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パルマでのオペラ鑑賞とイチジクとチーズの馬刺しロール

簡単料理レシピが続きます。先日パルマで食べたサンドイッチをヒントにした自己開発前菜レシピです。火も使わずに5分で出来ますが、結構洗練された味になり、ワインのお供に良さそうでなかなか満足です。

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この日曜オーケストラの指揮者をしている友人から彼が指揮するオペラ「マクベス」に招待されパルマまで行ってきた。

パルマはミラノからだと高速鉄道で1時間程度だし本数も多いので交通にはあまり心配していなかった。が、3日前になって土曜夜9時から24時間の鉄道ストライキだという。

どうしよう。絶対行きたいのに、車ももう10年以上運転していないから怖い。私以上に私の周りを走る人のために怖い。
色々調べた結果、長距離バスがあることがわかり早速予約。
ただ午前のバスはミラノ発朝9時45分が最後。鉄道の倍時間がかかっても正午前にはパルマに着いてしまう。オペラの開演は15時半なのに。

公演前は指揮者の友人のお邪魔はしないことにしている。やはり緊張や集中が必要だから。

さてでは4時間どう過ごそう。。。美しくて住みやすそうな街は既によく知っている。気持ちの良い大きな公園もある。でも今まではミュージアムに入っていないな、と検索するとイタリア音楽史上で最も有名な指揮者トスカニーニの生家が現在ハウスミュージアムになっているのを知る。これはその日のテーマに沿っていてピッタリ!と決める。

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当日、ミラノの長距離バスターミナル大混雑。鉄道ストの影響ももちろんあるが、近年のスタートアップの新参バス会社が成功してバスの本数が激増したのにバスターミナルはその現状に全く追いつかず、発着場が20以上あるのにどこ行きのバスがどこで止まるのかの表示すらなく、ターミナルに入ってくるバスの行き先表示を見るために大勢が走りまわる、という具合だ。悪名高いイタリア鉄道が素晴らしく思えてくるほど。

告知もなく30分遅れたバスに乗り正午前にパルマ到着。気持ちの良い川沿いの道を歩いてトスカニーニの生家に向かう。トスカニーニの生家は中心部から見て「川向う」にあり、昔だったらかなり郊外の庶民的な住宅地だっただはずだが、彼は一生この地域を愛したという。


トスカニーニ、ハウスミュージアム

トスカニーニのハウスミュージアムを出た後、どこか良さそうなトラットリアがあったらランチを取ろうと、街の中心に向かいぶらぶらと歩く。まだ「川向う」の地域を歩いている時、他に店もない中、不思議な人だかりを見つける。レストランでも、トラットリアでもバールでもない。
お肉屋さん。しかも馬肉専門の馬肉屋さん。店の中、外、道のベンチで人々が何か食べてる。
ランチはトラットリアをイメージしていたが、こういうところは美味しいに違いない、と予定変更。


老舗馬肉屋さん1881 外観

店の中に入ると置いてある肉は一つだけ、今日作った馬肉のサラミペーストだという。

サラミペーストとはサラミにするために味をつけた、つまり長期保存ができるように調味した生肉のこと。

本日のおすすめメニューは「秋のサンドイッチ」と称して:
・馬肉のサラミペースト
・カボチャクリーム
・ゴルゴンゾーラチーズ
・カボチャの種
という具で14€


老舗馬肉屋さん1881 内部

14€って今のレートだと2300円のサンドイッチ、ということになる。高いなぁ。。。
それに馬肉とカボチャって合うだろうか、ちょっと疑問。

メニューを見せてもらって「エミリア」(この地方の名前)という名で10€の:
・馬肉のサラミペースト
・ストラッキーノチーズ
・ズッキーニのグリル
にする。馬肉が新鮮だった事もあり美味しい。

馬刺しバーガー「エミリア」

隣のテーブルでは若い女の子が二人「秋のサンドイッチ」を美味しい美味しいと言って食べている。その子達に、パルマでこんなに馬肉がメジャーなんて知らなかった、というと。
「馬肉はパルマの代表料理。毎週土曜日には九割のパルマの家庭で馬肉を食べる程よ。」と言う。
私はこの地方の友人が多く、エミリア地方には詳しいつもりだったのに初耳だった。

ミラノに戻って調べたら、あの偶然通りかかってサンドイッチを食べた1881という馬肉屋さんはパルマで最も古い馬肉屋だと判った。

その後、橋を渡って街の中心部に来ると、お洒落なレストラン、バールが並び、パルメザンチーズ(イタリア語でパルミジャーノ、英語でパルメザンというのは「パルマの」という意味)や有名なパルマの生ハムのメニューが大きくアピールされている。これは観光客の考える一般的なパルマ特産品。
今食べてきた馬肉はあまり知られていない本当のパルマ特産品、とちょっと優越感を味わう。


歌劇場テアトロ・レージョ。イタリアでも屈指の歌劇場の一つ。ナポレオンの妻でパルマの女公だったハプスブルグ家のマリア・ルイーザが創立した。マリア・ルイーザはフランスでは没落したナポレオンを見捨てた女と揶揄されているが、パルマ市民にはとても愛されている。

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オペラ「マクベス」は音楽、演出、舞台、衣装ともに素晴らしく、歌唱力、演技力だけでなくカリスマ性の高いレディーマクベス役のソプラノに圧倒された。生憎公演中の舞台は写真には撮れない。


テアトロ・レージョの内部とマクベスのカーテンコール

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夕食は友人の友人たちとフュージョンレストランで。そこでも真似してみたい料理に出会った。
そのレシピはまたち研究してから発表します。

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翌日、4€をけちって食べそびれた馬肉のサラミペースト、カボチャクリーム、ゴルゴンゾーラチーズ入りの「秋のサンドイッチ」の味を想像する。
何度想像してもなんとなく馬肉とカボチャクリームというのがしっくり来ない。少し甘みのある食材と取り合わせるならカボチャではなくて今旬のイチジクはどうだろうか?イチジクはメロンの代わりに生ハムと合わせても美味しいので馬刺しにも合うはず。

合わせるチーズは?味として合いそうなのはパルメザンチーズ。でもイチジクとゴルゴンゾーラも合うので両方作ってみる事にする。

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さて実際に作ってみて結論から言うと、

・いちじくと言う選択は大正解。

・馬刺しは臭みもなく、クセもないのでかなりオールマイティーな味の取り合わせが楽しめる。
だからそういう意味ではカボチャもあり、ということか。でもいちじくの方が合うと思う。

・味はパルメザンチーズでも良いがクリーミーなチーズの方が馬刺しには合うのでゴルゴンゾーラ(ドルチェ)もなかなか良い。


材料写真

<材料> 4人分

・馬刺し薄切り 4枚
※馬刺しが手に入らない場合は生食用牛肉でも良いかもしれません。

・イチジク 4個

・ゴルゴンゾーラチーズ 約60g

・パルメザンチーズ 少々

・塩

<作り方>

1・馬刺し薄切りは購入して持ち帰ったらすぐに軽く塩をしておきます。

2・1の馬刺しを広げ、あらかじめ洗っておいたイチジクを半分に切り中央に乗せます。乗せた時に少し押して、イチジクを潰します。

3・ 2の上にゴルゴンゾーラチーズを適量(20gくらい?)乗せます。
この時好みで薄くスライスしたパルメザンチーズを少し入れても良い。

4・両端の馬肉で包むように閉じます。

5・野菜用の皮剥き器で薄くスライスしたパルメザンチーズを飾り、一個ずつ盛り付けます。


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