きっと最期にほしいもの。
生きることって、なんなんだろう。
ミチノシオリ #001葉目
『ライオンのおやつ』
小川糸 ポプラ社
最初にこの本に出逢えて、よかった。
全く本に詳しくないから、とりあえず図書室が1番見えやすいところに展示してる中から直感で借りたけど。あぁ、良かった。
生きている。だから、死にたくなることがあると思う。
どこか自分に期待していて。その期待を自分で裏切って。
笑えるくらいに、悲しくなって。悔しくて、悔しくて。
もがいて掴み取ったものがどんどん流れていったり。
自分が磨いた宝石がただの石ころだと気づいたり。
どうにでもなってしまえと、声にならない声が溢れ出たり。
でも。
きっと死ぬとき、私は生きたくなるだろう。
生きたくて、たまらなくなるだろう。
主人公は余命宣告されたまだ若い女性。誰も知っている人のいない海の見えるホスピスで最期を迎えることを決める。
もし、今私が余命宣告でもされたら、どうするだろう。
死と向き合う。命と向き合う。私と向き合って、最期の時間を生きる。
こんな言葉が紡がれていた。
「百獣の王にならなくていいから、生きたいよ。」
ライオンはどんな生き物より強い。
襲われなく、敵もいない。まさに、王だ。
でも、ライオンだって死ぬ。
強さも、地位も、金も手に入れたって、私たちの命は終わるのだ。
ライオンになったって、1番欲しいものは手に入れられないのだ。
生と死の狭間の夢のような空間。真実が何かもわからない、そんな描写が輝いていた。死んだことはないけど、とてもリアルだった。
ホスピスは死ぬ場所。でも、生きる場所でもある。自分の命を見つける場所なんかでもあるかもしれない。やりたいことを、見つけられる場所なのかもしれない。
生きたい、と思える場所でもある。最期に叫べる場所かもしれない。
死に向かう場所で、笑顔になれる。
そんな死に方がしたい。そう生きていきたい。
とりあえず明日は、大好きなムーンライトクッキーでも食べようかな。
KaiTO