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【読書】真景累ヶ淵(ストーリーで楽しむ日本の古典)

2023年1月12日読了。
岩崎書店の「ストーリーで楽しむ日本の古典」シリーズ、今回は『真景累ヶ渕(しんけいかさねがふち)』です。
原作は、明治時代の落語家の三遊亭円朝が創作した落語(怪談)です。今回、金原瑞人さんが、高校生3人の会話を織り交ぜながら、学生向けの本にアレンジしています。
怖かったです。面白かったです。
現在、早朝ですが、未明から一人で読み進め、読了しました。

■あらすじ
・あとがきより抜粋して、あらすじを簡単に述べると次のとおり。(P190)
「どうしようもない飲んだくれの貧乏旗本、深見新左衛門が酔いと怒りにまかせて、盲目の鍼医で金貸しの宗悦を切り殺すところから話が始まります。やがて、新左衛門はその報いを受けるものの、この因縁は新左衛門の息子(新五郎と新吉)と宗悦の娘(豊志賀とお園)にまでおよび、次々にまわりの人を巻きこみ、思いもよらぬ方向へ物語が進んでいきます。」
「新左衛門と宗悦の悪縁が織りなす、色と恋と悪縁につかれた人間の悲劇と喜劇、(以下省略)」

■心にとまった文章
・新五郎は読み書きもできれば、そろばんもできるうえに、性格もおだやかで客扱いもうまく、なにより毎日、こつこつとよく働いた。惣兵衛も大いに気に入り、新五郎、新五郎、とかわいがった。(P28)
→こういう人を、人柄の良い人というのだろうなぁ、と思いました。(自分への反省も込めて)

・「酔ったところが、また、いいねえ」(P130)
→男女の小気味よい会話です。

・「ああ、そんな顔でもだ。どうせ、次に会うのは地獄だろう。地獄でも、その顔で待っててくれ。頬ずりして、かわいがってやる」(P182)
→原作にはない、金原さんオリジナルの台詞だそうです。

・Frailty, thy name is woman. 『弱き者、なんじの名は女』
・Beauty is only skin deep. 『見目より心』
・And Then There Were None. 『そして誰もいなくなった』

■作品についての補足
・『真景累ヶ渕』は全97話。本書は、最後は駆け足の部分もありましたが、全体が分かるストーリーでした。
・あとがきによると、三遊亭円朝の作品で、有名な作品(落語)として、『死神』『文七元結(もっとい)』などがあるそうです。しかし、最も有名なのは怪談で、『牡丹燈籠』『真景累ヶ渕』『怪談乳房榎』は落語として演じられるだけでなく、歌舞伎でもたまに上演されるそうです。(P190)
・『怪談』という映画があり、『真景累ヶ渕』が原作だそうです。主演は五代目尾上菊之助が新吉を演じているようです。(P118)私も、ナイス・キャスティングのように思いました。

以上です。




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