なんとなくアプリ開いても何も観たくないのになんとなくレンタル店に行くと10本15本持って帰る現象。
送料無料につられて、一時期amazon primeに入会していたんですけど、あっという間に自分の知っている範囲の映画は見尽くしてしまって、なんとなくアプリを開いても最新作以外は観ようと思わなくなってしまいました。
なんとなくレンタル店に行くと、あっという間に10本15本持ってお店を出ることになるのにね。
まあ理由は簡単で、あれってなかなか検索性がよくないですし、新しい出会いも無いので、観たい作品が増えないんですよね。
リアル店舗でないことのデメリットを如実に体感できてしまったんです。
既に知っているタイトルを直接探しに行くには値段でも手間の面でも最高なのは間違いないです。
最新作とかも限りあるDVDを奪い合うみたいな現象が起こらないのも確実にメリットです。
だから図書館の検索システムと書架みたいな使い方で観たいものを観たいときに見る場所としては良かったんですが、その観たいものが増えないんだったら自分の家のDVDラックとなんら変わりがないってことに気づいたんですよ。
旧い映画や文学は余程の名作でないとwebサービス上では表立ってレコメンドされないですし、されるような作品はだいたいもう観ちゃってるんですよね。
新しい出会いをアーカイブから引っ張り出すにはまず知っていることが前提になってしまうんです。
知らないものには出会えなかったんですよね。
もちろん「あなたへのお勧め」みたいなのは出てきますけど、履歴のデータから選び出されたお勧めですからね。
ゴジラを観たからって必ずしもキングコングが観たいわけじゃないんですよ。惑星大戦争くらいをお勧めして欲しいところです。
そういうところがリアル店舗ではあったじゃないですか。
行く度に新発見みたいな。
体系的に陳列されているというその空間自体が見やすくて検索性抜群のカタログ、近づくのも離れるのも自由であるという状況。
費用対効果以外の部分での計り知れないメリットがレンタル店にはあったことをどうか忘れないで欲しいんです。
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レンタルビデオという文化ってなくなってしまうのでしょうかね。
米国では大手チェーンが続々と閉店し、日本でも蔦屋書店のフランチャイズのうちの一つがレンタル事業から撤退したことがニュースで報じられていたり。
配信サービス。月1,000円2,000円で見放題だったら、確かに良いんですよ。解ります。
暇を持て余した学生の頃には毎週7本〜10本映画をレンタルしていて月に5,000円以上は確実にかかってました。
自分で本や雑誌、ネットで見たい映画を探せる人には最高のシステムです。
あと、そういうダメ人間だけではなく、例えば子供が昼間永久にディズニーをリピートするみたいな家や連続ドラマかアニメを10話20話一気観するみたいな使い方もすぐ元はとれちゃいますよね、
家族が一人でもいればその時点でもうメリットしかないです。淘汰されるのは仕方ないか。
じゃあこれからの時代、どうやって新しい作品に出会いましょうか。
テレビも厳しいので今は大ヒット作とジブリ位しか流せないし、まあもうみんなが同じ時間に同じ番組を見るという次代でもありませんしね。
月曜日に小学生が昨夜のハムナプトラの話で盛り上がったりはしないかもしれません。
まあそのほうが良いのかもしれませんが。
ほんの少し舞えまでは金土日で毎週3本無料で映画が見られて、なんなら日曜の午後家に居ればプラス1本なんかやっていて、深夜はさらに字幕でB級作品とかもやってましたね。
子供の頃、夜中にトイレに起きたあと眠れずにTVをつけたらたまたまやってた「遊星からの物体X」を見てしまったとかそういう不幸な偶然はもう無さそうです。
今はもう
「遊星からの物体Xというコワイ映画があるらしい。名作らしい。それを見よう」
と誰かから情報を得てからクリックしに行かないと日常生活に遊星からの物体Xが侵食してくることは皆無でしょう。
まあそのほうが良いかもしれませんが。
冷静に考えるとレンタルビデオという概念が誕生する80年代初頭まではそれが普通というかそれですら贅沢だったんですよね。
本当のおたくは吹き替えと1時間半に編集されたTV放送版をしっかりと目に焼き付けたり、名画座や映画祭のスケジュールをチェックして遠征したり映画会社からフィルムを借りて上映したり、それを盗撮したビデオや8mmのダビングのダビングが学生の間で取引されたり。
貪欲に求めていかないといけなかった時代があったんですよね。
諸先輩型には本当に尊敬しかありませんね。
思うに、今まではだれでも簡単ににわかになれる時代だったけど、これからはにわかにすら「なろう」という意志がないとなれない時代になる気がします。
何を知れば良いのかも、調べないと解らなくなる。
本当のメジャーなものにしか触れずに育った子供達が成長する頃、いまでいうところの「サブカル」の価値がさらに高まる気がします。
もしかしたら、その時代のオタクたちは今よりもずっと農耕な映画体験をすることが出来るのかもしれません。
たぶん何も知らずに噂だけで「マトリックス」にたどり着いたら感動して倒れるんじゃないですかね。
すごくゆっくりと。
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大手のあそこって平然と370とか400円取っててぱっと見は高かったんですが、定期的に10本1,000円だとかクーポンで100円とかうまく使うと配信並とまではいきませんがそれなりにリーズナブルに回すことも出来ました。
やっぱ子供とかがメインなのかなとも思うんですけど。子供って10分以上の動画を集中して見られないですよね。
youtubeは10分前後がメインで、テレビの子供向けアニメもCM挟んで12分+12分。
その他のお店、地元のレンタル店とかは旧作88円とか新作180円とかなかなか攻めた値段設定だったり、二週間だったりするので実際、配信サービスで元を取るのって結構ギリギリの値段設定だなと思うんです。
普通の人は月に20も30本も映画見ませんからね。
そういう意味では、レンタル店も案外しぶとく生き残るかもしれませんね。
メーカがディスクを焼いてくれる限りという前提ですが。
名作の近くに置かれている知らない映画。観ようと思っていたけど記憶から消去されていた映画。
目的の映画に向かう途中でふと見たアジア映画コーナでこちらを見つめるイケメン俳優。
裏を見ると結構派手なガンアクションものらしい。男たちの挽歌の現代風かな。はずれでもいいから借りてみよう、みたいなやつ。
意外と当りだったり、とても綺麗な女優がいたら調べてみたら実は最新のハリウッド映画でアジア系脇役として活躍されていたり、そういうやつ。
自分が生きている間くらいは続けたいなと思い、今日も僕はレンタル店に足を運ぶのです。
きっと来週も。
おしまい。