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RICOH FLEXと夫



昨年の末、夫がとあるカメラと邂逅した。
詳細はこちらの記事に記載しているので、併せて読んでいただきたい。

この時に手に入れたカメラで撮影されたフィルムが無事現像を終えた。

結論から話すと、やはりジャンクカメラなので、巻き上げ不良は起こすし、カビルンルンかバルサム切れかなんかで写りはもやもやだしで、これからもちゃんと使っていきたいならオーバーホール必須であった。

しかしながら、この靄がかった写りが、忘れかけていた記憶の断片をほじくり返した時のような気持ちにさせて、個人的にかなり好きな写りだったので、夫から承諾を得て、記事にさせていただいた次第だ。

RICOH FLEXと夫
撮影機材:Canon T50

今回夫がお迎えしたカメラはRICOH FLEXという二眼レフだ。
RICOH FLEXは時代によって様々な機種が発売されていたよう。
恥ずかしい話だが、この記事を作成するにあたり、このカメラのことを調べてみて初めて知った。カメラオタクとは言えども、まだまだ知らないことばかりである。

その中でも(おそらく)リコーフレックス ニューダイヤという1956年製のカメラをお迎えした。セイコーやシチズンのシャッターを採用して、シャッタースピードの変化範囲を大きくしたため、55年に発売されたリコーフレックスダイヤよりも割高となっている。

ファインダー越しの景色@夫撮影
撮影機材:Canon EOS RP

にしても、1956年ってすごいな。戦後から10年程しか経っていない。歴史の授業では高度経済成長期に入ったばかりで、冷蔵庫・洗濯機・掃除機の家電3品目が『三種の神器』として喧伝された(後に掃除機に代わり白黒テレビとなる)辺りに発売されたカメラということになる。発売から2年後の1958年に筆者の父が誕生しているので、もはやお父さんカメラである。


1月1日(水)

大晦日と元旦は互いにそれぞれの実家に帰省した。

筆者が地元の友人と寝正月している傍ら、夫はお義母さんと成田ゆめ牧場までドライブしたらしい。元旦から元気でなによりだ。

筆者のお気に入り写真。
この靄がかった光と牛さんの圧倒的存在感のコントラストがよい。

遠くはくっきり写るね。

神々しいお義母さん。

1月2日(木)

日付が変わって今度は一緒に出かけた日の西武線。

町田の商店街で撮ってくれました。
被写体(筆者)に全くピントが合っていないのが、かつての記憶が断片的に剥がれ落ちている感じが好きだ。

かつて仲良かった友人や付き合っていた恋人、随分と会ってない人たちとの記憶ってこんな感じにピンぼけしていくよなって。
一緒にいた時はいいことも悪い事も経験したきたはずだ。Either good or badである。なのに、別れてからはいいことばかり思い出して、悪かった記憶からピンぼけしていくような気がする。思い出補正というものだろうか。
過去というよりかは、思い出に未練タラタラなタイプなんだと思う。夫にはイヤな顔されるけど、思い出が糧となっているから今を生きられるのだ。仕方がない。

1月3日(金)

またまた日付が変わって、新年会ドライブの日。今回はGreat Wallという中華製のブローニーカメラを持ってきていた。彼はいつも違うカメラを持ってきて面白い。人のことは言えないが、一体、何台持っているのだろうか。

橋を渡って海岸へ。

夕日と海のコラボレーション。新年早々いいものが見れました。良い一年になりそうだ。

このくもりのおかげで、却って幻想的な写真になっている気がする。
1956年製ということで、まるでお父さんカメラであると前述したが、老眼が進んだ父が見ている世界も、もしかしたらこんな感じにぼんやりしているのかもしれない。

1月5日(日)

ラストは大洗へ初詣に行った日の写真を。
夫婦揃って大吉を引いたのでとても嬉しい。

ラストフォトは筆者と友人たち。
やはりくもっているため不鮮明だが、こんな写真も悪くない。
夫には、これからもリコーフレックスで、日常を切り取って欲しいと思っている。



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