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アーティストの作品が街に溶け込む「広島」【アート活用のヒント】

アートが息づく街 「広島」

今回は「広島」でのアートの事例から「アート活用」のヒントを学んでみようと思います。

日本ではまだ「アート=美術館で鑑賞するもの」というイメージが強いかもしれませんが、広島では街中でさまざまなアーティストの作品を見ることができ、アートで道行く人々や観光客にさまざまなメッセージを伝えています。

企業が実現した平和へのアートの取り組み

広島平和記念公園のすぐ横に建つ、2016年にオープンした複合スペース「おりづるタワー」。


おりづるタワーでは、広島にゆかりの深い9人の幅広い世代のアーティストが「広島が原爆投下を受けてから100年後の未来である2045年に向けた願いや希望」をアートで表現したプロジェクト「WALL ART PROJECT“2045 NINE HOPES”」が実施され、現在もアートを見ることができます。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000095901.html


戦後100年の広島に望む未来を表現

タワーの1階から展望台までをつなぐ9層のらせん状のスロープには、「戦後100年の広島にどのような未来を望むのか」をテーマにさまざまな作風のアーティストがそれぞれの手法によって、後世に残したいこと、後世に伝えたいことを ウォールアートで表現しています。

1層目 三浦恒祺氏「光に向かって這っていけ」https://prtimes.jp/story/detail/bvKONeT88OB


戦争や未来、希望について考えるきっかけに

解放感を感じられる特別なエリアに制作された高さ4m、幅24mの迫力あるウォールアートは、タワーを訪れる人々に戦争や未来、希望について考えるきっかけを提供する場となっています。

おりづるタワーは、広島を拠点とする企業、マツダの基幹ディーラーである広島マツダによって運営され「WALL ART PROJECT“2045 NINE HOPES”」は広島マツダが実現した平和へのアートによる取り組みです。

また、「WALL ART PROJECT“2045 NINE HOPES”」は、企業による優れた芸術文化活動を顕彰する公益法人企業メセナ協議会「メセナアワード2023」の優秀賞を受賞しています。


惜しくも撤去される広島拘置所のウォールアート

広島市中区にある広島拘置所の外壁には、広島出身のアーティストである入野忠芳氏が製作した壁画が描かれています。

https://tabetainjya.com/archives/nakaku2/200/

壁画のデザインは、江戸時代の〈広島の情景〉を描いた絵巻「江山一覧図」を原案に、入野氏がアレンジを加えたものになっています。

生命の尊重こそが平和というメッセージ

入野氏は、被爆経験を持つ広島出身のアーティストであり、戦後の広島をテーマにした数々の作品を残しています。

巨大な壁画には、人間だけでなく、動物や植物など、この地に生きるものすべてが描かれ、生命の尊重こそが平和であるという入野氏のメッセージが込められています。

人々が相撲を取る様子や動物たちが生き生きと描かれた姿は、今にも飛び出しそうな躍動感に溢れ、道行く人々の目を楽しませています。

拘置所の老朽化による建て替え・移転工事のために、惜しまれながらも壁画は撤去される予定ですが、今後、歴史的な文化財として壁画はデジタル保存される方針が決まっています。


広島から学ぶ〈見て感じる〉メッセージの力

広島には、広島拘置所の壁画やおりづるタワーのウォールアートなど、アートが息づく風土があります。アートは美術館に飾られるものだけではなく、もっと自由に、生活に溶け込むものであると感じさせてくれます。

見て感じることによる伝わるメッセージ

アートは、ときに言葉よりも雄弁に、ストレートに、見る人へメッセージを伝えます。また、キャンバスよりも大きく、自由さを感じさせるウォールアートは言葉よりも直観的に、大胆に見る人へメッセージを伝えるのです。

アートの持つ力で、企業理念の社内への浸透や、企業としてのメッセージを社内外に伝えたり、商品やサービスのブランディングとして活用することができるでしょう。

今回ご紹介した広島の事例は、改めてアートの活用は様々であると感じさせてくれました。

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