M料理長の『ケトジェニックダイエット』について
かき家こだはるのご紹介から今回も少し離れます、、、。
興味のある人ない人様々だと思いますが、『ダイエット』についてです。
『ダイエット』といってもジョギングや水泳などの“運動型”や、炭水化物抜きや16時間断食などの“食事制限型”といった様々なものがあります。どれも科学的な根拠を元に行われる方法なので、その人その人の合ったものを実施するのが長続きするのではないかと思います。個人的に最近行っているのは『階段の往復』と『16時間断食』ですが、店舗休業中で時間をコントロールしやすい現状だからこそ出来ている面もあるので、平常運転に戻った時に継続できるかはちょっと不明です・・・。
とりあえず個人的なダイエットの話は置いといて、今回ご紹介するのはこだはる霞関店のM料理長が推奨する『ケトジェニックダイエット』です。元々が筋肉質豊かなマッチョな人なんですが(私自身は真逆な脂肪タップリ型です)、『ケト』を実施してより体が引き締まって、しかもなぜか髪の毛を金髪にして(私は髪の毛が薄いので3mmの坊主頭です)日に日にかなり厳つくなってしまっています。そんなM料理長の体験談も交えて書かせて頂きます。
ダイエットと三大栄養素
私たちの健康を維持するために必要不可欠な食事から摂取する栄養素には、タンパク質(P)、脂質(F)、糖質(C)という三大栄養素があります。ダイエットには摂取カロリーを減らすことを一番に考えがちですが、カロリーだけでなくこの栄養バランスを気にすることも大切です。
ご存じの方もいると思いますが、具体的な食材でいうと、タンパク質は肉や魚、卵・豆類など、脂質は油やバター・マヨネーズやチーズ・ナッツ類などで、糖質はごはん・パン・麺といった炭水化物がそれに該当します。
ケトジェニックはこの三大栄養素の一つ脂質(F)を多く摂取し、なおかつPFCバランスを意識しながら、食べるものを決めていきます。そのバランスとは食事によるPFCそれぞれ摂取カロリー量が、総摂取カロリー量の何%に当たるかを示します。スタンダードなケトジェニックのPFCバランスとして推奨されているのが、タンパク質(P)=20%、脂質(F)=75%、糖質(C)=5%と言われています。
本題です!『ケトジェニック』とは
ケトジェニックダイエットとは、一言で言えば『低糖質ダイエット』と呼ばれる糖質を抑えて脂質を大量に摂取するダイエットです。メカニズムとしては従来身体を動かしていたエネルギー源である糖質を極限まで減らし、脂質を多く摂取して脂肪をエネルギーとして体を動かそうとするという方法です。このような糖質が足りない体内はどういう状態になるかというと、エネルギーを補うために脂肪を分解して、肝臓で作られた「ケトン体」という物質を利用して体を動かすようになります。この状態を“ケトーシス”と呼び、糖質が体に摂取されるまで脂肪をエネルギーとして体を動かします。一見すごくストイックそうですが、肉や魚も食べられてバターやマヨネーズも大量に摂取して良いとなると、個人的にはけっこう楽しめるのではないかと感じましたが、料理長と話しているとそうそう楽しめなさそうな雰囲気でもなく、、、つまり、1度でも糖質を摂取しすぎると、ケトーシスではなくなり、その時点で脱落となります。
これに対としてあるのが“ローファットダイエット”です。こちらは『低脂質ダイエット』と呼ばれ、主に脂質を抑えて糖質で成分を調整するダイエット方法です。どちらのダイエット方法もある意味偏った食事制限をするので、かなりの意識が必要かと思われ、健康面でもかなり繊細に取り組まなければいけない方法かと思われます。
PFCバランスとカロリー計算
ケトジェニックダイエットであっても必要なカロリーはしっかりと摂取しなければなりません。ダイエットにおいても体重を落としたいのか、除脂肪をしたいのかと目的はいろいろだと思います。基本的には1kgの除脂肪をするには約7,200kcalの消費が必要で、摂取カロリーと消費カロリーの差を作り、毎日それをコツコツとその差を増やしていくのは、ケトジェニックでもローファットでも同じように考えます。
では『どのような食事方法になるか』少し科学的で難しい話になりますが、PFCバランスとカロリーのお話をさせて頂きます。まずPFCそれぞれに1g辺りに含まれるカロリー量は以下のようになっています。
PFCそれぞれ1g辺りに含まれるカロリー量
・P(タンパク質) 1g = 4kcal
・F(脂質) 1g = 9kcal
・c(糖質) 1g = 4kcal
そして一日に必要なエネルギー(カロリー)量はそれぞれ以下の様になっています。
☆一日に必要なエネルギー量☆
活動量の少ない成人女性・・・1,400~2,000kcal
活動量がふつう以上の成人女性・・・2,200kcal±200kcal
活動量の少ない成人男性・・・2,200±200kcal
活動量がふつう以上の成人男性・・・2,400~3,000kcal
※活動量の参考※
ふつう・・・座り仕事が中心で、軽い運動や散歩などをする人
低い・・・一日中座っていることが多い人
仮に運動量の少ない成人男性が1日に必要なエネルギー2,200kcalの場合で、PFCバランスをタンパク質(P)=20%、脂質(F)=75%、糖質(C)=5%として計算をしてみます。
☆P(たんぱく質)の計算
2,200(kcal)×20%=440(kcal)
⇒1日の摂取カロリーのうち、440kcalをたんぱく質で摂ります。
グラムに換算すると、440(kcal)÷4(g)=110g
☆F(脂質)の計算
2,200(kcal)×75%=1,650(kcal)
⇒一日の摂取カロリーのうち、1,650kcalを脂質で摂ります。
グラムに換算すると、1,650(kcal)÷9(g)=183.3g
☆C(炭水化物)の計算
2,200(kcal)×5%=110(kcal)
⇒一日の摂取カロリーのうち、110kcalを炭水化物で摂ります。
グラムに換算すると、110(kcal)÷4(g)=27.5g
上記の計算から、1日に必要な摂取カロリーが2,200kcalの場合のPFCバランスは以下の通りです。
・P(タンパク質) 110g
・F(脂質) 183.3g
・c(糖質) 27.5g
この計算も慣れてくると分かりやすくなるのでしょうが、毎回の食事でこの計算をすると思うと、それだけでカロリーを消費した気分になります。私自身はまだ行っていませんが、M料理長は2,400kcalからスタートし落ちにくなってきた所で2,200kcalに設定を変更し、その様子を霞が関店のインスタにアップし続けてました。(休業中ではあるけれども『お店とは全然関係ない(笑)』と周囲からツッコまれてました)
M料理長のケトジェニック体験記
M料理長はケトジェニックを始める2ヶ月前からローファットダイエットをしていましたが、体重は停滞したのでそれを打破するために1ヶ月半と期間を決めて、4月中旬からケトジェニックを開始しました。開始3日でまず3キロ落ちたそうですが、これはケトに起因するのではなく、その前に行ってたローファットにおける炭水化物と水分が関係しているようで、諸々科学的な根拠があるそうなんですが、ここでは割愛させて頂きます。そこから緩やかに1週間かけて1キロ戻り、その後期間の1ヶ月半の間PFCのマクロは守りつつ工夫して様々なケトジェニック料理に挑戦!
具体的な料理内容は“おからパウダーで作ったパンの玉子サンド”、“糖質ゼロ麺パスタ・ラーメン・チャーハン”、“糖質0の砂糖ラカントを使ったチーズケーキ・ブリュレ”、あとは基本的には普段食べない脂多めの肉や魚を焼いたり、ローストしたりハンバーグにしたりしてストレスなく楽しんでいました。
期間終了後の正直な結果としては、最初の1週間でマイナス2キロでそのまま2キロ減で終了。ただ客観的な見た目としては更に引き締まった印象でした。M料理長曰はく『減量停滞からのスタートにしては順調で、これがもう少し脂肪が多い状態からのスタートだったらもっと落ち幅は大きかった』とのことです。また体重の変動こそ2キロ減でしたが、体脂肪はスタートから1ヶ月半で徐々に落ちていき、終了時では2%減。筋肉トレーニングを行いながらダイエットをしていたので、体重が変わらず体脂肪は落ちてるのであれば、筋肉は減らさず脂肪だけ落ちていったと考えられるので、結果としては大満足とのことでした。まさに“Mr.ストイック”!体感としてはローファットより落ちるスピードが早く、お腹も減らず、脂肪だけ燃えていく感覚だったとのことです。
M料理長からのケトジェニック注意点
ここからはケトジェニック体験者のM料理長からの注意点です。
注意点➀規定の脂質量をしっかりと摂取
ケトジェニックの辛いところは、たくさんの脂質を摂取しないといけないことで、食材から多くを摂取するのはかなり困難だそうです。そのため、ケトジェニックを行うときは、MCTオイルの摂取が必ず必要で、ココナッツやパームに含まれる中鎖脂肪酸のMCTオイルを摂取することで、体内のケトン体を増やし効率的にケトーシスになれます。またMCTオイルは熱に非常に弱いので、加熱は絶対にしないでください!煙が出たり、泡だったりと危険です。1日30g摂取すると効果的と言われており、ドレッシングの代わりやコーヒーに加えるのをお勧めします。最初から規定量を摂取するとお腹を壊すので、徐々に量を増やして下さい。
注意点②野菜の糖質量の確認
野菜は糖質量が含まれているものが多いため、かなり制限されます。糖質制限中でも食べても大丈夫な野菜もあるので、食べる前に必ず糖質量を確認が必要です。
【おすすめの野菜】
• ブロッコリー
• アボカド
• オクラ
• きのこ類
【NGの野菜】
• トマト
• 玉ねぎ
• 人参
• 根菜類全般
などなど
アボカドは、森のバターと言われるほど良質な油なので積極的に摂取が良く、糖質制限中は便秘になりやすいので、食物繊維が豊富なきのこ類やブロッコリーなどからしっかりと摂取が望ましいです。
注意点③調味料の糖質量の確認
ケトーシスに入ったあとなら多少は問題ありませんが、ケトジェニック導入期においては、調味料に含まれる糖質管理も必要になってきます。
【糖質の高い調味料】
• ソース
• 醤油
• 酒
• みりん
• ケチャップ
• ノンオイルドレッシング
• カロリーハーフやカットのマヨネーズ
注意点④ケトジェニックは、必ず期間を決めて実施
ケトジェニックも厳しい糖質制限も一生続けるダイエット方法ではありません。糖質は大切な栄養素の1つであり体には絶対に必要なものです。全てカットしようとはしないで下さい。糖質は摂取し過ぎなければ、エネルギーとしてとても重要な役割を果たしてくれています。目標を達成したら徐々に糖質量を増やしてく形で進めて下さい。
今回はM料理長のケトジェニックダイエットについてご紹介させて頂きました。むやみやたらな食事制限ではなく、この様な科学的根拠に基づいたダイエットが必要であると再認識致しました。個人的にはチャレンジしてみたいけど、PFCバランスの計算やカロリー計算といった流れや、外食が難しく自炊が中心の印象なので、当面は『階段の往復』と『16時間断食』を進めていこうかと思っています。いつかその報告もこのnoteで出来るように結果をだせればといった感じです。
ちなみに『牡蠣』のPFCバランスとカロリーですが、剥き身の牡蠣1個約20gのカロリーは12kcalで、タンパク質が多く1.32g・糖質が0.94g・脂質が0.28gとなっております。栄養価が高く低カロリーで糖質も0.94gなので、糖質制限ダイエット中でも問題なく食べられる糖質量と言えます。そしてM料理長のおすすめケトジェニック牡蠣料理は“牡蠣のマヨネーズ焼き”、“牡蠣ときのこのアヒージョ”、“牡蠣のバター醤油焼き”だそうです。通常のレシピから少しアレンジが必要ですが、機会があればレシピも公開させて頂きます。
【かき家こだはる霞が関店インスタ】
https://www.instagram.com/kakiyakodaharu_kasumigaseki
M料理長の『ケトジェニックダイエット体験記』も読めます。