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ベルソムラという睡眠薬について
比較的新しい睡眠薬のベルソムラは飲み始めから早めに効果が表れやすいと言われていますが、実際にはどんな効果があって副作用は本当に大丈夫なのか?など疑問がある人も多いと思います。
そこで今回はベルソムラの成分や効果、副作用や依存性の心配などをお伝えしたいと思います。
ベルソムラという睡眠薬について
ベルソムラという睡眠薬の名前を耳にしたことはありますか?
ベルソムラは2014年頃から使われ始めた新しい睡眠薬で、不眠症の改善に効果があります。
ベルソムラやロゼレムなどの自然な眠気を強める薬は、従来の睡眠薬とくらべて、副作用や依存性が少ないことが知られています。
ベルソムラの特長と効果について
ベルソムラは、脳を覚醒させる作用があるオレキシンをブロックすることで、眠りから覚めるのを防ぐ効果があります。
オレキシンとは、生活リズムをつくっている神経伝達物質で、日中に増加して夜間に減少することで生活リズムを調整しています。
このオレキシンの働きが乱れると、夜中に目が冴えてしまったり、日中眠くて仕方がなかったりという症状に悩まされることになります。
ベルソムラは、別名スボレキサントと呼ばれることもあります。
どんな症状に効き目があるのか
ベルソムラには、脳の覚醒を防ぐ効果があるので、寝つきの悪さや途中で目覚めてしまう症状に効果的です。
そのため、不眠症のなかでも入眠障害と中途覚醒に効果が期待でき、とくに中途覚醒の症状があると、ベルソムラの効き目を実感する方が多いです。
今までは途中で起きて2度寝できなかった場合でも、ベルソムラを服用すると寝つける確率があがります。
また、興奮状態を鎮めることで、睡眠の質が上がる効果もありますよ。
ベルソムラは、飲んでから30分ほどで効き始めます。
今までの睡眠薬との違い
病院で処方される睡眠薬には大きく分けて2種類あります。
・脳の機能を低下させる薬
脳の機能を低下させる薬には、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬があります。
これらは、GABAの働きを強めることで、不安をなくしたりリラックスさせたりする効果があるので、睡眠薬や抗不安薬として使われます。
この睡眠薬は、即効性があることと、効果を実感しやすいところがメリットです。
また、筋肉を弛緩させる効果もあるので、肩こりや頭痛などにも効きますが、高齢の方はふらつきや転倒リスクがあるので注意が必要です。
このタイプの薬には依存性があり、薬の服用を辞めるときに離脱症状が出ることがあります。
離脱症状には、強い不安や動悸などがあり、薬を飲まないと眠れなくなってしまうことがありますよ。
・自然な眠気を強める薬
生理的なメカニズムで自然な眠気を強める薬には、ベルソムラとロゼレムの2種類があります。
ベルソムラの効果については上記で触れましたが、ロゼレムはメラトニンに作用することで、体内時計を調整して眠りに導く薬です。
どちらも、本来の眠気を少し強める作用のある薬なので、比較的安全な薬です。
また、どちらの睡眠薬も薬局で市販されていないので、不眠症で精神科や診療内科を受診すると処方される薬です。
ベルソムラの副作用と依存性について
ベルソムラは、昔からある睡眠薬とくらべて依存性が少ないことが最大のメリットです。
ただし、ほかの睡眠薬と同じように、副作用で起床後に眠気が残ることがあります。
そのほか、頭痛や疲労や悪夢といった副作用もありますが、起こる確率は高くありません。
悪夢の症状で注意が必要なのは、うつ病などの精神疾患の方です。まれに、悪夢が原因でうつ症状が悪化してしまう場合があるので、症状の変化をしっかり観察することが大切です。
また、アルコールとの併用には注意する必要があります。
ベルソムラの服用方法と注意点
ベルソムラは、空腹時に服用することで効果が発揮される薬です。
満腹の状態だと薬の効きが悪くなるので、夕食後2・3時間が経ってから服用することがポイントですよ。
睡眠の質を高めるためにも、夕食後に時間が経ってから寝ることは有効です。
また、ベルソムラを服用している間はアルコールを飲まないようにする必要があります。
これは、薬とアルコールのどちらも中枢神経系を抑制する作用があるため、抑制効果が強過ぎてしまうためです。
そして、この強過ぎる効果でしか眠れないという状態になってしまうと、アルコール依存症につながる恐れがあります。
アルコールを飲む機会が多い方は、受診のときに必ず医師や薬剤師に相談してください。
まとめ
今回は、睡眠薬のなかでも自然な眠気を強めるベルソムラを中心にくわしく解説しました。
入眠障害や中途覚醒に効果があるので、これらの症状にお悩みの方におすすめの睡眠薬です。
また、従来の睡眠薬とくらべて依存性が少ない薬なので、依存症が心配な方におすすめですよ。
ただし、眠気が残って日常生活に支障をきたすなどの副作用が出ることがあるので注意して使うことが大切です。