イタリアで一般的なトマトについて
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8月は丸々このブログの夏休みをいただいてしまいました。夏休みからは20日に戻ったのですが、その後猛暑が続きとてもお料理云々という心境になれませんでした。復帰します!
9月最初のレシピは料理嫌いの友人が作ってくれた美味しいトマトのリゾットを掲載する予定でしたが、その前に、トマトの話をしておいたほうが良いと、イタリアで一般的なトマトについてレシピとは別に記載することにします。
なぜ日本で入手できないかもしれないトマトについて書くのかというと。今後のトマト料理で「このタイプのトマトを使いました。日本で作る場合は似た物を選んでください。」という意味で書きます。
トマトはイタリアを象徴する食材。原産は南米と言われていますが、南米料理がスパイスを多用するのに比べ、イタリア料理では「トマトそのものの味」で勝負するので、どんな料理に使うにもトマトの質はとても重要です。
イタリア国旗 🇮🇹 の赤、白、緑の意味はトマト、スパゲッティ、バジリコ(バジル)とふざけて言われるほどです。本当の意味は一般的に赤は「愛国者の血・熱血」白は「雪・正義・平和」、緑は「国土」なのですが。
トマトはピザにもパスタにも多用されイタリア料理には欠かせない材料。色々な種類がありますが、何よりもハウス栽培でなく、雨の少ない南イタリアで日光をふんだんに浴びて栽培されたトマトは「味が濃い」これが何のお料理に使うにしても決め手になります。
「味が濃い」野菜というのは単に美味しいというだけでなく栄養価も高いそうなので、味が濃い野菜を選ぶのは健康にも良いということになります。
ここでは現在イタリアのマルシェで簡単に入手可能なトマトを紹介しますが、他にもたくさん種類はあります。
・ダテリーノ
「味が濃い」トマトのトップ。プチトマトの一種ですが長さ3-4cmのものが多くかなり小粒です。
20年くらい前までは南イタリアの家庭菜園で個人用に栽培されていた程度と言われていますが、味が濃く甘味も多いこの小粒のトマトは今では1、2の人気を争う品種になっています。
ダテリーノという名前は「小さなデーツ」その楕円形状と味の濃厚さでそう呼ばれています。特に近年シェアが増えたように見えます。主に生食に使用。
黄色いダテリーノも存在します。
・チリエジーノ
プチトマトの一種で「味が濃い」トマトの2位でしょうか。
チリエジーノという名前は「小さなさくらんぼ」という意味ですが、形状が丸くさくらんぼに似ていることから一般的そう呼ばれています。
実際のサイズはさくらんぼと同じかやや大きめのことが一般的。
主に生食に使用しますが、ホールトマトなどもの缶詰なども出回っています。
・ピカデリー
ダテリーノを蓋まわり大きくした様な楕円形のピカデリー。主にはスーゴといって色々な料理のもとになるトマトソースに使います。
ピカデリーの形状はダテリーノと似ていてアップの写真だと大きさがわからないので比較写真。
ちなみに写真の八百屋さんの値段は1kgのユーロの価格ですが、
平均よりかなり高めです。
・クレスピーノ プラム F1
クレスピーノ プラム F1という妙な名前のついた新種です。
ダテリーノに形状、大きさがよく似た比較的珍しいプチトマトの一種で写真が撮れたの掲載しておきます。
抗酸化作用抜群だそうです。まあ一般的にトマトは抗酸化作用がありますが。
・ペリーニとサンマルツィアーノ
上記の3種のトマトは今主流ですが、実はこの15年位で人気を獲得した品種で30年間にはダテリーノもピカデリーありませんでした。
昔からある最もイタリアらしいトマトはペリーニとサンマルツィアーノ。二種非常に似たトマトですがペリーニとサンマルツィアーノはDOP ( denominazione di origine produttiva)つまり保護指定原産地表示あるいは原産地名称保護) なので生産されているエリアがカンパニア州(ナポリのある南イタリアの州)のアグロ ノチェリーノ サルネーゼとサルノ峡谷で生産されるトマトのみサンマルツィアーノと呼べる、と生産地が限られています。
つまりサンマルツィアーノであれば必ずその産地のみのもの、ペリーニは同じ品種であれば輸入もあり、ということになります。
サンマルツィアーノやペリーニでも質の良いものは生食もされますが、主にはスーゴといって色々な料理のもとになるトマトスープに使います。
スーパーマーケットなどで缶詰で売られているホールトマトや、瓶詰め売られているトマトピューレの大半はペリーニで作られています。
・ラマート
「枝付き」という意味のこの名前のトマト、質の良いものは生食もされますが、主にはスーゴといって色々な料理のもとになるトマトスープに使いますが、そのほかに中身をくり抜き詰め物をしてオーブン焼きにする料理などにも使えて便利です。
・コーレ ディ ブエ
「牛の心臓」という名のついたという意味のこのトマト主には生食用。
メリンダという緑色の強い品種をマルシェで見つけたので写真を追加します。