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複雑な《ハプスブルク家》が面白いほどよく分かる2冊の本 NO.①

こんにちは、komakiです。


私は、西洋絵画が好きで、現在美術史を勉強中です。(趣味です)


ヨーロッパ諸国の絵画や解説を見ていると、どの時代においても関わりのある名門一族がいます。
それが《ハプスブルク家》です。


“ 凄まじく、難解でこんがらがった家系図 “を持つこの一族のことを理解するのにぴったりな本に出会えたのでご紹介したいと思います。

この2冊で《ハプスブルク家》の一通りの歴史や事件など網羅できた


歴史に詳しくなくても解りやすく、《ハプスブルク家》がより魅力的に感じられる本ですのでぜひご参考になさってください。


◆参考文書

この2冊の本を2回に分けてご紹介させてもらいます。


①  全体像をつかむために読んだ本
     ■図説 ハプスブルク帝国 
②  絵画を元に人物像と婚姻関係などを深掘りするために読んだ本
     □「名画で読み解くハプスブルク家12の物語」


◆絵画鑑賞に歴史を学ぶ必要があるのか?

絵画史を学ぶためにしていることは、
本や動画などで少しづつ全体をつかんだり、
美術館へ行き本物を見ながら学んでいます。


面白いと思った箇所を集中的に深掘りしていくうちに必ず
ぶち当たるのが、歴史


日本の大和絵や浮世絵も好きなのですが、歴史や名前が
[漢字]すぎて難しい
これが、西洋絵画となると学校で習った部分はほんの少しで、
これまた[カタカナ]すぎて難しい。。。



しかし、絵画と世界史(日本史も)は切っても切れない関係であり、
絵画を学ぶ時に必ず歴史が出てくるのです。

☆歴史を学べば絵画も学べる
歴史が分からないと絵画の内容や政治的な背景が分からない


◆西洋絵画史に必ず姿を現すハプスブルク家

そんなこんなで、歴史についても理解しようと興味を持った
「国」「王国」などから、本を読み漁っています。


そんな中で、よく目にするけど一向に全体像が見えない

《ハプスブルク家》

なんとなく、すごく長く続いた一族なのだろうと見て見ぬ振りをしていましたが、長く続いた一族とあって、フランスやイギリス、スペインなどの絵画の歴史にしばしば絡んでくるのです。。。

ハプスブルク家の〇〇との結婚により領土が・・・
『神聖ローマ帝国』の〇〇の肖像画・・・

『神聖ローマ帝国』『スペイン』『オーストリア』この辺りが主に絡んでくるのですが、親族婚にや多産により一族は長い年月を掛けて
“ 凄まじく、難解でこんがらがった家系図 “を作り上げた。

この“ 家系図 “がややこしすぎて、もう誰が誰の子供でどの国の皇帝やら誰と結婚してどの国を占領したのだか訳がわからない。。


◆ハプスブルク家とは?

10世紀スイスの一豪族から時代に翻弄されながら領土を広げ、15〜19世紀の間『神聖ローマ帝国』の皇帝の座をほぼ継承。
合わせて、16〜17世紀末まで続いた、スペインまでも統治したヨーロッパ随一の名門家。

オーストリアを拠点に中東欧、ネーデルラント、スペインなどを支配に広げた。カール5世の時代には中南米やアジアにも領土を獲得。ナポレオン戦争による神聖ローマ帝国解体後は、後継のオーストリア帝国の皇帝となった。第一次大戦後に、帝国が終焉を迎えるまで、数世紀にわたり広大な領土と多様な民族を統治した。




では、まず初めに全体像をつかむために読んだ本をご紹介します。

図説 ハプスブルク帝国 

 

 著者:加藤雅彦


《 ハプスブルク帝国 》
全体に焦点を当てた一冊。
(肖像画、写真、図説、家系図つき)


【内容】

ハプスブルグ家の出発地スイス小さな領土から大帝国になり第一次大戦後に滅亡するまでのヨーロッパ諸国との政治的関わりと、歴史的主要人物の紹介がされている。(領土の図解や写真つき)

*オーストリア=ハプスブルク家:
1273年にルドルフ1世が神聖ローマ帝国の王座につき
1806年帝国消滅まで皇帝位をほぼ独占した
1806年にナポレオンにより『神聖ローマ帝国』が消滅

*スペイン=ハプスブルク家:
1516〜1700 カルロス1世(在位1516〜56, カール5世(神聖ローマ皇帝)としては在位1519〜56)
1700年に王位断絶(フランスのブルボン家がスペイン王位を引き継いだ)

【19世紀以降】
・多民族ドナウ帝国での宗教民族による争いとプロイセン、ロシアからの
 圧力
・芸術や文化の発展
・オーストリア(ウィーン)の音楽の発展と特徴的な芸術様式
 「ビーダーマイア」から見る華やかな貴族社会
・「花の都ウィーン」の帝都改造からなるネオ・ゴシックやギリシャ古典
  様式などの「古典建築」と「近代建築」
・サラエヴォ事件から第一次世界大戦中の政治と市民の困窮
  第二次世界大戦後のベルリンの崩壊から中欧の復活



改めて、見直されるべきハプスブルク家の帝国としての功績について作者はこう語っている

ハプスブルク帝国の解体ははたして懸命な解決であったかどうか、
疑問なしとすることではない

第一次大戦後にハプスブルグ帝国は解体させられオーストリアとドナウ諸民族の新生国家が誕生したのだですが、その結果、民族紛争が激しく燃え上がっていった。


ハプスブルク帝国が残した歴史的、文化的、永きにわたり諸民族を安定的に共通の生活を可能にしてきたという功績を顧みればこの大帝国に束ねられていた方が平和だったかもしれないということでしょう。

事実、音楽家、画家、心理学者や哲学者など多くの才能を世に送り出した。

それだけに、現在に 至るヨーロッパの政治、経済、文化、学問などのあらゆる分野に、ハプスブルク家は深く関わり、影響を与え続けてきたということです。


【感想】

少し内容は固めではあります。
しかし、難しい文章ではないので楽しく読めました。
写真や図解が多いのと、家系図も付いているので誰が誰の子供なのかが分かります。(全員が載った家系図ではない)
ハプスブルク家のつながりというよりも、ヨーロッパで勢力争いや文化の発達など、政治的な内容がしっかりと解説がありました。


何も分からなかった私にとっては《ハプスブルク帝国》の全体像流れを掴むにはとてもいい教科書になりました。


ハプスブルク家についての書籍は、神聖ローマ帝国側とスペイン側に分かれてしまうの時代が前後していたりして解りづらいものがあります。
何度も「家系図」を見直しながら時代を頭の中で整理するハメになります。

しかし、この図説 ハプスブルク帝国は時代を追って記載されているので「頭の整理にさほど時間がかからなかった」

解りやすい文章」と、「整理された構成」で内容が入りやすかった



◆まとめ

歴史やお堅い文章にめっぽう弱い私にとって、
図説 ハプスブルク帝国は、初心者向けといっていいほど、
内容が入って来やすい本でした。

しっかりと歴史を説明してくれたので、この本を見た後に
他の国の歴史本や肖像画などを見ても、「何時代の誰」かが結びつきやすくなりました。
(完全に家系図や関係図を答えられはしませんが・・・)

こと、絵画においての“人気の主題“に書かれている人物や事件についての
感度も高くなったと思います。

次回は、“ 血族結婚  “を繰り返した一族の人物像をもっと理解できる
本をご紹介いたします。


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