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強皮症の闘病生活で苦しかった1年間のキツかった症状と役に立った対策

あけましておめでとうございます。
昨年2023年は私の持病である全身性強皮症の状態に大きく変化があったので1年間を振り返って記事にしたいと思います。
この記事を通じて少しでも強皮症の症状について知っていただけたら幸いです。

はじめに ご報告とお礼 
署名がついに2万件を突破!

2023年の年始から開始した署名活動が署名総数2万件を突破しました!
これは、ルミセフという薬が強皮症でも保険適用されるように求める署名活動です。
私が運営に携わらせて頂いてる日本強皮症患者の会が行っています。

→署名サイト

想定以上の方々にご支援をいただきました。

署名活動では、患者さんが症状のお辛い人もいる中、家族や友人にお願いし集めてくれました。
私も家族から友人まで皆さんに依頼したところ、快く協力してくださいました。
署名活動を通じて自分は周囲の皆さんに生かされているんだな、と改めて実感する機会になりました。
まだ承認の目処は立っていませんが、2024年は集めた署名を正式な機関に届け、早期承認されるよう出来ることを精一杯やっていきます。

1年間で苦しかったこと4つのこと

2023年を振り返ると精神的にも身体的にも苦しかった1年間でした。
2019年から病気を発症し2022年頃までは日常に大きく支障をきたす事はありませんでした。
しかし、2023年の年始からは身体的、精神的にも負担が増していきました。
特に苦しいと感じた4つを紹介します。

苦しかったこと①  間質性肺炎で会話ができない、走れない

強皮症は間質性肺炎を併発する病気です。最初は空咳が続くな〜、くらいだったのですが全く治らず、むしろ咳の頻度と勢いは増していきました。
 仕事が営業ということもあり、電話や商談中に途中で退席せざるを得ない日が多くなっていきました。
 今年が苦しい1年間と感じたのは、精神的なものよりも、この間質性肺炎による肺の苦しさが1番の要因です。肺の機能も落ちてしまい、呼吸機能検査も途中で中断せざるを得ない日もありました。

咳が酷く会話もままならない時もありました。

苦しかったこと② 逆流性食道炎の悪化で食事が上手く摂れない

強皮症は間質性肺炎と共に逆流性食道炎も発症します。食道の働きが弱まることで、食事をしてもスムーズに消化をする事が出来ません。
 せっかく美味しい食事を終えてもうまく消化されず、さらに間質性肺炎が伴うので、激しい咳と共に食べたものが戻ってきてしまいます。
 19時に食事を摂り、0時に布団に入ったとしても咳で目が覚めてしまい、さらに食べたものをもどしてしまいました。
 横になっても食べたものが戻る感覚でなかなか寝付けず、睡眠不足にもなっていきました。

寝付けたとしても咳で起きてしまいます…

苦しかったこと③ 手指の潰瘍、むくみで細かい作業が出来ない

強皮症は指先へ血行が届かず、徐々に皮膚組織が壊れてしまいます。それによって、指先に潰瘍が出来、常にどこかしらの指先に傷がある状態になります。
酷い時は何かに少し触れただけで痛みが走るので、ものを触るのにも躊躇してしまいます。
 また、指先の骨も血行不良で骨が溶け、浮腫んでしまい指が短く太くなってしまいました。
 人差し指に潰瘍が出来て、短くなり浮腫むと細かい作業が出来なくなってしまいます。毎朝服のボタンをとめたり、お箸を扱う事がスムーズに行かなくなります。さらにスマホを上手く触る事が出来ず、人とのオンラインのコミュニケーションがリズムよく出来ない事もありました。

スマホの文字すら難しいのはストレスでした。

苦しかったこと④ 精神的なもの

 私の強皮症の症状は、幸いな事に寝たきりになったり、日常生活を送れない状態ではありません。仕事も周囲に助けられながらなんとか続けられました。(人によっては歩く事や寝返りをうつことすら難しい方もいらっしゃいます。)
 しかし、これまでは問題なくできていた事が徐々に出来なくなっていくことで、少しずつ心が蝕まれていく感覚がありました。
 「病気だから仕方ない、自分のペースでやろう。」と自分に言い聞かせて気持ちを切り替えようと努めます。しかし、そんな日々が続く中で、出来ない事が増えたり、薬が効かなかったり、周囲に迷惑をかける日があると『一生こんな日が続くのかな」と思い、何とも言えない気持ちで途方に暮れてしまっていました。

ふとした時に途方にくれてフリーズしてました。

強皮症は真綿で首を絞められるような病気

ここまでが今年1年間で特に苦しさを感じた4つのことです。
身体的、精神的にも苦しさがあり、様々考えた結果として2020年から勤めていた営業の会社も退社することになりました。
肺炎が悪化する中で営業マンとして仕事を続けていくのは難しいものがありました。
人や環境にめぐまれ、昇格試験にも受かって、これからはメンバーのマネジメントも挑戦して行きたかったのですが、とても残念です。

話す事、食べる事、走る事、生まれてきたら当たり前に出来ると思っていたことが少しずつ思い通りに行かなくなる。ようやく慣れても、また少ししたら悪化するので、個人的に強皮症は
真綿で首を絞められるような病気だなと思っています。

症状への対策

ここまでネガティブな部分を書いてきました。でも途方にくれるだけでは症状が悪化していく一方です。そこで、この1年間で投薬以外の特に役に立ったなと感じる対策を症状別に共有します。

間質性肺炎への対策

  1. 胸部を貼るタイプのホカロンで常に温める。
    →夏以外は常備していました。

  2. 肩が内側に入らないように胸部のストレッチ
    →呼吸が深くなり、痛みも少し和らぎました。

  3. スチーム吸入機で喉を潤して呼吸を楽にする。
    →就寝前に蒸気を吸引することで眠りが深くなりました。

胸部のストレッチで呼吸を深く

逆流性食道炎への対策

  1. 食後はすぐに横にならない。

  2. 就寝前に入浴し、副交感神経を優位にして腸が働き易くする。

  3. 締め付けのきついズボンは履かない。→ユニクロのヒートテックスマートパンツが暖かく、さらにストレッチもきいて最高です。

ヒートテックスマートパンツ2wayストレッチが仕事もプライベートも手放せませんでした。

指先の潰瘍、浮腫み、指が短くなることの対策

  1. 寒さで指先への血流が悪くなるので、コンパクトに持ち歩ける上着を待ち歩き、少し寒ければすぐに羽織る。

  2. 着用する上着のポケットは中がフリースタイプのものを選ぶ。

  3. 指先のマッサージとストレッチを欠かさない。
    →デスクワークで手指の筋肉が固まり、血流が悪くなるのでマッサージ。行っていました。

  4. 小さい傷ができたらすぐに軟膏を塗ってガーゼを貼る。

精神的なしんどさへの対策

毎日症状で苦しい。月に一回の通院でも悪化していることを聞かされる。
また、誰かに話をしてみても、相手に心配をかけ過ぎてしまったと気付き、最後は着丈に振舞ってしまう。
精神的に楽といえるタイミングはなかなかありませんでした。
そんな2023年は星野源さんの曲に何度も救われていました。星野さんはくも膜下出血で2度の手術を行い、生死の間を彷徨ったご経験があるようです。そんな星野さんの作るメロディーと歌詞は病院の帰り道の自分に優しく寄り添ってくれました。
特におすすめは昨年リリースされた『解答者』という曲です。
闘病されている方には共感出来る歌詞がとても多いのではないかと思っています。
とてもおすすめの曲なので是非一度聞いてみてください。

→星野源さん『解答者』YouTubeの動画

Netflix内の番組で作られた曲の一つです。

最後に

去年1年間は手放しに楽しかったと言える年ではありませんでした。
それでも、周囲の支えがあってなんとか良い一年だったと思えています。
人は1人では生きていくことは出来ないですね。
2024年は自分だけではなく、同じく強皮症と闘う患者さんの役に立つような活動を昨年以上に取り組んでいきたいと考えています。
こういったSNSでの情報発信や、患者会では講演会などを開催します。
患者会の活動もお金になるものではありませんが、同じ境遇の患者同士で励まし合いながら活動しており心の支えになっています。
1月24日(水)18時30分〜より東京大学の佐藤教授をお招きして講演会を開催します。
日常生活の注意点がテーマなので、私自身とても楽しみにしています。
昨年無理を言って表敬訪問した際に、快く講演の依頼を受けてくださり、とてもありがたい限りです。
ご興味あればホームページに詳細が載っているのでご覧ください。

患者会ホームページ

ご興味ある方はホームページをご覧ください。

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