものなのでそれ自体は悪いものではなく、当然なくすこともできません。これらにより四季も生まれるのでとても大切なものです。
(とはいえ、最近の気候変動は異常ですけどね。。。)
では何が怖いって、それが体の中に入ってくると邪気として悪さをするということなのです。
つまり体の中に入らなければ、または一旦ちょっと入ってもすぐ払い除けられれば大丈夫ということなのです。
邪気が体の中に入ってきてしまうということは、その体に邪気を払い除けるだけの力がなかったということになります。
この払い除ける力は、いわゆる免疫力と言われるものですね。
つまり”バリア”をしっかり張れればいいのです。
(そういえば、ワタシの小さい頃(←昭和の終わり)の遊びでは、「バーリア!」と言って両手の親指を立てながら胸の前で交差させると無敵になるという遊びがあったな~~笑)
そのバリアをしっかり張るためには、体の中の気血が充実していることが大切です。気血とは、簡単に言うと体を動かすための栄養とエネルギーです。
車で言うと、ガソリンとエンジンみたいな感じです。どちらもないと車は動かないですよね。大事なものです。
じゃあ、バリアを張るために気血を充実させるためにはどうしたらよいのか。。
これについては長くなってしまったので、また別の機会に。
というわけで、今回は夏は、主に暑さと湿気と寒さが体を襲う邪気に成り得ること、でもバリアが張っていれば怖いのもではない、というお話でした。
また綴ってまいります~。