採石場の拡大にNO!イスラエルの環境&人権アクティビストたち
世界で2番目に大きなセメント会社が、占領下のパレスチナで行おうとしている採石場のさらなる拡大。現場に入ることが出来ないパレスチナの活動家の代わりに、イスラエルのアクティビスト達が駆け付け、座り込みをし、逮捕されるという事件が、11月22日に起きていました。
マニアック度☆☆☆☆☆
※カバー写真はフリー素材で現地のものではありません。
※そのほかの写真はGoogle Mapを使用しています。
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元記事はこちら、
「8人の環境活動家が逮捕:西岸地区(パレスチナ)の工業地帯新設に抗議して」
出版元の+972 Magazineは独立系メディアで、イスラエルとパレスチナのジャーナリストが所属しており、イスラエルの占領政策には反対の立場を表明しています。文脈を切り取り現象だけを押さえたような報道に疑問を呈し、現場の声、特にアクティビストや占領の影響を顕著に受けている人たちへの取材を大事にしています。出資元もつまびやかに公開されています。
11月22日、One Climateという環境団体に所属するアクティビスト達が工事現場の道をふさぐように人の盾を作り、3時間にわたって工事車両の行き来を留めました(これを見て私は沖縄の辺野古を思い起こしました)。呼ばれてきた警察によって彼らは逮捕された、という顛末です。
場所はパレスチナ西岸地区(google map上では"ヨルダン川西岸")の中央部、
☆をつけているスポットです。点線はグリーンラインといって、国際法上はここがパレスチナ自治区とイスラエルを分けるラインとなっています。なので、またがった地域で起こった抗議行動だったんですね。
さらに近づいた地図。記事によれば、今回の採石場増設では、この3つのイスラエル人の町(☆と☆と🏁)をグリーンラインを跨いで繋げたい、という思惑もあるそう。肝心の採石場はというと、おそらく・・・
☆マークの町の中間にあるこの謎の窪みではないだろうか。なぜなら、
寄ってみるとすごく人工的な空気がするから。限りなくここだとは思いますが、調べてもぴったりの語彙では検索に引っかからなかったので、あくまでもここかな、という推測の域に留まります。というか、なんで載ってないの??
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ここが問題視されるのは、他にもこの地域一帯が野生動物ー鹿・ハイエナ・ジャッカル・イノシシらーの住処になっているからだそうです。
また、この採石場の土地は80年代に軍がパレスチナの村の所有地を没収したものだそうで、アクティビストの一人はこう話していますー
"We are here to demand climate justice for all who live in this land, humans and animals, Palestinians and Israelis, women and men, from every group, from every identity."
(=私たちは、ここに生きるすべてのものー人も動物も、パレスチナ人もイスラエル人も、女も男も、あらゆる集団、あらゆるアイデンティティを持つ人達ーの気候正義を求めるために、ここにいます)
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今回この記事を取り上げたいと思ったのは、私の中でも気候の話と人権の話は結びついたものだからです。問題はそんなに善悪二元論的ではなくて、そこに様々な立場の人の思惑が絡み合うわけですが、それでもやはり俯瞰して眺めてみると、占領も自然破壊も、世界全体のシステムから起因しているように思えます。
でも、それと同時に、アクティビストの方々が、こうして(今回はパレスチナ側は物理的に来られなかったけれど)双方からやって来て同じ哲学を共有しより良い世界を目指すって、希望だなぁと思わずにはいられません。
この時代の価値観や美意識や、そこから生まれる思いは、国境を越えて共有されていると私は日々実感しながらパレスチナの人と仕事をしています。
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架け箸はこれからも継続的にパレスチナを訪れ、日本に出回らない生の情報を発信したいと思っています。いただいたサポートは渡航費用や現地経費に当てさせていただきます。