NISAでつみたてている投信は、家計簿では何費ですか?
2024年1月からNISA制度が拡充されたこともあり、クラウド家計簿kakei+を利用するユーザーからの投資に関する質問が増えています。
特に多いのは、タイトルのような、投資信託のつみたての記帳方法です。
NISA制度を利用した投資信託のつみたてとは?
NISAは、投資信託や株式などの売却益、配当、分配金が非課税になる制度です。2023年以前の「つみたてNISA」は非課税枠が年間40万円まででしたが、2024年1月にスタートした新NISAでは「つみたて投資枠」と名称が変わり、非課税枠は年間120万円までと拡大しています。「つみたて投資」ができるのは、金融庁の基準を満たした投資信託に限られます。
投資信託のつみたては支出?
投資信託のつみたてとは、投資信託を定期的に買うことを言います。収入は家計に入ってくるお金、支出は家計から出ていくお金とすると、投資信託を買っても家計からお金は出ていっていないので、支出ではありません。
婦人之友社の家計簿では、これを口座間のお金の動きとして、収入でも支出でもない「預貯金及び保険」欄に記帳します。財形や定期預金への預け入れ(払い戻し)、貯蓄性のある保険(学資保険、個人年金保険)も、この欄に記帳します。kakei+では、費目:投資を使って記帳します。
支出でも収入でもないお金の動き
操作手順を見ながら、説明します。
kakei+の記帳画面は、記帳(支出)、記帳(収入)、記帳(口座)の3つにわかれています。投資信託のつみたてを記帳するには、口座間のお金の動きを記帳する記帳(口座)を選択します。
次に、費目欄を押して、プルダウンから投資を選びます。
費目の次に、項目のプルダウンから「投資信託」を選びます。
あとは、金額、出金元と入金先の口座、日付を入力して、記帳するボタンを押せば、記帳完了です(*)。
*出金元や入金先になる「口座」はあらかじめ作成しておきます。
投資も予算化して計画的に
記帳したら、集計画面を見てみましょう。予算に対して、実際の金額と差し引きが見られます。月集計のほか、年集計、収支年計(月別の集計)で予算対比が見られます。支出でもなく、収入でもない、口座の動きを費目にわけて予算化できるのは、クラウド家計簿kakei+の特長のひとつです!
評価額の変動は記帳する?
投資信託は購入後に評価額が変動していきます。
評価額は証券会社のサイトやアプリで確認するようにして、評価額が変動しても家計簿には記帳しません。投資信託を売却した時にはじめて損益が確定します。売却した時は、費目:投資での「払戻し」にあたり、購入時の金額にマイナスをつけて記帳し、損益の金額を収入として記帳します(*)。
*利益がでた場合は収入でプラス記帳、損がでた場合は収入でマイナス記帳
資産運用を家計簿に記帳するべき?
さいごに、資産運用と家計簿について大切なことを書きます。
「投信は家計簿では何費ですか?」という質問があれば、上記のような回答になります。ただ、「株や投資信託の売買を家計簿に記帳するべきですか?」という質問であれば、「かならずしも家計簿に記帳する必要はありません」と答えます。
なぜなら、家計簿は、家計を健全に運営するためのもので、収入と日々の支出を記帳すること、予算と照らし合わせて翌日、翌月のお金の使い方の方針を見定めることが大切で、資産運用の損益管理とは別物だからです。
そもそも、投資スタイルは人それぞれです。積極的に売買をして生計を立てている場合は、自営業の方のように月ごとの収益の一部を家計簿に「収入」として記帳するのも一つの方法ですし、給与で生計を維持している人が貯蓄の一部をつみたてるような長期投資スタイルの場合は、損益の記帳は家計簿から切り離しておき、家計簿には配当・分配金だけを記帳する方法もあるでしょう。
NISAの拡充で投資を始める人が増えていますが、家計簿で日々の暮らしの家計管理を大切にしながら、投資も「予算」の範囲内で行っていきましょう。