【写真】スナップ撮影時の思考整理
こんにちは。かみこざわです。
コロナ禍も明けた・・・と思いきや、夏風邪のように新たなものが流行っている昨今ではありますが、
最盛期ほどではないにしろ、オフラインの交流がかなり戻ってきました。
そこで、オフラインで交流する写真仲間からよく質問されるワードがありました。
『スナップって、どう撮るんですか?』
スナップを撮るときに何を考え、何を考えずに撮っているかを整理したことがなかったので、
明確な回答ができない自分がいたわけです。
そこで今回は、ストリートスナップ撮影時の思考整理について、
あくまで私の主観ではありますがまとめてみようと思います。
1.カメラの設定
さっそくカメラの設定をしていくのですが、
ぶっちゃけ正解がありません。
私はこうしている、程度に見てもらえるといいかなと。
快晴時(5月~9月)
F値 ・・・ f/5.6~16 or オート
シャッタースピード ・・・ 1/250s以上
ISO感度 ・・・ 100~400
ホワイトバランス ・・・ 晴れ
いわゆる、【サニー16ルール】のサニーの部分です。
最近のデジカメのレンズはf/16まで絞らなくても写るようなので、
8~11の間にしておくとよいかと思います。
機種によっては設定可能な拡張低感度(50や64等)は、
僕は違いがさっぱりわからないので使いません。
ISO感度200ベースで撮ることも多々あります。
これも違いがほぼわからないので、その分シャッタースピードに回しています。
もちろん、Foveon®センサーなど特殊な特性をもつカメラはそれに合わせてあげてください。
快晴時(10月~4月)
F値 ・・・ f/4~11 or オート
シャッタースピード ・・・ 1/250s以上
ISO感度 ・・・ 200~オート
ホワイトバランス ・・・ 晴れ
冬場の光は思ったより弱いです。
被写体深度は少々落ちますが、私はF値で調整しています。
雨天・曇天時(通年)
F値 ・・・ 開放~f/5.6 or オート
シャッタースピード ・・・ 1/125s以上
ISO感度 ・・・ 400~オート
ホワイトバランス ・・・ 曇り
ドラマチックな斜光や影は望めませんが、すべてのものがフラットに写る曇りの日もまたスナップ日和です。
雨の日はかなり暗いのと、機体に余計な雨を当てないために少し構えて撮るため、シャッタースピードは1/125sとしています。
夜(通年)
F値 ・・・ 開放~f/2.8
シャッタースピード ・・・ 1/125s
ISO感度 ・・・ オート(上限6400)
ホワイトバランス ・・・ 4200~4600K
夜はやはり暗さとの闘いになるため、シャッタースピードを最優先にして絞りはほぼ開放、ISO感度もしっかり上げています。
ボディによりますが、私はどの機体でもISO感度をオートにして上限6400に設定しています。
夜はいろいろな光でホワイトバランスを持っていかれてしまうため、
ケルビン指定でしっかり固定してあげるのがポイントです。
そのほか
状況に応じて即座に変えたい設定はファンクションキーに割り当てて運用します。
・AFモード
基本は多点AFを使いますが、待ち構えて撮る場合は中央1点AF、フレームAF、スポットAFも使用するので呼び出し頻度は高め。
・ドライブモード
あまり連写は使いませんが、どうしようもなく早い自転車や車、走る人を構図に収める場合に使います。
そういったシチュエーションは考える時間もほぼないため、頻度は低いですが優先度は高めです。
・仕上がりモード
モニター、ファインダー内の仕上がりを触る機能を入れています。
モノクロやフィルムのモードに都度切り替えることで撮影中のテンションを維持します。
優先度は中くらい。
・手ぶれ補正
流し撮りや意図したブレやゆらぎを作りたいときにオフにします。
主に夜の撮影で使用します。
できるならF値、シャッタスピード、ISO感度と共にカスタムモードに登録しておきたい。
持ち物
・フィルター類
普段は保護フィルターとブラックミスト(Tiffen1/8、Nisi1/4)、
快晴時はCPL(Nisi)を持ち歩いています。
・クロスとレンズペン
ふとしたことで汚れることがあるのでお守りとして持っています。
2.F値に意味を持たせる
F値も適正露出のためだけに動かすわけではありません。
主題副題を分け、物語を持たせるために大いに活用すべきです。
・すべてが主題のため、絞った上で中央をクロップする
・主題の人は流し撮りでピントを合わせ、副題を開放付近でブラす
・アルミの柱を主題とし、開放にして質感を目立たせる
・主題への視線誘導が強すぎるので開放でやわらげる
3.狙うシチュエーション
私のよく狙うシチュエーションは以下の通りです。
・雨天
雨天は1年のうちで多く見積もっても50日しかないので、
なかなか見ない光景を見ることができます。
・傘
傘が登場すると柄や色で街にアクセントが加わって楽しい写真になります。
・強い影
早朝や日没の角度のある強い影、
真昼の橋やガード下の影が狙いやすいです。
見つけたら少し立ち止まって、
特徴のある通行人を待ってみましょう。
・強い光
影から見た光もまた、強いコントラストを生み出してくれます。
・ノールック
急に現れた、もしくは思っていなかったタイミングで
その瞬間が現れることがあります。
そういった場合はモニターもファインダーも見ずにシャッターを切ります。
撮れていれば勝ちです。
・その日、そこにしかないもの
例えば、再開発で工事中の道路やビル、建替中の家、
ストリートのアーティスト、祭りやイベント等は再現性がなく、
ストリートスナップの価値を高めてくれます。
4.注意点
これはスナップに限りませんが、スナップ撮影の注意点を挙げておきます。
・通行人の顔にピントを合わせない
一番考え方の分かれるところだと思います。
私は、”写真の顔から個人が特定できないように”撮ることを心がけています。
僕がスナップを始めた頃は新型コロナウイルスの全盛期だったため、通行人が全員マスクをしていたのでヨシとしていたのですが、
最近はマスクをされない方の方が多いので難しいところです。
もし写したい、または写ってしまった場合は
本人に直接声をかけて取り扱いについて相談する方がよいでしょう。
・撮影禁止の建物に気をつける
街には所有者により撮影禁止とされている建物があります。
(そういった建物は常に守衛さんが警備にあたっていることが多いです)
敷地内への立ち入りはもちろん、意図せず構図に入ってしまった場合でも
削除を求められることがあるので気をつけましょう。
5.一番大切なこと
ここまで書いてきましたが、
そんなことよりも大切なことがあります。
それは、"カメラを持ってスナップに出ること"です。
これが一番難しい。
気軽に撮れるジャンルだからこそ、
気軽に撮らないという選択肢も取れてしまうのです。
スナップはまず、外へ出ましょう。
さいごに
ここまで、ストリートスナップ撮影時の
思考を整理してきました。
スナップに限らない話もありましたので、
必要な情報だけ取捨選択していただき、
ご自身の感性や信念とミックスして
新しい写真を生みだすきっかけとなれば嬉しいです。