読書感想文:I’m sorry I broke your company 「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」
ざっくりな感想
タイトルは釣り気味に感じるものの、上手いと思った。
色々刺さった言葉があったが、本書を読んで安心感を得たり、気づきを得られることが多かった。
安心感を得たのは、今まで自分が取ってきたビジネス行動が何か理論やメソッドの裏付けがあって行ったものではなく、その時々に考えただけであることに少し引け目を感じてきたからだと思う。悪くいえば行き当たりばったりであり、よくいえばフレキシブル、自分の頭で考えてきた。私の解釈では、この本はそれを肯定してくれた。
もちろん多くの理論、メソッド、考え方、事例の引き出しを持つことはいいことだとは思うので引き続き勉強はしていくが、ビジネスの課題を解決するのに完璧な理論やhow-toは存在しない、ということも肝に銘じたい。現場を見て、人と話して、その時々に最適な決断をする。ビジネスは人であるということに尽きる。ビジネスというのは人がやっているということ。人は機械ではない。
また、”The numbers don’t lie”という説もあるけれど、数字も平気で嘘をつく。それは中国や北朝鮮政府を見れば納得感が強い。結局、現場と人。しかしながら、本書が書かれたのは2013年。今後、人とAIが共存していく世界ではどうなるんだろう。
ビジネスの問題解決だけではなく、マネジメントもそう。「巷のマネジメントメソッドを読んでる暇があったら、メンバーと対話しろ!」は、まさにそうだなと思った。今「急成長を導くマネージャーの型」の実践を目指しているが、マネジメントにもフレームワークがあるとはいえ、あれをまんま実践するのは無理があると思い始めていた。もちろん参照すべきところは取り入れるべきだが、結局柔軟にその場に最も適した方法を探るしかないと思った。
あと、なんでこの人he/hisではなく、she/herで語るのかなと思った。著者が女性だから?これが英語の文化なのか?(GPTくんに聞いたけど、一概には判断できないと彼らしい答え)
おもしろいと思った箇所を5つ抜粋
以下、おもしろいと思った箇所を5つ選抜。
→アイゼンハウワーの話。なるほど。計画そのものが大切なのではなく、プランを練る過程で生まれた情報収集や整理が大事。
→痛快。めちゃくちゃ面白い。計画は計画そのものが大切なのではなく、計画を立案する過程で学ぶことのできることや情報整理したものが資産になるのである。なるほど。
→人口に膾炙した言葉ではあるが、言うは易しなのが、この「現場を見よ」と言うこと。事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きてるんだ。Canonでも現場を見ることはとても奨励されていたし、ユニクロ柳生さんが全国の店長一人一人に会って話をしたとか、OWNDAYSの田中さんも店を見て回っているというし(破天荒フェニックス)、弊社Fusicの納富さんが社員に聞く耳を持つというのにも通じると思う。
著者の実体験で、周囲のネガティブな反応に負けず、クライアントの現場を回って現場の人の声を聞いたら問題が見えてきた、その時クライアントの上層部は忙しすぎて現場を見る時間がなかったというエピソードがあったが、自分もリーダーとして心に留めておきたい。自分が忙しすぎてはいけない。
→なるほど、この視点はなかった。
→これを日本人ではなくアメリカ人が提唱しているのに驚いた。ZOZOの一律同額制度を思い出した(職種、役職で同額らしい)。他に実践している企業がどれだけあるのだろうか。
いや、僕にサポートだなんて...僕にお金渡されても楽器に使ってしまうので、、、あなたのお金はあなたのために使ってくださいw