本の装丁- その② 表紙について
みなさんこんにちは。
今日も本の装丁についてです。
本のカバーデザインがいかに重要なのかは先週お話しした通りです。
ただ本の装丁はそこだけではありません。
今日は本のカバーを外したらあらわになる本の表紙についてです。
ちなみにみなさんは本のカバーを外して見たことはありますか?
意外と外してみると新たな発見があったりしますので今度ぜひ外してみてください。
表紙にちょっとした工夫、遊び心が潜んでいるんです。それは小説に限らず、漫画のコミックなどでもみられます。
ただ予算などの都合で文庫本ではなかなかお目にかかることはないです。
そしてフランスの書籍に関してはハードカバーがそもそも少ないのでそういった工夫はなかなか見つかりません。本の表紙の工夫は日本の粋なところを体現しているのではないでしょうか。
ついこないだ読み終わった本屋大賞ノミネート作品、伊吹有喜先生の『犬がいた季節』もそのひと工夫がされていました。それは読み終わってめくった時になんともほっこりするものでした。
これだけみてもやはり本を読み終わらないとその良さがわからない。
自分はいい小説を読み終わるとその余韻を浸るんですが、こういった表紙はその余韻をうまくすくいあげて、気持ちを整えてくれると感じています。
あー本当にいい小説だった、ありがとう。と思いながら大切に本棚にしまえる。
あとは読者へのメッセージが込められていたりもする。
昨年の本屋大賞を受賞した凪良ゆう『流浪の月』の次に発表された『わたしの美しい庭』。カバーもタイトルカラーを5種類展開するあたりから力の入れようがわかりますが、カバーを外した表紙も素晴らしい。
表紙と全く同じ絵が塗り絵のような形で印刷されている。
凪良先生の作品は読まれている方は分かるかもしれませんが世の中の”普通”ってなに?人を枠にはめてとらえないでというメッセージが強いです。なので表紙も出版社の人が決めた色にとらわれずに自分らしい、自分なりの色に染めてください。というメッセージ性を自分は勝手に受け取っています。
こういうのがあるから単行本に価値を自分は感じてしまう。
出版社もこの紙媒体の低迷に必死に紙の本に付加価値をつけようと頑張っているんだなーなんて勝手に感心して、応援しています。
本はもちろんその内容で楽しむものですけど、こういった楽しみ方もあるので、ぜひ今度本を買う際には見てみてください✨