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ニワトリと暮らす彼。田舎で養鶏と農業をすることになる私。

動物が苦手な私と、ニワトリを飼う彼

動物が苦手な私。そんな私が付き合うことになった彼は、趣味で鶏を飼っている。初めて聞いたとき、「どういうこと!?」と思った。初めて鶏を見せてもらったときも、「どこが可愛いんだろう?」と頭の中は疑問でいっぱいだった(笑)。

彼が育てているニワトリ

それから約3年。私は今、彼と一緒に養鶏と農業をしている。

今に至るまでの経緯や心情とともに、私たちの養鶏と農業について綴ってみようと思う。

畑仕事のはじまり

ある日、彼から「一緒に畑をやってみないか」と誘われた。

田舎で暮らし、自分で野菜を育て、とれたての野菜で料理をすることに多少の憧れがあった私は、「ジブリみたいで楽しそうじゃん!」と、その誘いを二つ返事で受けた。

まずは、数年使っていなかった畑の土を柔らかくするところからスタート。初めての耕運機、初めての土いじり。楽しい!

土を柔らかくするために、彼が飼っている鶏の鶏糞を混ぜた。臭くて汚いだけだと思っていた鶏糞が、実はとても優れた肥料になると知った瞬間だった。

初めての収穫の喜び

人生初の畑仕事。私たちはジャガイモを育てることに決めた。

初めての畝作り、初めてのマルチ、初めての種芋植え。スクスク育つ葉っぱたちが愛おしい♡

牛乳パックで作った札
1年目はキタアカリ・男爵芋・メークインを育てた

そして迎えた初めての収穫。ゴロゴロとれる大量のジャガイモに感動が止まらなかった!

初めてのジャガイモ収穫
早速ポテトを作った🍟めちゃウマでした

大成功したジャガイモ栽培で畑の楽しさにすっかり虜になった私は、夏に向けてナスやピーマン、モロヘイヤ、オクラ、トマトなどの夏野菜も育てようと彼を誘った。

思っていたよりも簡単に育つ野菜たち。その野菜で彼と一緒に料理をし、ご飯を食べる時間が楽しくてたまらない!

循環する暮らし

野菜だけでなく、彼のおかげで毎日産みたての卵まで食べられる。

朝採れ卵🥚

料理の過程で出る野菜の皮や種は、鶏の餌となる。それが卵になり私たちの食卓に循環され、さらに鶏糞として野菜の肥料になる。

関東にある私の実家で出る生ごみより、鶏がいる彼の家のほうが生ごみが圧倒的に少ない。キッチンのゴミ箱が臭くないのも驚きだった。鶏はまるで天然コンポストのような存在で、環境にも優しい。

そういえば、小さい頃おばあちゃんが「昔はみんな家で鶏を飼っていたんだよ」と話していたのを思い出した。鶏はなんでも食べてくれるから、今ほどゴミが出なかったんだよ、と。

まさにその通りだと実感した。

卵を産むニワトリ

鶏とともに生きる日常

秋にはカボチャやサツマイモなどを育て、畑仕事はすっかり日常になった。

気候の影響で野菜がうまく育たないこともあったが、たとえ私たちが食べられなくても鶏が食べてくれる。悔しさやもったいなさよりも、鶏の偉大さに感動することのほうが多かった。

農業と夫婦の関係

この3年間で私が感じたことのひとつ。

畑作業中はケータイをいじれない。すると自然と彼と話す時間が生まれる。真正面で顔を見ながら真面目な話をすのが少し苦手な私たちでも、土をいじっていると自然と将来の話ができる。

「これからどうしたい?」 「一緒にこんなことをやってみたい!」

恥ずかしがることなく、素直に話せる。

また、一緒に時間をかけて育てた野菜が収穫できたときの喜びは格別だ。

まだ子供はいないし、今後授かるかどうかは分からない。でも、「協力して何かを一緒に育てる」という経験ができているこの3年間は、きっと今後の人生で活かされるのではないかと思う。

昔の人々は、今よりも離婚率が圧倒的に低かった。それにはさまざまな理由があるだろうが、農業が当たり前に日常にあり、夫婦で協力しながら育て、苦労や喜びを分かち合っていたことが大きな要因のひとつなのかもしれないと私は思う。

鶏のいる暮らしの価値

そう思ったとき、鶏がいる生活はかけがえのないものなのだと感じた。

仕事が忙しく、デジタルの中で生きる現代人にこそ、鶏のいる暮らしや畑のある暮らしを体験してもらいたい。
私も、普段はパソコンと向き合って仕事をしているが、仕事の前に早く起きて鶏と触れ合ったり、休日に畑をいじったりするようになってから、ストレスはだいぶ減ったと思う。

これからも、細々と養鶏と農業を続けていきたい。

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