命がけ!っぽい中国留学👉決断
学生の頃、中国の北京へ留学に行ったのですが、当時は軽く物騒な時で、しかも、日本人にとってはあまり内情がよくわからない国だったので、
「台湾海峡で軍事演習やってるけど大丈夫?」
「もし鄧小平が亡くなったら大丈夫?帰ってこれる?」
「本場の麻婆豆腐辛いって聞いたけど大丈夫?」…これは関係ないか(笑)
等々言われていましたが、留学前に二週間ほど中国には滞在したことがあったので、行先は異なるのですが、
「まあ、中国はどこ行ってもだいたいあんな感じやろ~。道端で売ってた、水槽に漬かってて、皮向いて串に刺したパイナップル食べても大丈夫やったし。」
と、無知ゆえの幸福とはまさしくこの事で、かの有名な天安門事件についても良く理解しておらず、中国の政治的なことは
「なんかよ~わからんけど、向こう行ったら外国人やし、大丈夫やろ~。」
の程度にしか考えていませんでした。(シアワセ♡)
で、出発の当日。学生でお金がそれほどなかったので、飛行機は夜に到着する東方航空の一年オープン。
と、ここまで書いて思い出したのですが、
中国から日本に帰る数日前は、今では立派な死語となったリコンファームを毎日していました。席がちゃんと取れているか心配で、心配で…(笑)
で、飛行機に乗って、とりあえず無事北京空港に到着し、空港の出口に向かって行ったところ、オリンピックの金メダリストが帰国した時並みの出迎えを受け、しかも親切にスーツケースを運ぼうとしてくれる人までいました。
…だったらよかったのですが、迎えてくれたのは全員全く知らない白タクの運転手。スーツケースを運んでくれたのは、私と言う客を、他の運転手に取られないようにするためです。
さすがにスーツケースは途中から取り返しましたが。
余談ですが、空港や駅で出くわす白タクの運転手って、揃いも揃ってみんな派手な柄模様のポロシャツに、下はテカテカかドロドロのスラックスと、皺くちゃの革靴(時々草履の人もいます)で、腰に鍵を5個から10個くらいぶら下げていて、その恰好がどう見ても胡散臭く見えるんですが、当時一番中国で「ハイカラでナウくて、イケてる」スタイルだったんでしょうね。
で、拉致されそうなスーツケースを追っかけているときも、山盛りの運転手に囲まれて、それぞれが「俺の車に乗れ!」と喚いてきます。その軽くカオス的な状況で、「どんな方法を選んで学校に行くか」という、人生ゲームとはほんの少しわけが違う決断に迫られました。
まず、目的地である学校の名前と、だいたいの住所は言えた(練習しました!)のですが、北京空港に公共の交通機関があるのかどうか知りませんでしたし、仮にあっても、乗り方や行先、駅名が分かりません。全く土地勘がなく、今のようにスマホもWifiもなく、頼りになるのは一冊の「成功する留学」のみ。
そうすると、交通手段はタクシーしか有りません。が、どこに行けば正規のタクシーに乗れるかもわかりません。
そうなると、消去法で、この「胡散臭いおっちゃん達」の中から、無事学校まで送ってくれそうな「一番うさん臭くないおっちゃん」を選ばなければなりません。
う~ん、究極の選択!
誰を選んでもヤバそう…なのですが、一人選ばないことには、学校までたどり着けません。しかも夜で、外は真っ暗でしたので、唯一頼れる頼りない感覚で、価格を450元(!)と提示したおっちゃんが、なんとなく人が好さそうで、フレンドリーでしたので、
(白タクの運転手は、私のようなカモに対してはみんなフレンドリーです)
その運転手を選び、車に乗りました。
で、運転手に行先を伝えると、「分かってる」と一言。
因みに、学校まで道を知っている運転手であれば、約1時間で着くというのが後から分かったのですが、その時は知る由もないですし、どこをどう走っているかすらも分かりませんので、心配しても仕方がないのですが、心配で仕方がありませんでした。
窓から眺めていた、道路の両脇の安っぽいオレンジ色の街灯にうっすらと照らされた薄暗い、何もかもがボヤッとしか見えない外の暗い景色が、より一層私を不安にさせていたところ、運転手がおもむろに車を止めて「降りろ」と一言。
「ああ、着いたのか」
と思って車を降り、あたりを見回すと、学校らしき建物はなく、幹線道路(高速道路)の降り口のような、スロープが目に入りました。降りた所は、片側二車線位ある道路だったと記憶していますが、夜でしたので、数分に一度車が通るだけで、歩行者も通りませんでした。
学校がないところで降ろされた…
…まさか!
ひょっとして、ここで…!
そろそろおなかが減ってきたので、続きは明日にします♡
※ この話はノンフィクションです。
【お礼】
私が記事を書き続けられるのも、今こうして貴重なお時間を割かれてこの 記事を読んで下さっているあなたのお陰です。本当に有難う御座います!
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その1 決断
その2 命のやりとり
その3 暗黒の徘徊
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