【満腹ホルモンのレプチン】
今回は「ホルモンバランスと肥満」についてお話しします!
人間は「何故太り続けてしまうのか?」という点になるのですが、本来脂肪を蓄え続ける生き物なのが人間になります。
体温の維持であったりとか、エネルギー源を確保する為とも言われています。
世界の肥満者を見ると、2016年の段階で肥満者(BMI25以上)が男性で30%、女性で19%まで上昇しています。年々上昇傾向にあるので、WHOでは「肥満減少」を優先課題として挙げています。
体重が数%減少するだけで、「高血圧・脂質代謝異常・肝機能・高血圧」の改善が見られてきます。
〜満腹ホルモン(レプチン)とは〜
人間の身体は満腹ホルモン(レプチン)と摂食ホルモン(グレリン)のバランスによって適正体重維持に努めています。しかし何らかの原因でこのバランスが崩れたり、満腹ホルモンの効果が薄くなってきて肥満者に近づいていきます。
レプチンとは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脳内の弓状核(摂食中枢)を刺激して、摂食行動を抑制します。脂肪が増えるに従って、レプチンの放出量が増えるので、これが「人間の適正体重の維持」に貢献しています。
〜肥満がより肥満になる理由とは〜
脂肪が増えるの従ってレプチンの分泌量も増加していくのであれば、本来は肥満に歯止めがかかる筈である。しかし実際には肥満者は「太り続ける」一方である。これは何故なのか。
このメカニズムや治療法は未だに分かっていないのが現状ではあるが、ある説が挙げられている。
それはレプチンの効き目が弱くなっていく「レプチン抵抗性」という減少である。「PTPRJ」という酸素分子がレプチン受容体の活性化を抑制していると言われています。
〜肥満促進の「PTPRJ」〜
「PTPRJ」は摂食中枢で発現されていると言われています。マウスを使った実験で「2ヶ月間高脂食」を続けると、レプチン抵抗性が高まるにつれて、PTPRJの発現が上昇していると確認されました。前述したとおり、PTPRJがレプチン受容体の活性化を抑制することによって、レプチン抵抗性が高まって満腹感が出てこないというメカニズムになります。またインスリンの働きも抑制するので糖尿病の原因としても考えられています。
なのでPTPRJを阻害する薬剤は「肥満の治療薬」になるでしょう。