管理職ってオワコンなの?サービス管理責任者に管理職の魅力を聞いてみたら〇〇だった
こんにちは!
海邦福祉会外部広報の三好です。
突然ですが、みなさんは管理職になりたいですか?
ここ数年、全国的に管理職になりたくない人が増えているそうです。
今年1月の「管理職に関する調査」(株式会社識学)では、管理職になりたくないと答えた人が7割強という結果が出たとか。7割強!!!
以前は管理職といえば出世のイメージがありましたが、今はそうじゃないんでしょうか...?
その流行(?)は海邦福祉会も例外ではなく、管理職である「サービス管理責任者」略してサビ管になりたいという人が減ってきてるのだとか。
そんな状況をどうにかすべく、今回はサビ管のみなさんに集まっていただき、サビ管の魅力について話し合っていただきました!
サビ管ってなに?そもそもなんで不人気なの?
海邦福祉会でサビ管を務めるのは4名。名前は写真のとおりです。
みなさんサビ管歴2年以上のベテランで、知念さんと仲宗根さんが入所施設、久保さんがグループホーム、池原さんが通所施設のサビ管を担っています。
三好「そもそもサビ管ってどんなことをするんですか?」
隆生さん「サビついた配管を修理します。」
隆生さん「というのは冗談で、飲食店でたとえると店長さんのような役割です。海邦福祉会には様々な施設形態があるので、それぞれの現場責任者をサビ管が担ってくれている感じですね。」
サビ管の多岐にわたるお仕事内容をざっくりまとめると、
・個別支援計画書の作成
・それに伴う利用者のアセスメント
・会議
・外部相談員とのコミュニケーション
・支援技術指導
などが一般的。海邦福祉会では上記にプラスして、会計の一部も委ねているそう。THE管理職!という印象です。これだけ見ると、責任の範囲が増えてやりがいUPしそうな気もしますが、そうじゃないんでしょうか。
三好「なぜ不人気か、なんとなく分かったりしますか?」
隆生さん「単純に守備範囲が広いのは大変ではあるよね。数字をみたり、自分が動かないと責任問題に発展することもあるから。あと現場が楽しいから現場から離れたくないってスタッフもいるかな。」
三好「なるほど。そのあたりは現在サビ管の皆さんは、どう思われているんでしょうか?」
仲宗根さん「書類仕事が苦手なので、嫌ではないけど楽しくはないですね(きっぱり)。」
三好「前回のインタビューでもおっしゃってましたよね(笑)。」
久保さん「僕は、現場にいた時代は『なんでサビ管は現場にあんまり出ないんだ』と不満がありましたが、サビ管になってその理由が分かりました。やることが多すぎてなかなか出られない。楽しさでいうと僕も現場の方が楽しいです。」
三好「な、なるほど...。たとえば楽しいのは現場だとしても、働き続けるなら管理職にならないと体力的にきついとかはないですか?福祉=体力仕事というイメージがあります。」
隆生さん「知的障がいの分野は案外、利用者さんを抱えるようなシーンは少ないんですよ。知的能力と社会生活への適応能力が低いことで日常生活に支障がある人はいるけど、体は元気な人が多いので。定年ギリギリまで現場でやる人も結構いますよ。あとは経験積んだ人だと信頼も積めてるから『はい行くよ』で利用者さんがついてきたりして、より体力がいらなくなる(笑)。」
恵さん「役割が自然と分かれてるよね。利用者さんが突然逃走したら若い人が『自分行きます!』って走ったり、パニックが出たときはベテランが『俺入るよ』って場を治めたり。一生支援員でも保証されるのは、もしかしたら一般企業とは少し違うかもしれないです。『支援をしたいからサビ管には一生なりません』もアリ。」
三好「なるほど。そんな中、皆さんはどうしてサビ管になる道を選ばれたんですか?」
久保さん「僕は野心があったからですね。」
池原さん「僕は入った当初からサビ管のようなポジションだったので、逆に現場だけの経験がないんですよ。」
知念さん「僕も池原さんに同じくです。」
仲宗根さん「僕は現場が好きだったから、最初は断ろうか迷った側の人間なんで...(苦笑)。でも会社が求めている役割だから、やってみることにしたって感じですかね。」
三好「やってみてどうでしたか?」
仲宗根さん「地域や外部の人との関わりを通して、現場だと見えなかったものが見えるようにはなりました。サビ管になるのを躊躇したのは、不安が大きかったのかなと今は思います。」
隆生さん「たしかにサビ管って、漠然と”大変そう”ってイメージが浸透してるけど、いい面はあんまり広まらない傾向にあるよね。どうしてだろう。」
久保さん「サビ管が増えたらいいなって感覚はあるし、良さをぜひ伝えたいではあります。ただサビ管になってから分かったことや辿り着いた思考が多いので、伝える難しさは感じますね。自分が現場の時にその話をされても正直ピンとこないだろうなと。」
三好「たしかにそれはそうですよね。たとえばどんな変化にサビ管の魅力を感じますか?」
久保さん「地域と繋がったり、おもしろそうな企画や計画を見たり動かしたりできるようになったのは嬉しいです。『これやったら現場も絶対楽しいはず』って考えるのも楽しい。自分がやってきたことを再確認しながら、視点を増やしたり広げられるのもサビ管ならではです。現場にいた頃はお金を気にしたことがなかったし、提案が通らないと”何でできないんだ”で終わりだったけど、今は理由を分かった上で動かし方を考えていける。」
三好「なるほど!働く上での納得感は上がりそうですね。皆さんはどうでしょうか。サビ管になって変わったことはありますか?」
池原さん「僕は最初からサビ管のような位置づけだったので、大きく変わったことはありませんが、もともとサビ管が特別大変という印象はないんです。ただ大変さが違うだけ。現場は利用者と向き合う大変さがあり、サビ管は責任を持つ大変さがある。利用者さんとコミュニケーションの時間はたしかに減りますが、職員とのコミュニケーションを通じて、利用者さんに巡っているなと感じています。僕は現場が楽しいと嬉しいです。」
仲宗根さん「僕は、一番変わったのは責任だと思います。楽しいのはやっぱり現場だったし最初はプレッシャーでしたけど、企画を出したり職員や利用者さんが楽しめることを考えるのは嫌じゃない。」
知念さん「僕は嫌なことも楽しいことも2倍3倍に増えましたね。権限が増えたので、今はもっと楽しいことをやってやろう!って思ってます。」
隆生さん「最近、億単位の企画を出してきたよね。」
三好「億!!」
知念さん「仲宗根さんと一緒に、体育館を作ろう!っていう企画を(笑)。自分らが楽しかったら利用者さんも楽しいだろうっていうのが根底にあるので、とことん自分たちが楽しめることを考えて企画しました(笑)。数億円分の笑顔はとれるかなと思ってます(照れ笑い)。」
隆生さん「その後に久保さんが40万円の企画持ってきたら『安いじゃん』って思っちゃったよ(笑)」
このやりとりを聞き、無理に「魅力」を引きだそうとするのを止めました。魅力とかじゃないかもしれないな、と思ったからです。
脱線しますが、昔、子持ちの友だちに「子どもを持つメリットってどんなところ?」と聞いたことがあります。子どもを産んだ今となっては愚問だと分かりますが、そのときは真剣に知りたかったのです。
すると友だちはこう答えました。「ない」。即答でした。
きょとんとした私に彼女は言いました。
「自分の時間はなくなるし、旦那と喧嘩は増えるしお金はかかるし、メリットないよ(笑)。でもメリットないのに産んでよかったと思うの、凄くない?」
もしかしたら、サビ管になるメリットはないかもしれません。だけど少なくとも、お話を聞く中で感じたのは、見える景色が変わったという事実があること。
「現場は楽しい。だけどサビ管になると視界が広がる」ということは事実としてあるのだと感じました。
今回インタビュー中、私がサビ管になることを「出世」「昇進」と言うたび、隆生さんから訂正が入りました。「管理職だから偉いというわけではない。役割が違うだけ」と。そして「それは僕にも言えること。理事長だから偉いわけじゃない」とも。
視界が広がるからいい、悪いではない。だけどもし、「私がやっているこの仕事ってどんな意味があるんだろう」「どうしてあの案が通らないんだろう。絶対もっと良くなるのに!」という疑問が浮かぶ日があるなら、サビ管になれば少し分かるのかもしれません。その案が通る方法も思いつくかもしれません。もしくはもっと具体的な疑問に昇華できるのかも。
いい悪いではなく、魅力があるないではなく、サビ管はそういうポジションなんだろうなと思いました。
つまりサビ管の魅力は「ない」!外部広報からは以上です。
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