SNSは“熱”を広げるメディア。熱を探すことから始めよう 「#好きだから宣伝したい」Day2開催レポート
私の所属するトライバルメディアハウスでは、合計5日間にわたって、「#好きだから宣伝したい ~インフルエンサーマーケティングを変えよう~」というイベントを行っています。本日が2日目でした。
本日はこちらのプログラムです。運営に携わっている立場として、こちらの速報レポートをまとめました。
“イケてない”インフルエンサーマーケティング
ご自身でも5.7万人(2020年10月15日現在)のフォロワーを抱えるえとみほさん。
DMを開放していた時代は、いわゆる「PR投稿」を依頼されることも多かったそうです。アンチエイジング化粧品の依頼が来たこともあるそうですが、えとみほさんのフォロワーは男性比率のほうが高いとのこと。
そのため、PRの依頼を見て感じたことは「なぜ私?」
理由はおそらく、フォロワー数とえとみほさん個人の属性しか見ていないから。確かに、報酬をもらえることは魅力的かもしれないけど、その投稿をすることで「フォロワーの信用を失ってしまうのではないか」と懸念されたそうです。
InstagramやTwitterを見ていると、「なぜこの人が、この商品のPR投稿をするのか?」と感じることがあると思います。
確かに、インフルエンサーは企業から報酬をもらえますし(それで生計を立てている人もいるので)良いのかもしれませんが、フォロワーはそれを望んでいないし、インフルエンサー自身も知らぬ間にフォロワーからの信用を失っているかもしれない。それって、誰も幸せになっていない。
これは非常に大きな問題ではないでしょうか。
なぜこのような「不健全な状態」になっているのか?
「受注側と発注側の両方に理由がある」とえとみほさん。
受注側は「このインフルエンサーに依頼しても、結果は出ないだろう」と感じることは多いはずです。(もちろん全員がそうではありません)
しかし、受注側も売上や成果が必要だし、リーチ数は理解しやすく、他施策との比較がしやすい数字です。だから、リーチ数だけを成果として発注側に報告するケースがあるのかもしれません。
発注側(特に経営など管理者側)もそれを良しとしてしまう場合も多いです。それは、そもそも「つながりを作る場所」であるはずのSNSのことを理解できていないから。(繰り返しますが、もちろんすべての会社がそうではありません)
こういった構造が災いして、“イケてない”インフルエンサーマーケティングは無くならない。(それどころか、市場は成長している)
また、「ジョブローテーションや単年での評価が求められる組織制度にも要因がある」というのがトライバル代表 池田の言葉。どうしても自身の評価のためには、近視眼的にならざるをえない組織も問題です。
SNSという場所の本質
本日の対談では、特にこのSNSという「場所」の特性に関する言及が印象的でした。それが以下の2点。
①SNSは、清濁併せのむ場所である
いろんな個人が抱える感想・好意・意見・不満など、さまざまな声が溢れているのがSNSという場所です。
SNS上で企業が投稿を続けることで、たしかに炎上することはありますが、えとみほさんは以下のように述べています。
えとみほさんは、Snapmart時代からプロダクトの有り様やストーリーを包み隠さず、そしてごまかさずに発信することを意識されていたそうです。
いち消費者の立場だと「いいことしか書いていないのは、うさんくさいと感じる」。だから、購入するときにSNSを検索する人が増えているのかもしれません。人は買い物のときに失敗したくない生き物なので、良い面と悪い面をしっかり吟味して買いたいのです。
そして、多くの方がTwitterでも反応されていたのがこちら。
②SNSは、熱を広げる場所である
結局のところ、本気の言葉じゃないと、人は動かないということなのかなと思いました。
誰かに言わされていることや、作られたメッセージは響かないし、どれだけ投資をしても得られるリターンは小さい。
これはとても重要な問題提起になったと感じています。「認知はお金で買えるが、愛はお金じゃ買えない」というのは、うちの社長がよく使う言葉です。
“熱”を探すことから始めよう
インフルエンサーマーケティングをはじめようとしている企業へのメッセージとして、えとみほさんは以下のように延べています。(私の実況ツイートで失礼します)
急成長を遂げているワークマンも(最終日に登壇いただきます!)、アンバサダー施策をこの点からスタートしています。
フォロワー数の有無ではなく、ワークマン愛があるか、ワークマンに関する投稿頻度の多さ、そして特定の分野に明るい知識を持っているか。
金銭の授受なしにアンバサダーとの関係を構築していますが、そのアンバサダーが有名になっていく過程を支援していることが書籍で触れられています。
インフルエンサーを金銭で雇うのではなく、“インフルエンサーの候補”を見つけ、ともに取り組みを行っていく。
結果、企業は熱量高めに自ずと宣伝してくれる味方を作ることができ、“インフルエンサーの候補”だった人は「インフルエンサー」になって、たとえばYouTubeの広告収入などを得られるようになる。
そんな状態を作れているのが、現在のワークマンです。
また、社員(栃木SCの場合は選手)が最高のインフルエンサーであるというエピソードへの言及もありました。
ファンは、最後のひと押しをしてくれる
人は、買い物をするときにはあらゆる要素で判断しています。
それが一定の水準を超えると(ハードルを超えると)購入に至ります。
”熱"をもった人は、そのハードルをクリアする手助けをしてくれます。
えとみほさんもエピソードで語られていたのですが、BTS(防弾少年団)の曲について投稿したところ、フォロワーのBTSファンである方からいろいろと教えてもらい、最終的にはファンクラブの加入にまで至ったとのことです。
また、少し敷居の高いサッカー観戦でも、(チケットの買い方がわからない、服装がわからない、マナーがわからないなど)友人がスタジアムに連れてきてくれることの効果を感じているそう。
栃木SCでは「#はじめての栃木SC」というハッシュタグで、スタジアム未観戦者を誘い合う施策が注目を集めました。
「人のオススメ」が、購入に大きな影響を与えることは以前から知られていましたし、インフルエンサーマーケティングの発展もそういったメリットがあると認識されていることも要因だと思います。
自分の好きなものが、相手も好きだと思ってもらえると純粋に嬉しいですよね。その輪みたいなものを広げていくことが、企業がおこなっていくべきマーケティングの1つなのかもしれません。
まずは、「熱」を持った人を探すことから始めてみませんか。
(ツールありますw)
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明日はアダストリアの田中さんと、代表の池田が「社員が最高のインフルエンサーである理由 数千人の社員と作る未来」という内容です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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